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コラム

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みちしるべ

2017-05-29
 美保テクノスに「美保土建経営基本方針」という冊子がある。同社は1958年(昭和33年)に美保土木機械企業組合として産声を上げ、その設立発起人の一人だった仁宮次夫初代社長が76年(昭和51年)に亡くなる前3年ぐらいで社内報などに発表した寄稿を野津一成社長が常務時代に整理作成したと聞いた▼今でこそ県下建設業界のトップ企業だが、冊子の中にある3大目標は一つが地域第1の座の確保(成長性)、二つ目が納税1億円の達成(収益性)、そして三つ目が県内最高の給料の支払い(会社目的)。当時としては相当高い目標だった▼美保テクノスは7月30日で60周年を迎える。冊子の根底にある普遍的な指針から「さらに志高く」、コーポレートブランディングに取り組む。

みちしるべ

2017-05-28
 建設主要基幹資材の一つである生コン需要の大幅減への不安感が漂っている。特に、東部地区は鳥取西道路などの大型トンネル工事がほぼ終了することから「これから先の見通しがなく、心配」と、業界関係者は不安感を覗かせる▼県下生コン出荷総量は、ピーク時と比べ半減してはいるものの、2017年度は前年度比4・9%増の約47・5万立方㍍(本紙既報)と微増した。特に東部地区は前年度比15%増の約28万立方㍍の実績を有したが、大型工事の終了により「夏頃まではそこそこの数量で推移するだろうが、下半期以降が問題」。「想像を超えた事態も想定しなければ」とまで▼建築工事もRC造からS造への構造形式変化が進んでいる中、20万立方㍍を割り込むのでは、との予測もある。生コン需要が大きな曲がり角を迎えている。

みちしるべ

2017-05-25
 業界団体の総会など各種取材で耳にするのは、今やほとんど常套句となっている担い手の確保と育成の必要性。昨年、担い手三法の施行で公共工事の品質確保と担い手確保、育成のために企業が適正な利潤を確保することが認められた。さらには週休2日制の導入と、若者の入職や定着へ向けた下地は整ったような錯覚を起こしがちだ。しかし、現実はそんなに甘くはない▼一人の技術者の卵を雇用し、一人前に育てるまでに要する年数とその間の工事量確保はどうなるのか。聞けば10年はかかるという。それらを考えるとこの現状は経営者たちの頭を悩ませているだろう▼人を育てるには時間とお金がかかるのは当然のこと。地方の建設業界に至っては、結局は工事量の担保こそが肝要との結論になってしまう。

みちしるべ

2017-05-24
 先日取材した、県内建設会社の若手入職者を対象とした土木研修会に女性が数人参加していた。女性技術者を積極的に育てようとする企業の姿勢に、建設業の担い手不足を本気で打開しようとする気概を感じた▼労働人口が減少する中で、人手不足が叫ばれているのは、建設業だけではない。全国の企業が人材確保に躍起になっている。「建設業は男社会」と固執していては、今後の人材育成に大きな遅れをとる▼女性技術者を育てるメリットは多く、現場の雰囲気が明るくなる、顧客に安心感を与えるなどが挙げられる。しかし現場では、女性用のトイレや更衣室が無いなど、整備が不十分であるなどの現場も未だに多い。女性にとって働きやすい環境を整えることも、重要な働き方改革のひとつ。

みちしるべ

2017-05-23
 鉛筆からワープロに変わった時、少なからず戸惑いを覚えた。今から、四半世紀も前のことだ。そして、ワープロからあっという間にパソコンが身近な存在となった▼昭和から平成に時代が移り、世の中が大きく変わった。来年4月で30年の歴史に幕を閉じる平成の時代で最も変化したのは情報技術だろう。今では、電子情報が瞬時に世界を駆け巡る▼絵空事で空想だと思われた半世紀以上も昔の鉄腕アトムの漫画の世界。日進月歩する科学技術は、夢を現(うつつ)にいとも簡単に変えてしまった。そして今や、人工知能(AI)の時代だという▼建設現場も時代とともに大きく変わった。しかし、慢性的な人手不足に加え、少子化、生産人口の高齢化に直面した今、建設技術も新しい流れにさらに前向きに進むしかないだろう。

みちしるべ

2017-05-22
 4月下旬から5月にかけては各業界団体の総会シーズン。今年も色々な団体を取材させていただいたが、多くの団体長があいさつで、若年労働者の確保と育成に取り組むと意欲を見せていたことが印象に残った▼他産業に比べ労働者の高齢化が進んでいる建設業は、担い手の確保が課題と言われて久しい。人を育てるには時間がかかる。そして行政の協力も必要だろう▼中国地方整備局では2017年度から、そして鳥取県では18年4月から週休2日モデル工事の試行に取り組んでいる。これも担い手確保に向けた大きな取り組みだろう▼社会に役立つモノを作ることにやりがいを感じる若者は絶対にいるはず。建設業の現場で若者が元気に働く光景を1日も早く取り戻さなければならない。

みちしるべ

2017-05-17
 各県土18年度道路予算がほぼ固まった。国認証を受けた「6月補正」後は、補助に交付金を合わせ164億円となる見通しで、前年同期に比べ6%増。だが、パッとしない箇所配分になっているのが実態▼近年はトンネルや橋梁など大型構造物が増えて、後年度支払いを伴う債務負担が多くを占める。象徴的なのは岩美道路。事業費20億円のうち大半が今年度支払いに充てるいわゆる義務額。それにJRへの委託事業を加えて今年度、地元向けの発注はゼロだ▼トンネルを築造中の八頭、日野管内でもそう。他の事業は後回しにせざるを得ない。事業展開のめぐり合わせで致し方のない難しい局面を迎えている。頼みの綱は補正か。いまだ見えないものの今年度補正の動きに目が注がれる。

みちしるべ

2017-05-16
 一票の重みー。中村時広愛媛県知事の胸中は。「加計問題」で柳瀬参考人の虚偽証言に対し、同知事は「愛媛県職員は子どもの使いではない」と「動かぬ証拠」を公表した▼『知事の仕事』(朝日選書)は、「一票が地域と政治を変える」。ポイントにおける数人の知事を紹介。地元有権者の負託を受けた知事の仕事はどれほど重いか▼常識と乖離(かいり)している現政権。安倍総理以下、大臣の言動の如何に軽いことか。これが今の政治の実態。大勢いる応援議員も軽薄だ▼「首相になりたくてなれなかった者は数多くいるが 首相になって欲しいといわれて断ったのは 伊東正義だけ」。賢人・伊東氏(1913~1994)は会津若松出身。官房長官、外相などを歴任。『政治は人なり』を貫いた。

みちしるべ

2017-05-15
 全産業的な担い手不足を反映して建設産業でも若者の入職者が例年に比べで少ないと言われる。確かに今年の場合、いつもなら10人近くある会社の入社式が3~4人だったり、「まだあるだけいいよ」てな声も聞かれたりした▼本紙の新入社員紹介コーナー「New FACE 紹介」もやや少ない感じがする。しかし、4月下旬からのゴールデンウィーク前後の掲載順番待ち、大渋滞はいつもと同じだ。中には「ウチのはいつ載るのか」と催促も▼「一念発起は誰でもする。努力までならみんなする。そこから一歩抜け出るには、努力の上に辛抱という棒を立てろ。この棒にやがて花が咲く」んだそうだ。ニューフェイスたちには初心を忘れずに花を咲かせてほしい。経営者には労働環境の改善を。

みちしるべ

2017-05-14
 梅雨の時期が近づく。気象の知識は少しもないが、子供のころから1年中で最も穏やかな季節を5月だと思ってきた。しかし、近年は気候の変動も激しく、雨の心配は梅雨や台風シーズンだけにとどまらない▼普段生活する身近な地域にも危険な山腹などがたくさんあるが、砂防や急傾斜地の整備率はまだ低い。地権者との交渉が難航しているケースもよく聞く話だが、たまたま災害が発生していないだけ。長く暮らしていると、多くの人は安全な地域だと思い込んでしまう▼工事に着工するまでには、多くの時間がかかるし、管理する施設も多い。取材で行政の担当者が苦労している姿も見続けている。それでも、防災対策に手抜きはできない。今年の梅雨入りは早そうな気がする。
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