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コラム

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みちしるべ

2018-07-12
 自然の脅威を思い知らされる。今回の豪雨では鳥取県内でも智頭町などで大きな被害が出ている。暗い夜道を歩いて避難所に向かう恐怖心は、尋常ではなかったと多くの人達から聞く▼県と市町の意見交換会を毎年取材する。首長からは「中山間地域は、いつも災害の危険性がある。道路などのインフラが充実しない限り、安心や安全などという言葉を簡単に使えない」と公共事業の予算確保を訴える声が多い▼先週の豪雨で、また智頭町が孤立状態になった。町民だけの話ではなく、重要な物流のルートだけに、様々な分野で大きな影響が出る。国道と自動車道以外は、隣接する市町に抜ける幹線道路がなく、常に危機と隣り合わせだ。道路の充実を望む地域の声が一向に届かない。

みちしるべ

2018-07-11
 記録的な大雨による豪雨災害。西日本を中心に大きな被害をもたらしている。少欄でも記しているように県下でも各地で土砂崩れや路肩崩落など多くの災害が発生した▼この1ケ月間、6月18日に大阪北部地震、下旬には梅雨時期にもかかわらず連日気温30度を超す真夏日。そして今回の梅雨前線豪雨、さらに7日夕方には千葉県で震度5弱の地震。こうも異常気象ともいえる現象が短期間に続くと、今度は何処で何が…!と、目に見えない大きな不安と恐怖が募る▼地震や台風、洪水、雷、豪雨といった天災が発生する度に、インフラ整備の重要性を思い知らされる。安心できる生活環境を構築していくためにはインフラ整備予算を倍増、3倍増確保し、自然災害の猛威と脅威に備えた国土・県土づくりの一層推進が求められる。

みちしるべ

2018-07-10
 活発な梅雨前線による記録的な豪雨が西日本を中心に広範囲で大きな傷跡を残した。各地で河川の氾濫や土砂崩れが発生しており家屋の浸水や倒壊によって多数の死者と行方不明者がでた▼県内でも初となる大雨特別警報が発表され、各所で避難指示や避難勧告が相次いだ。幸いにも死傷者は発生しなかったが、孤立地帯や浸水など自然の脅威に脅かされた。住宅の多くが浸水した倉敷市真備町では今秋にも洪水を防ぐための工事を始める予定だったという▼災害はいつ起きてもおかしくない。国民の命を守るためには治山治水を早く、徹底して整備していくことが重要だ。国土を強くする必要性、公共事業の重要性、建設産業が担う役割の大きさを再認識する。復旧、復興に地元建設業は欠かせない。

みちしるべ

2018-07-09
 鳥取県警によると、本県の今年の交通事故発生件数は、5月末時点で369件。死者数は8人で、そのうち65歳以上が5人と過半数を占める。しかし、高齢者でなくとも運転時にヒヤリとしたことは、ドライバーであれば誰しも経験することではないか▼特に、見通しの悪い交差点や、連続カーブが続く道路などを運転する時は非常に気を遣う。地元も行政に改善要望を出しているだろうが、改良など抜本的な解決までたどり着くそれは多くないのが実情▼日々寄せられる要望から、時間・コストなどを考慮しながら優先順位をつけて効果的に事業を進めていくのは、非常に神経を使うだろう。しかし、それを先送りして、取り返しのつかない事故が起きるということだけは避けなければいけない。

みちしるべ

2018-07-05
 最近知ってとても驚いたデータがある。それは各国の公共事業費の推移だ。1996年を100とした場合、我が国の公共事業費は2012年には47%にまで落ち込んだ。実に半減以下だ▼他の先進国を見ると15年間でアメリカは2倍、イギリスは3倍、フランスは1・6倍、韓国は2・5倍、カナダは3倍に増えている▼一方で、台風に伴う豪雨やゲリラ豪雨など雨の降り方はこの20年間で1・8倍を記録している。以前よりも強靭な国土が求められる環境にあるのに事業費が伸びなければ必要な整備はなかなか進まない▼デフレや少子高齢化による社会保障費の増額など日本が抱える課題は多い。公共事業費の推移をみると、公共事業がその犠牲になっていると思えてならない。

みちしるべ

2018-07-04
 サッカーのロシアワールドカップ。日本チームは逆転負けでベスト16に終るという悔しい結果だったが、決勝ステージは今までと違う景色を見せてくれた▼その日本。グループリーグ最終戦での戦いぶりに賛否両論が出ていたが、勝敗ごとは結果がすべてである。そこに目指すべき果実があるなら、今あるルールの範囲であらゆる手段を使ってでも、その果実を取りに向かうべきだと思う。それがダメというなら今後ルールを変えて行けば良い▼建設業界も同じで、様々な制度、ルールの中で営業を行い、その中で工事の受注にしのぎをけずっている。そのルールがそぐわないもので、変える方がいいものならば、変えていくべきだろう▼行政と業界の意見交換が行われている。一番よくないことは問題意識を持たないことだ。

みちしるべ

2018-07-03
 「果たして落とし所はどこか」―建設コンサルタントの簡便型総合評価は試行から11年目。県は来年度から適用件数を増やす本格実施に向けて見直し作業中▼狙いは価格競争から抜け出すだけではなく、抽選の回避だ。総合評価は低入に一定の歯止めが掛かるメリットもある▼技術力の評価と受注バランス…両睨みの状況が続く。今のところ採点項目に変動はない見通し。ただ、業務成績は高止まりで差がつかないし、技術者の数や手持ち業務件数(受注減点)が鍵を握りそう。7月中にたたき台をまとめ、8月に業界との会合に持ち込む▼制度に100%完璧なものはない。各社の考え方に温度差があるなか、究極は上から下まで等分の痛み分けができるか。素案が固まってから激しい綱引きが始まりそうだ。

みちしるべ

2018-07-02
 産業革命―。中国に電池メーカーの巨大工場が完成した。世界に君臨したい国らしい。全ての面で世界のトップを豪語したい米国。両国は貿易関税を巡り火花を散らしている▼人口減少で窮地にある日本。一説によると、米中の狭間で日本はやがて沈没する。日本国内での中国人の“爆買い”は異常と言われる。そのうち、列島そのものが爆買いされてしまうのか▼産業革命によって日本の産業、暮らしも激変した。先頃、九州の炭鉱を撮った写真展が開かれたテレビニュースを観た。エネルギーが石炭から石油に変わったことで炭鉱町は疲弊した▼今、車の燃料はガソリンから主に電気に移行しようとしている。「今後10年で全国では1万店のガソリンスタンドが消える」(専門家)。文筆業も“3行革命”を迫られているー

みちしるべ

2018-06-29
 県内では珍しい専門工事業(ほ装)の業界団体が先日、今年度総会を開いて解散を決めた。40数年の歴史にピリオドを打った▼既に世代交代も進んで設立当時の目的を知る人もいない。舗装工事の量がまだあって、し烈なダンピングが横行。疲弊する業界の中で適正価格での競争を目的につくられた団体だったんじゃないか―と総会では推測▼工事量が逓減する中にあって保有機械の維持、人員の確保という足かせに耐えきれず「ほ装工事」から撤退する業者が続出。ピーク時は30社を超える会員を抱えていた団体も10数社にまで減っていった▼2~3年前までは入札制度や工事検査で県の出前講座や舗装機械の研修などの活動もしていたが、ここ数年は総会だけだった。今、静かにその役目を終えた。

みちしるべ

2017-06-28
 少し早いが7月1日は「国民安全の日」。1960年に産業災害、交通災害などの防止を図るため国が制定した。趣旨を読むと、高度経済成長期の深刻な社会問題が思い浮かぶ▼時は移り、豪雨、地震、噴火、雪などによる被害が全国各地で発生。国民の生命や財産をどのように守るのか、国も地方自治体も重要な政策として取り組む▼地震は相次ぐし、梅雨は本番。台風のシーズンもやってくる。突然発生する自然災害だから、行政には初動の段階でミスの少ない判断が求められる▼講演で聞いた「国の国民に対する愛情の尺度は、防災に対する考え方にある」。土木の知恵を結集したハードの対策と住民への防災教育が「多くの命を守ることにつながる」という言葉を時々思い出す。
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