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コラム

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みちしるべ

2021-03-16
 昨年4月に運用開始した、境港市竹内町の境夢みなとターミナル。なかなか活躍の機会を得られずにいたが、遂に来月から国内クルーズ船の寄港が始まる。先日の受入れ態勢訓練も滞りなく完了し、準備万端整ったといったところ▼付近には、積極的整備が進められている高度衛生管理型市場―こちらもまた、境漁港の誇る良質な水産資源の価値をさらに高める場として、大きな期待が寄せられている▼これらは単体でも十分に地域経済効果をもたらすものである。しかし、中海圏域のさらなる発展を促すためには、周辺地域と一本の動線で繋ぐ道―すなわち、高規格道路の実現が必要不可欠だ▼「境港の発展」が確かなかたちを伴って表れつつある今。人流・物流を一手に担う道路の建設が一日でも早く叶うことを期待したい。(梟)

みちしるべ

2021-03-15
 3月の中旬になると暖かい日差しを感じることも多くなる。遠くから眺める山の風景はまだ冬の色合いだが、春に咲く花もずいぶん芽吹くころだ。それでも、日陰に入ると風は冷たい▼年度末の完成検査もピークを迎える時期だから、技術のスタッフは業界も発注者も多忙な時間が続く。検査の前になると、現場を担う技術者は毎日が大変だ。隅々まで気を配り、工事成績を少しでも高くと思いながらの日々だから、気は少しも休まらないと話す▼発注機関との協議などに、ベテランに同行した若い人が黙って話の内容を聞いている姿を見かけることがある。たぶん新人だろう▼彼もこの先、1点の重さを背負って検査や協議の場で中心になって話す日が来るに違いない。育っていく姿を温かく見守りたい。(鷺)

みちしるべ

2021-03-11
 卒業シーズン真っ只中、4月の社会人デビューを控えた学生も多い。90年代後半から00年代初頭にかけ生まれた彼らは「ミレニアル世代」や「Z世代」と呼ばれ、それ以前の世代とは大きく異なる思考・傾向を持つという▼近年、GDPのような客観的指標に比べおろそかにしてきた、個人の生活満足度などの主観的指標が見直され始めている。国内では戦後経済発展の中でも向上が見られず、直近10年では悪化傾向だそうだ▼国際調査によれば、影響要因は「経済発展」「民主化」「社会的寛容性」。ボトルネックはまさに3つ目で、それこそが将来世代の重要視する点でもある▼彼らは25年以降、国内労働人口の半分を占める。間近に迫った世代交代を業界が生き残るため、多くの選択肢と自己決定の機会を与えられる仕組みが必要だ。(鵯)

みちしるべ

2021-03-10
 理化学研究所のスーパーコンピュータ「京」の後継となる「富岳」が予定を前倒しして9日に共用を開始した。新型コロナに関する飛沫感染シミュレーションなど、感染症対策への活用が注目を浴びているが、このほか現代社会が抱える重点課題への解決にも期待が寄せられている▼防災・環境問題はそのひとつ。観測ビッグデータを活用することで、気象予報や気候変動予測の精度が向上すると期待されている。集中豪雨の発生と想定される被害をいち早く予測することができれば、今後多くの人命が救われるだろう▼建設業でも、天候は懸念事項のひとつ。少しでも先の天候が正確にわかれば、それに合わせた段取りを組みやすくなる。現場の生産性を高めるためにも、今後の「富岳」の活躍に期待が膨らむ。(鴨)

みちしるべ

2021-03-09
 鳥取市が3月1日付で公告した江山学園特別教室棟増築(建築)工事の開札は4月20日。簡易評価型総合評価方式での入札となるが、評価項目に20年度、21年度どちらの点数を用いるかは気になるところだ▼市によると工事成績は20年度分を、P点や受注点は21年度分を採用するそうだ。技術者の工事成績は申請時の点数を用いるし、新年度の工事成績はまだ各社に通知していないため、いきなり用いるわけにもいかない▼市の簡易評価型総合評価は現状、建築A級のみで導入されている。執行件数も数件と少ないため、まだ見えていない問題点があるかもしれない。他の業種に広げる前に制度に不備がないかを点検しておく必要があるだろう。混乱を招いて損害を被るのは市内業者なのだから。(鷹)

みちしるべ

2021-03-08
 現場の1日は朝礼から始まる。危険予知活動など作業ごとの安全に考慮する重要な会議の1つ。また、現場には必ずと言っていいほど見かける緑十字の旗や垂れ幕。日本では安全の象徴として用いられ、「安全」と「第一」の間に配置されることが多い▼そもそも「安全第一」というスローガンはアメリカで生まれたもの。これには、続きがあり「品質第二、生産第三」と続く。20世紀はじめ、悲惨な環境で働かされていた労働者達は、多くの労働災害に遭った。これを見たエルバート・ヘンリー・ゲーリーが当時の「生産第一、品質第二、安全第三」を変更し、今のスローガンとなったのが始まりと言われている▼完成に差し掛かる工事が増加するこの時期。いつも以上に気を配りながら無事故・無災害での完成を祈っている。(鴎)

みちしるべ

2021-03-05
 年度末を迎えて、鳥取市内のある工務店は手持ち建築工事が完成し、仕事が切れるという。「コロナは続くし、来年度の公共事業はどうなるのか」と、電話の向こうから社長の声▼政府21年度予算案が衆議院を通過し、年度内成立が確実となった。開会中の県議会でも予算案の審議が続く。最優先課題のコロナ対策に244億円。公共事業費は499億円と前年(496億円)並みが盛り込まれている▼ただ、国からの補助金が多くを占める公共事業は、例年通り国予算成立後の配分を受け「6月補正」で実質予算が固まる。果たしてどのくらい積み上げられるか▼県公共事業費の移り変わりは、ここ数年微増だが20年前の2000年度1190億円に比べても約半分。業者の数や頻発する自然災害からみてもまだまだ物足りない。(鷲)

みちしるべ

2021-03-04
 1958年に建築家・村野藤吾氏の設計により建設された米子市公会堂。2006年に、老朽化により閉鎖する案が浮上したが、市民から維持を求める声が多数を占め、最終的に維持方針が決定した▼改修工事は当時の建築思想を尊重し、天井構造や外装タイルなどの細かい部分まで忠実に再現。今もなお、市の文化の殿堂として多くの人に親しまれている▼最近では、北栄町の風力発電事業が継続か廃止かの議論がなされ、整備中の山陰道北条道路に近いことや県内の風力発電施設で事故が発生したことが懸念され、事業継続が事実上廃止となった▼古くからある名建築が建て替え時期を迎える中、維持する場合は多くの課題を解決しなくてはならない。名建築を後世に残すという意味も含めた慎重な議論が求められる。(雛)

みちしるべ

2021-03-03
 きょう3月3日は桃の節句、雛祭り。ご自宅に雛人形を飾っている方も多いのではないだろうか。見目麗しく華やかな人形達にはついつい目を奪われてしまう。但し、仕舞い忘れにはご注意を▼人形は眺めて楽しむだけとは限らない。去る1月、用瀬町に伝わる「流し雛」行事が国の無形民俗文化財候補となった。平安時代にまで起源が遡れるこの行事は、人間界のケガレや災厄を雛人形に託し、川に流す=共同体の外へと放逐する事で幸せを願う一種の禊。現状の辛苦をリセットし、新たな福を迎えようという厄払いの儀礼であった▼各自治体で3月議会が開会し、来年度当初予算などが発表されているこの頃。昨今の世情には何かと不安や憂いも多いが、この機に一旦水に流し。新たな年に、仕事と幸の多からん事を期待したい。(梟)

みちしるべ

2021-03-02
 東日本大震災から10年になる。その後も、熊本、鳥取県中部、大阪府、北海道などで地震が発生している。そして、東北地方では規模の大きい余震も2月に発生するなど、気が抜けない▼自然災害は、全国各地で相次いで発生している。多くの人が、その後の復旧や復興を待たずに、住み慣れた故郷を離れている。災害によって、人がその地を出ていけば集落そのものが消滅する▼鳥取県の観光資源は、何といっても海や山の自然が売りだが、災害の危険も隣り合わせだということを忘れてはいけない。この地域はだいじょうぶだと思い込んでいることが被害を増大させる▼災害によって地域が疲弊してしまうことを少しでも減らす予防対策も欠かせない課題。ソフト、ハード両面の充実を多くの人が望む。(鷺)
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