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コラム

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みちしるべ

2021-01-26
 紙ほど有用性に優れた文明の利器があっただろうか。本、書類、機密文書、果たし状・・・。文明史上、あらゆる場面で紙は人間社会の営みを支えてきた。そんな存在がデジタルに取って代わられる危機に▼電子媒体のニーズは確かに強力。弊紙も「電子版」を既に展開中で、日々の入札予定や結果、記事などをインターネット環境があればいつでも、どこでも閲覧できる。新型コロナウイルス感染症対策のリモートワーク普及で電子媒体のニーズがより高まっている。方法次第で専門紙の拡大余地は十分ある▼しかし、読みやすさから紙に回帰する動きも一部で見られる。結局、情報の質が良ければ媒体形式は問わない。言い換えれば、質をおろそかにすれば双方の読者を失う。だからこそ、大切なのは紙もウェブも。(雛)

みちしるべ

2021-01-25
 県の今年1月1日時点の推計人口は55万651人。今春には55万人を下回るのではないか。学校で人口60万人と習っていたころを遠く感じる▼学校と言えば先日、鳥取市気高町の4小学校(逢坂、宝木、瑞穂、浜村)の再編に向けた議論が今年から本格化するというニュースを見た。市教育委員会は2040年度の児童・生徒数をもとに、小中学校・義務教育学校の再編方針案をまとめている。その中で子供の数が一番減少すると予測されている気高地区が学校再編の議論に入ることとなった▼仮に統合し新校舎建設となれば、業界の仕事が増えるという面からは良いことだと思う▼ただ、行政が根本的な人口減少対策をしないと将来どの業種でも人材確保が難しくなり、県の経済面に影響が出るのではと感じる。(隼)

みちしるべ

2021-01-22
 昨年の球磨川氾濫、一昨年の千葉県豪雨…梅雨前線や台風到来に起因する浸水等の災害は、毎年必ず何処かで、白羽の矢が立つかの如く発生する▼この度国交省がレッドゾーンの対象区域を拡大し、浸水被害が想定される地域での住宅新設に制限を課すよう動きつつあるのも、河川災害の深刻性が見直された結果だろう▼昔から甚大な台風被害に見舞われてきた高知県で聞いた話だが、台風の時は海を警戒すると同時に「町中を流れる川にも近づくな」ときつく戒める。津波が川を遡り氾濫する危険があるからだ。この地において、経験に基づく危機意識が伝承され、現在でも強く認識されている事が窺えた▼一級河川を3つ擁する我が県も他人事でない。河川の危険を認識し、先手を打った対策を施すことの重要性を改めて感じる。(梟)

みちしるべ

2021-01-21
 今のところ、日常生活に支障をきたすほどではないが、雪の降る日が多い。暖冬が続いていたこともあり、積雪時には車での移動に神経を使うし、疲れる▼注意報が発令されると鳥取県が発信する「あんしんトリピーメール」は一日に何度も携帯電話に届く。さらに、警報が出れば道路の通行止め、公共交通機関の運休情報などが相次ぎ、気持も滅入る▼除雪の委託業者は久しぶりに稼働時間も長い。特に山間部は倒木などの被害も発生し、極めて過酷で危険な作業が続いた▼悪条件の中でも、熟練したオペレーターは手慣れた姿で重機を動かし、地域の安全な生活を長く守り続ける。経験を重ねた人達の技能と苦労に感謝の言葉を伝えなければいけない。そして、一人でも多く後継者が育つことを願う。(鷺)

みちしるべ

2021-01-20
 私が月に1度通っている古典学習会で、「大事を済(な)すには必ず人を以(も)って本(もと)となす」という言葉を学んだ。三国志の時代、劉備が言い放った言葉。「大きな仕事を成し遂げるには人以上に重要なものはない」と訳す▼厚生労働省の調べでは、建設業就業者の平均年齢は44・2歳と他の産業に比べて高齢化が進展。就業者数は約480万人と20年前のピークと比べて28%減少しているなど人材不足が問題。それを補うため、現場の業務効率化や生産性向上の有効策の1つとしてICTの活用も考えられている▼それでも、やはり人材は大事になる。災害などが起こった場合、地元建設業が地域を支える。働き方改革や新3Kの推進、外国人の受け入れなど建設業界でも職場環境の向上を図っている。人材不足の解決を願う。(鴎)

みちしるべ

2021-01-19
 週末に第一日程を終えた大学入学共通テスト。知識・技能特化のセンター試験に比べ「思考力・判断力・表現力」に重きを置き、複数の資料を扱う設問や、前問の答えと連動した出題などが特徴。言わば「文脈」を読み解く力が試される▼時間が足りなかった、と振り返る学生が多い。単独で完結していた諸要素を縦横の糸で結びつけるには、時系列の奥行きを加えた複雑かつ中長期的な視点が要求される▼一方PDCAやアジャイルなど、現代社会の主流は短期的成功の量産だ。「デジタルを導入すれば即DX」「国土強靭化よりも目の前の感染対策」―「文脈」を見失い、近視眼の罠に陥りがちな我々大人にも新たな試験が課されている。6月16日までの150日間、回答時間は十分だろうか。(鵯)

みちしるべ

2021-01-18
 他産業と比較して建設業は特に全国で高齢化が進んでいる。今後は、現在の建設業界を支えている高齢者の大量退職が見込まれており、若年層の確保は業界の喫緊の課題だ。そのため、2019年6月には、働き方改革や生産性の向上に向けて担い手3法が改正された。これに基づき、各発注機関は、翌債などの明許繰り越し制度などを活用し、発注・施工時期の平準化を図っている。しかし、それでも予算や天候の関係から3月に工期が集中していることは多い。ただ、この先若者が安心して建設業に就きたいと思ってもらうためには、業界で常態化する長時間労働の是正は不可欠だろう。様々な事情が絡み合い、とかく難しい問題ではあるが、行政も早期発注に努めるなど、できるところから業態の変革を図ってもらいたい。(鴨)

みちしるべ

2021-01-13
 コロナ禍で年末年始の往来を分散化する県庁の「とっとりホリデイ」も終了。12日、仕事始め式があり、今週から新年が本格的にスタートした。「牛の歩みも千里」―丑年は少しずつでも前進して大きな成果を得る年にしたい▼幸先よく、公共投資の見通しは明るい。政府第3次補正関連の公共事業には「国土強靭化5カ年加速化対策」の初年度分が盛り込まれている。久々の大型補正となりそうで、年度末にかけて期待も膨らむ▼どうしても目先の仕事量が気になるところだが、業界を取り巻く環境は大きく変容しようとしている。働き方改革はもちろんのこと、デジタル化(DX)、脱炭素化社会の実現など社会情勢の変化についていく視点も必要▼着実な歩みを進めるには、従来のやり方に捕らわれない発想力が求められている。(鷲)

みちしるべ

2021-01-12
 いつもとは雰囲気の違う1月だ。発注機関に年始のあいさつに来る人の姿もほとんど見なかったし、多くの業界団体は新年互例会も中止。そして、雪もよく降るから気分も滅入る▼1月はあっという間に通り過ぎる。発注時期の平準化はかなり進んできたが、それでもこの時期は業界も発注者も多忙な毎日だ。例年であれば、役所に出入りする技術者が1年で最も多くなる季節だが、今年はどうか▼工期を間近に控えて、技術者は細かいことまで気にかける。現場の条件が良くなくても、頭から離れないのは工事の点数か。気分は少しも休まらない▼寒さも雪もまだピークを迎えないし、不安な気持ちが世界を覆うこの雰囲気も改善されない。あれこれと考えているうちに、いつしか1月は通り過ぎている。(鷺)

みちしるべ

2021-01-08
 年が明け、いよいよ本格的な雪の季節がやってくる。今年度はラニーニャ現象の影響で山陰でも豪雪の可能性が高いといわれている。近年では、2011年と18年に豪雪に見舞われたが、その2回ともラニーニャ現象が発生している▼この2回の豪雪時には車の立ち往生が発生し、交通機関がマヒした。そもそも渋滞は出社時など同じ時間帯に車両が集中した結果だ。通信環境が整っている今なら自宅に居ながらできる仕事もあるはずで、より緊急を要する車に道を譲ることができるのではないか▼道路の除雪を担う建設業者は、雪が降れば昼夜を問わず作業に当たっている。進路を譲り除雪車がスムーズに進めるようにするなど協力できることはある。豪雪に備えて時間を譲り合うこともその一つではないだろうか。(雛)
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