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コラム

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みちしるべ

2019-06-28
i-Conを推進しようと、県発注の業務でも3次元測量の試行が始まっている。県内コンサルタントの大半が対応機材をそろえており、関心は高い▼昨年度の試行から見えてきた課題は、草木がレーザの行方を遮って地表面が計測できず、多くの補測測量が必要になった。一方で危険な区域や立ち入り困難カ所では、UAV測量によって現地測量が安全に履行できた▼全般に現場作業が楽になった反面、机上でのデータ処理に時間がかかったりと、受注したコンサルからは「決して万能ではない」と報告されている▼あくまで手段であるICT活用が、いつの間にか目的と化していないか。常に目配りしながら業務の効率化を図っていかなくてはならない。「これなら、使ってみようか」―試行を通じて新技術の日常使いが求められている。(鷲)

みちしるべ

2019-06-27
政府は、国土強靭化年次計画2019を決定した。水害の頻発と激甚化を受け、堤防やダムなどの整備・機能強化による事前防災対策を主要施策に位置付けた▼新たに中小企業を対象とした防災・減災対策と無電柱化に対する支援を盛り込んでいるのが特徴。18年末に国土強靭化基本計画を改定してから初の年次計画▼広域・長期の浸水対策では①堤防の整備・強化②河道掘削③洪水調節施設の整備④高規格堤防の整備⑤ダム再生⑥排水施設の耐水化など▼災害の教訓から新しく成立した中小企業強靭化法に基づき、中小企業の災害対応力強化に向けた金融・税制支援が盛り込まれている。一方、国土強靭化関連の公共事業費の増加で、都道府県の一部に入札不調・不落札の増加を懸念する声が出ているのが気がかり。(雉)
 

みちしるべ

2019-06-26
今の景気は良いか悪いか。それを知る手掛かりになるのが「景気ウオッチャー調査」だ▼調査での建設業の意見では、「災害復旧工事などで当面は好調を維持」との声があるが、一方で、「人手不足で仕事の効率が落ちた」「資材の価格等で長期間にわたり高止まり感がある」と厳しい意見も▼資材の問題点として高力ボルトの不足がある。業界団体の総会でも、大きな課題として挙げられていた。国土交通省は、市場の混乱による一時的な現象の可能性があるとして高力ボルトの標準的な発注様式を作成し、活用を促した▼景気の先行きについて「生き残るため業態を変えたり、新規事業を模索しなければ」と危機感を表す業者も。「実感のない好景気」とならないよう働く人が好景気を実感できる施策が求められる。(雛)

みちしるべ

2019-06-25
重要港湾「境港」は圏域共有の財産。広域的に利用されることで、より高いポテンシャルを発揮する。今後、この社会基盤でさらに経済活動の拡大、交流人口の増加を図るには米子―境港間の高規格道路は不可欠▼平井伸治知事が開会中の6月定例会で斉木正一県議(自民)の代表質問に「必要性について圏域が原則合意できるようこの夏に努力してみたい」と答えたという記事に、「いよいよ動き出すのか」と建設業界から期待の声があった▼2016年9月に外港中野地区国際物流ターミナルが完成。今年5月には境漁港の市場が高度衛生管理型市場に生まれ変わった。21年度には貨客船ターミナルが供用開始する▼これら施設がより高い投資効果を上げるには圏域のネック〝高規格道路の整備〟を急がねばならない。(鴉)
 

みちしるべ

2019-06-24
行政には毎日のように公共施設に関する要望や苦情が届く。県の出先機関や市町村の担当者は対応に追われ、一日中庁舎の中にいることはあまりない。必ず現地に出向き状況を確認する▼道路、橋梁、下水道などの構造物を対象にした長寿命化や耐震化のための工事が県内でも活発に進む。事が発生してから対応していた昔ながらの維持修繕や改築を、危険な状態になる前に整備していく考えが広まった▼それでも、手が付けられていない危険なエリアはたくさんある。危ない場所は早急に手を打たねばならないのは誰もがわかるが、用地取得の難航などで遅れる▼雨の季節。防災対策に万全という言葉はない。公共事業は国民の生活を守る役割を持つ。人が少ない地域でも整備を先送りすることはできない。(鷺)

みちしるべ

2019-06-20
私達が日常当たり前に使っているスマホやタブレットはここ5~6年で、また、パソコンや液晶TVはここ20年で急激に一般普及してきた。これらの便利な電子機器は、更新や取り替えなどにより、旧型機器はゴミへと変わっていく。この不要ゴミは年々増え続ける▼一方、プラスチックを含めた廃棄物処理は、昨年中国が輸入を禁止したため行き先がなくなり、処理対策が切迫している▼行き場のなくなった廃棄物は今、日本国内で200万㌧、山陰両県でも数万㌧ともいわれ日本各地で山積み状態という▼大量の廃棄物が排出される現代、環境汚染が問題になっている海へのプラスチック廃棄などを含め、その処理対策が急がれる▼県内には未だに管理型埋立処分場が無い状態。待ったなしの状況にある。(雀)
 

みちしるべ

2019-06-19
先週末にまとまった雨が降ったが、県内ではまだまだ雨不足。早ければきょうから梅雨入りとの予報も出ているが、天候がそれほど崩れるようすはない。鳥取地方気象台によると、6月は前線などの影響を受けにくく、まとまった雨は期待できないとしている▼このような状態が続けば、農作物への影響や夏場の渇水などが懸念される。また、何よりも怖いのは、これまでの少雨の帳尻をあわせるかのごとく、災害級の豪雨が発生することだ▼観測史上初の災害が毎年のように各地で起こり、対応すべく国の防災・減災、国土強靭化のための3カ年緊急対策が推進されているが、今後さらなる建設業の応災力が必要となるのは間違いない。地域住民の安全のために、長期的視野に立ったインフラ整備は欠かせない。(鴨)
 

みちしるべ

2019-06-18
自立する女の半生を描いたNHK朝ドラの「おしん」。今、アメリカとの諍(いさか)いが世界から注視される中東のイランでは、大半の国民が知っている伝説的な番組だ▼大正デモクラシーの時代。二十歳前のおしんは髪結いだった。そこで、日本髪の結い方の基本を修行していたおしんに師匠は「古いことを言っているようじゃあ、ご時勢に置いて行かれる」と諭す▼洋髪が流行りだしたこの時代。「日本髪は、型はあるが、洋髪は自由」「頭と腕の勝負。盗むのも修行」と、応用力が活かせる洋髪への転向を勧める▼大正と同じく激動する令和は、AI(人工知能)の時代。人間の仕事の多くがAIに取って代わられようとしているが、創造する力や接客(おもてなし)、マネジメント(人間力)は、人間にしかない強みだ。(鶯)
 

みちしるべ

2019-06-17
毎年6月1日から7日までは水道週間。水道についてのPR活動が全国で行われている。先日、鳥取市上水道事業協同組合が毎年行っている水道点検ボランティアを取材した▼公園や学校、公民館など市内の公共施設で漏水点検とケレップ交換など軽微な修繕を行うもの。取材させていただいた水道会社の職員は、「この公園には初めてきたから、どこに何があるかも知らない」と笑いながらも、トイレや水飲み場など水道のある場所を素早く発見し、蛇口を点検して老朽化したケレップを手際よく交換していた▼専門業者にとっては、簡単な作業かもしれないが、素人には真似できないことは多い。機動力のある建設関連産業を数多く育成することが、地域の安心と安全を守る上で重要だと改めて感じた。(鷹)

みちしるべ

2019-06-14
本当の現場を知らずして、いくら綺麗ごとを並び立ててみても他人の心を動かすことはできない。どんな産業や組織にも、現場の最前線に立って土台を支えてくれる人たちがいる▼業界にとって、鉄筋や型枠、とび工といった専門技術を身に着けた建設技能者は欠かせない。彼らがいてこその現場であり、建設産業は成り立つ。だが、これら専門工事業の求人倍率は10倍と飛びぬけて高い▼人手の確保もそうだが、深刻なのは元請けの顔色を伺いながらの経営も、だ。法定福利費を払ってもらえないなど、賃金にまつわる締め付けは依然、厳しい▼業界を挙げての人材育成が叫ばれるなか、日々の経営に精いっぱいで、とても雇用にまで考えは及ばない。専門工事業という業界の最前線に、いつまでも目を背けてはいられない。(鷲)
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