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コラム

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みちしるべ

2021-01-29
 県立美術館建設に伴う基本設計が昨年末までに完了し、事業者が県に設計図書を提出した。2025年春の開館に向け、来年1月の着工を目指す▼昨年、年明け早々に行われた県民参画型の公開プレゼンでは、3グループが各々のコンセプトを提案。その結果、大和リースグループがPFI事業者に選定された。プレゼンを観覧した建築関係者複数人に話を聞くと、やはり大和リースGの案がデザインや動線の配置など優れている点が多いと口を揃える▼美術館建設地南側には大御堂廃寺跡があり、市が史跡を整備することで、一体化した共有空間づくりを目指す▼コンセプト、立地と条件が揃った県立美術館。新たな目玉施設として県内外から多くの人を呼び込み、地域経済が活性化する拠点となることに期待したい。(鴨)

みちしるべ

2021-01-28
 公共工事に携わる建設業者にとって、入札で工事を落札することは最も重要なことだ。予定価格が事後公表となっている工事では、積算の精度を高めることが求められる▼入札後に公表される予定価格が自社の積算と異なっていれば、どこが違うか気になるもの。契約後に金入り設計書を公表する発注機関も多いが、落札決定に納得がいかない場合は、入札後に異議申し立てを行う場合もある▼単価がわからなくて積算できないという声もよく聞く。見積もりで設定する単価などは、公表して不透明な要素を取り除き、積算しやすい環境を整備していくことも必要だろう▼地域の建設業界の発展のためには、地元建設業者が健全に競争し、活躍できる環境を整えることが重要。それは積算にもあてはまるだろう。(鷹)

みちしるべ

2021-01-27
 年明けにバタバタと国補正が組まれるサイクルは、いつから始まったことか。公共事業が減らされた民主党政権下でもこういった補正はあった。いくら忙しくしていても、仕事はあるに越したことはない▼防災・減災でやらなければならない事業は待ったなしだし、年度末にかけての発注は、春先の発注端境期にあって仕事量の平準化にもつながる。一方で補正は水物であり、規模もさまざま。景気に左右されるゆえんからあてにはできない▼本来、必要な事業はきっちりと当初予算に盛るのが筋であろう。会社の経営を継続していくためには先の見通しがきかないと、人材や資機材への投資は思い切ってできない▼「防災・減災、国土強靭化対策」にしても5カ年と言わず、せめて10年先の計画があれば、業界も変わってくる。(鷲)

みちしるべ

2021-01-26
 紙ほど有用性に優れた文明の利器があっただろうか。本、書類、機密文書、果たし状・・・。文明史上、あらゆる場面で紙は人間社会の営みを支えてきた。そんな存在がデジタルに取って代わられる危機に▼電子媒体のニーズは確かに強力。弊紙も「電子版」を既に展開中で、日々の入札予定や結果、記事などをインターネット環境があればいつでも、どこでも閲覧できる。新型コロナウイルス感染症対策のリモートワーク普及で電子媒体のニーズがより高まっている。方法次第で専門紙の拡大余地は十分ある▼しかし、読みやすさから紙に回帰する動きも一部で見られる。結局、情報の質が良ければ媒体形式は問わない。言い換えれば、質をおろそかにすれば双方の読者を失う。だからこそ、大切なのは紙もウェブも。(雛)

みちしるべ

2021-01-25
 県の今年1月1日時点の推計人口は55万651人。今春には55万人を下回るのではないか。学校で人口60万人と習っていたころを遠く感じる▼学校と言えば先日、鳥取市気高町の4小学校(逢坂、宝木、瑞穂、浜村)の再編に向けた議論が今年から本格化するというニュースを見た。市教育委員会は2040年度の児童・生徒数をもとに、小中学校・義務教育学校の再編方針案をまとめている。その中で子供の数が一番減少すると予測されている気高地区が学校再編の議論に入ることとなった▼仮に統合し新校舎建設となれば、業界の仕事が増えるという面からは良いことだと思う▼ただ、行政が根本的な人口減少対策をしないと将来どの業種でも人材確保が難しくなり、県の経済面に影響が出るのではと感じる。(隼)

みちしるべ

2021-01-22
 昨年の球磨川氾濫、一昨年の千葉県豪雨…梅雨前線や台風到来に起因する浸水等の災害は、毎年必ず何処かで、白羽の矢が立つかの如く発生する▼この度国交省がレッドゾーンの対象区域を拡大し、浸水被害が想定される地域での住宅新設に制限を課すよう動きつつあるのも、河川災害の深刻性が見直された結果だろう▼昔から甚大な台風被害に見舞われてきた高知県で聞いた話だが、台風の時は海を警戒すると同時に「町中を流れる川にも近づくな」ときつく戒める。津波が川を遡り氾濫する危険があるからだ。この地において、経験に基づく危機意識が伝承され、現在でも強く認識されている事が窺えた▼一級河川を3つ擁する我が県も他人事でない。河川の危険を認識し、先手を打った対策を施すことの重要性を改めて感じる。(梟)

みちしるべ

2021-01-21
 今のところ、日常生活に支障をきたすほどではないが、雪の降る日が多い。暖冬が続いていたこともあり、積雪時には車での移動に神経を使うし、疲れる▼注意報が発令されると鳥取県が発信する「あんしんトリピーメール」は一日に何度も携帯電話に届く。さらに、警報が出れば道路の通行止め、公共交通機関の運休情報などが相次ぎ、気持も滅入る▼除雪の委託業者は久しぶりに稼働時間も長い。特に山間部は倒木などの被害も発生し、極めて過酷で危険な作業が続いた▼悪条件の中でも、熟練したオペレーターは手慣れた姿で重機を動かし、地域の安全な生活を長く守り続ける。経験を重ねた人達の技能と苦労に感謝の言葉を伝えなければいけない。そして、一人でも多く後継者が育つことを願う。(鷺)

みちしるべ

2021-01-20
 私が月に1度通っている古典学習会で、「大事を済(な)すには必ず人を以(も)って本(もと)となす」という言葉を学んだ。三国志の時代、劉備が言い放った言葉。「大きな仕事を成し遂げるには人以上に重要なものはない」と訳す▼厚生労働省の調べでは、建設業就業者の平均年齢は44・2歳と他の産業に比べて高齢化が進展。就業者数は約480万人と20年前のピークと比べて28%減少しているなど人材不足が問題。それを補うため、現場の業務効率化や生産性向上の有効策の1つとしてICTの活用も考えられている▼それでも、やはり人材は大事になる。災害などが起こった場合、地元建設業が地域を支える。働き方改革や新3Kの推進、外国人の受け入れなど建設業界でも職場環境の向上を図っている。人材不足の解決を願う。(鴎)

みちしるべ

2021-01-19
 週末に第一日程を終えた大学入学共通テスト。知識・技能特化のセンター試験に比べ「思考力・判断力・表現力」に重きを置き、複数の資料を扱う設問や、前問の答えと連動した出題などが特徴。言わば「文脈」を読み解く力が試される▼時間が足りなかった、と振り返る学生が多い。単独で完結していた諸要素を縦横の糸で結びつけるには、時系列の奥行きを加えた複雑かつ中長期的な視点が要求される▼一方PDCAやアジャイルなど、現代社会の主流は短期的成功の量産だ。「デジタルを導入すれば即DX」「国土強靭化よりも目の前の感染対策」―「文脈」を見失い、近視眼の罠に陥りがちな我々大人にも新たな試験が課されている。6月16日までの150日間、回答時間は十分だろうか。(鵯)

みちしるべ

2021-01-18
 他産業と比較して建設業は特に全国で高齢化が進んでいる。今後は、現在の建設業界を支えている高齢者の大量退職が見込まれており、若年層の確保は業界の喫緊の課題だ。そのため、2019年6月には、働き方改革や生産性の向上に向けて担い手3法が改正された。これに基づき、各発注機関は、翌債などの明許繰り越し制度などを活用し、発注・施工時期の平準化を図っている。しかし、それでも予算や天候の関係から3月に工期が集中していることは多い。ただ、この先若者が安心して建設業に就きたいと思ってもらうためには、業界で常態化する長時間労働の是正は不可欠だろう。様々な事情が絡み合い、とかく難しい問題ではあるが、行政も早期発注に努めるなど、できるところから業態の変革を図ってもらいたい。(鴨)
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