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コラム

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みちしるべ

2018-08-02
 7月豪雨から約1カ月。八頭管内では今も応急復旧工事が続く。とりわけ智頭町内は、草木が引っかかったままの橋があるなど爪痕が色濃く残る。地元の人によると約40年ぶりの大雨だった▼町内の建設業者は毎朝、ミーティングして急ぐカ所の段取りを決めて応急に奔走している。土木施設が傷んだり、悲鳴を上げていればすぐに駆け付けて手当てする。まさに建設業はインフラの町医者のようだ▼町医者をいかに育てていくか、これは全国の経営者が集う「建設トップランナーフォーラム」のテーマでもある。町内業者は20年前から半減し、各社の人員もスリム化された▼昨年は観測史上最高の積雪に見舞われ、市瀬の土砂流出もあった。災害が相次ぐこの町を、わずかになった“町医者”が懸命に守っている。(鷲)

みちしるべ

2018-08-01
 8月1日は「水の日」(1977年制定)。沖縄県、農水省が制定した「パインの日」でもある。また、国民的行事、高校野球の聖地・甲子園球場が竣工(1924年)▼「水の日」と聞き、昨今の豪雨災害と関連させてしまう。「治水」は国を治める要諦と、先人の教訓にある。しかし人間の想定、計算を超えるのが自然の破壊力▼今回の西日本豪雨を受けて「国土強靭化」の著者・藤井聡内閣官房参与(京大大学院教授)は、「政府は、異常気象緊急対策を速やかに推進せよ」と提言▼「時間降雨量80ミリを超える頻度が、この30年で1・7倍にまでなってしまった」。欧米では大河川の治水整備率は8割~10割。日本は半分以下。が、予算を半減し、台風12号よろしく「逆走」している、と。(雉)

みちしるべ

2018-07-31
 2019年秋の完成を目指して24日に境港外港竹内南地区で安全祈願祭が行われた貨客船ターミナル。現在、製作ヤードに並ぶケーソンを据え付け造られるマイナス10㍍岸壁に併せ、翌20年春に供用する▼境港の背後に立地する企業の物流効率化を図るとともに、急増するクルーズ需要やクルーズ船の大型化に対応するため整備される。また、国内RORO船や大型クルーズ船などにも使える施設になる▼境港管理組合では、この新たな旅客施設に名称を募集中だ。発信性に優れ、覚えやすいものを8月19日の消印有効で▼鳥取・島根両県にまたがり、経済発展に大きな役割を担う境港。周辺の観光施設や商業施設など既存の施設との連携がとれ、賑わい創出のシンボルとなるネーミングがほしい。

みちしるべ

2018-07-30
 2019年度予算の編成に向けた準備が始まっている。この時期になると新たな道路への思いを財政当局に伝えるが、進展のないまま年を越す計画はたくさんある▼今の時代、行政の思いだけで事業化を要望したところで、一方通行の願いは叶わない。通学路の安全や防災対策は最優先の課題だが、市町が掲げる観光や農林水産業、教育などを支援するために必要な道路でなくては、実現は難しい▼大型事業ばかりではない。中山間地域にとって切実な問題である防災、維持修繕、除雪など、その地に暮らす人の思いに出来る限り寄り添わなくてはいけない▼公共事業は過疎地に暮らす人々も守るという大きな役割がある。国は、人口の少ない町や山村にも、優しい気持ちで接することを忘れてはいけない。

みちしるべ

2018-07-27
 熱帯夜の日々が続く。日中は37度前後の突き刺さるような暑さ。最近の気候変動は異常状態。平成最大の豪雨災害とされる先の西日本豪雨災害被災地ではこの猛暑の中、本県からも多くのダンプ車輛、重機類などが出動し懸命な復旧支援活動が続けられている▼100年、200年に一度発生するかも分からない自然災害の脅威を、最小限に食い止めるには道路、河川、砂防、ダムなどの社会インフラ事業をさらに推し進める必要がある▼公共事業の役割と重要性がいかに大きいか、その意義を再認識する声も多く見聞きするようになった。災害は起こってからでは遅い。起こってから予算が付く、また元に戻る、の繰り返しではなく、恒久的な国土・県土の保全と強靭化を図らなければ、人の命と財産は守れない

みちしるべ

2018-07-25
 受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が18日の参院本会議で可決、成立した。今後段階的に施行し、2020年の東京五輪開催前に全面的に施行する。改正法は、飲食店など施設の屋内を原則禁煙とし、喫煙専用の室内でのみ喫煙できるようにする▼例外として、個人や中小企業が経営する100平方㍍以下の既存店であれば喫煙が認められるが、それでも飲食店全体のおよそ半分が規制の対象となる見込み▼昨今の喫煙者に対する世間の風当たりは非常に強い。どこかに出かけても喫煙する場所が無い。外で吸うには夏は暑く、冬は寒いと環境は最悪。度重なる増税で金銭的にも大ダメージだ▼規制するだけでなく、喫煙スペースを作るなど、喫煙者に対する環境整備が図られてもいいのではないか。

みちしるべ

2018-07-23
 安くて良いものをつくる。今も昔も公共事業の大原則だ。高度成長期につくられた多くの公共施設が更新時期を迎え、既存施設の長寿命化対策が事業の柱となっている▼こんな時代の要請を受け、公共事業の維持管理のポピュラーな手法となっているのが効率よく資産を管理・運用するアセットマネジメント。賛否はともなく、地方では縁の無いものと思われていたPFI▼民間の資金やノウハウを活用し、行政コスト削減を目指すPFIも徐々に増えている。設計、建設、管理・運営を民間の事業者(グループ)に一括で委託するため、過去の例から見ても向かい合える事業者は限定される▼将来への行政負担が重いため、建設を疑問視する声が依然として多い県立美術館は、早くも特定のゼネコンの名前がひとり歩きしている。

みちしるべ

2018-07-20
 記録的な大雨に見舞われたかと思えば、今度は猛暑に苦しめられている。雨にしろ、暑さにしろ度を過ぎると我々の生活や健康に大きな影響を及ぼす▼建設業ではこの時期、熱中症対策が大きな課題となっている。エアコンの効いた部屋の中で熱中症になるケースもある。屋外での作業には細心の注意を払わなければならない▼2011年から15年まで、熱中症の業種別の発生状況は建設業が最も多い。発生時刻は午後2時台から4時台に多発しているが、朝9時台の作業開始後に発生するケースもあり、朝や夕刻も注意しなければならない▼作業時間の短縮、水分・塩分の摂取、通気性の良い服装など工夫すべき点はたくさんある。万全の対策を施して厳しい夏を乗り切ってほしい。

みちしるべ

2018-07-19
 記録的な大雨による大規模な被害に見回れた西日本。続いて猛烈な酷暑が被災地を襲う。豪雨、台風、地震とこう毎年、大規模災害に襲われるということは、日本のどこでも起こりうるということだろう▼災害の応急復旧、本復旧の際に前面に出て作業を行うのは建設業界だ。その建設業界も技術者、作業員、機動力とかつてほどの能力が維持できていないのが実態だ▼建設業従事者の推移を見ると1995年の663万人をピークに2020年には半分以下となる予測が出ている。技術者不足も深刻で、40、50代の即戦力の不足とともに若手入職者の確保も困難な状況。それは下請、専門業種においてもそうだ▼このままでは通常工事の施工にも支障をきたす。業界全体のみならず、社会全体の問題にもなりかねない。

みちしるべ

2018-07-18
 西日本各地を襲った7月豪雨。県内でも智頭町は3日~8日にかけての降水量が507・5㍉と、7月1カ月分の平年値(229・9㍉)の2倍を超えた。国道373号は寸断され、千代川から溢れた土砂は広範囲にわたり道路上に残った▼桜土手でも護岸が崩壊し、第一発見者の建設業者社長は「ゴーゴーッ」と川から響く音に身震いした。町内業者は折からの応急対応にてんてこ舞いだ▼温暖化によって海水温は上昇し近年、雨の降り方は異常が続く。100年に一度確率の河川整備計画も見直さないといけないかも。17年の「水防法改正」では避難行動計画を策定するなどソフト対策が優先されて進む▼治水事業費は20年前から半減。これほどの水害を経験しても、遅れたハード対策を望む声は大きくならない。
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