本文へ移動

コラム

RSS(別ウィンドウで開きます) 

みちしるべ

2021-05-21
 新緑まぶしい季節がきた。脱炭素社会など新しい時代のキーワード「グリーン」。建設業界でも、環境に配慮し、自然が持つ多機能性などを活用した社会資本整備と土地利用を行う「グリーンインフラ」なる概念が芽生え始めている▼近年では、アメリカで二酸化炭素を排出しないコンクリート生産方法が開発された。再生可能エネルギーで生成された電力で石灰岩を溶かしてできたセメントを主原料とするもので、その過程で発生した二酸化炭素は、ドライアイスなどに変換できるという▼国土面積の3分の2を森林が占める世界有数の緑の大国である日本、自然環境のない地域は存在しない。防災・減災の面からは、自然と人工構造物のどちらかに偏るのではなく、双方の良さを複合的に生かすことが重要だ。(雛)

みちしるべ

2021-05-20
 次代の担い手を呼び込むために―新3Kの推進や働き方改革など、従来の建設業イメージを刷新する戦略は数多い。それら印象改革の中でも「現場の安全性」は重要な要素の一つと言えるだろう▼去る17日、長らく係争が続けられてきた「建設アスベスト訴訟」に大きな動きがあった。最高裁は、十分な規制を怠った国の対応を違法とし、被害者に対して国からの賠償責任を認める、と結論付けたのだ。石綿を吸引して健康被害を受けた建設会社の社員は勿論一人親方に至るまで、国からの救済の道筋が示された▼この判決は、これまで建設業界が抱えてきた「安全性」を巡る大きな禍根を絶つ事にも繋がる。再びこのような事が起きない事を祈ると共に、次代の建設業が安全な現場環境を実現・継承していける兆しとなる事を願う。(梟)

みちしるべ

2021-05-19
 本紙が毎年掲載する「ニューフェイス」に多くの顔が並んだ。コメントは初々しいし、頼もしい夢も語っている。社会人になって1カ月が過ぎたこの頃になると、職場の雰囲気や仕事にも少しは慣れてきたと思う▼少し前になるが、若い技術者らが、毎日取り組む業務の内容などについて発表する場を取材した。入社2~3年目の若手が中心だが、実にうまく話す。仕事にも少し自信がついた▼新入社員からも印象に残る言葉を聞いた。「自分にはこれがある、という強みを身に着けることが大切」。社内だけではなく、対外的にも信頼される技術者にならなくてはいけない。そんな強い思いが伝わる▼あの人達の思いがいつか叶うためには、あの日会場やWebで発表を聞いた先輩方の役割も欠かせない。(鷺)

みちしるべ

2021-05-18
 世の中には面白い語呂合わせがいっぱいある。今日5月18日は「コ(5)リをい(1)や(8)そうサロンパスの日」。この語呂合わせにはクスっとなった。私も学生時代、歴史の勉強で年号と出来事を語呂合わせで覚えていた▼とある業者を訪問した際、社長から「読書はしているか」と問いかけられた。しどろもどろになった私を見て、続けて「歴史は学んだほうが良いぞ」と言われた▼ドイツ帝国を築いた中心人物のビスマルクはこのような言葉を残している。「賢者は歴史から学び愚者は経験から学ぶ」ーと。人が一生で学ぶことは極僅か。先人たちの経験や知識を学ぶことで幾つもの生涯を経験できるという▼今日の社会情勢の中、色々な課題も歴史から解決する手口はあるのではないか。学生時代に戻るように歴史を学ぼうと思った。(鴎)

みちしるべ

2021-05-17
 昨年末ごろから懸念の声があった「第3次ウッドショック」が、にわかに顕在化してきた。短期的な背景は、コロナ禍を引き金にした米中での木材需要増、世界的なコンテナ不足など。長期的に見れば諸外国とのインフレギャップや国内林業の停滞、ひいては個人事業主を直撃する税制改正、資源自給率の低さといった問題にも根を張っている▼3度目ともなれば、国産材を見直す議論が実体を伴ってくる。4月には建売大手3社が団体を設立。また足下では智頭町が民間と結び、林業を核とした事業創出プログラムを走らせ始めた▼外材の台頭に寄与したパワービルダーの宗旨替えは皮肉な話だが、それだけ大きな転換を図る機会が巡ってきている。感染症同様、再度の緊急事態は避けなければ。(鵯)

みちしるべ

2021-05-13
 今年も若手在職者を対象にした測量基礎研修会が倉吉市内で開かれている。県中部建設業協会と産業人材育成センター倉吉校が連携して毎年実施しているもので、毎回参加者から「とても勉強になった」と声があがる評判の高い取り組みだ▼慢性的な人手不足が続く現在の建設業界では、現場で人材を育成する余裕がなく、若者が入職しても、やりがいを見つけられず早期退職するということが少なくない▼しかし、今の時代「仕事は見て覚えろ」では、若者はどんどん業界を離れていく。数少ない若手技術者を育てるには、基礎から指導し、スキルを継承していくことが大切だ▼ただ現状は、そこまで手間をかけられないことも事実。協会などの主導でこのような研修会を開くことが、人材育成の最善策のように感じる。(鴨)

みちしるべ

2021-05-12
 鳥取市は、道路の維持管理にAIの導入を検討している。道路空間の画像をAIが診断し、危険カ所を発見するもので、今年度からシステムの開発に着手する▼市道の維持管理は現在、ベテランの現業職員がゆっくりと道路を巡回し、危険カ所がないかを目視で点検している。これには人手と時間、そして経験を積むことで培ったノウハウが必要だ▼人材の育成には時間がかかる。そして人材の確保も難しい現在、新しいテクノロジーが人手不足や経験不足をカバーするのはどの産業でも同じだろう▼建設業でも、起工測量や設計データの作成、ICT建機による施工に新しい技術が導入されつつある。人材の確保と育成は重要なテーマだが、新技術導入による生産性の向上や品質の向上も並行して進めるべきテーマだろう。(鷹)

みちしるべ

2021-05-11
 7日正午過ぎ、鳥取市本高の鳥取西道路を走っていた軽乗用車が反対車線に飛び出し、大型貨物車と正面衝突する悲報があった。ニュース映像では中央線にワイヤーロープが設置されていない区間だった▼死亡事故の発生は、2年前に同道路が全線開通して以来、初めて。西道路では今年に入って交通事故が繰り返されており、実は先月、鳥取河川国道事務所に関係者が集まって事故対策の検討に入ったばかりだった▼いまのところ、道路構造に特に問題はない。事故は区間内に比較的多いインターチェンジ付近に発生する傾向がみられ、本線への合流部であろうか。事故原因は前方不注意が6割近くを占めていた▼結局はドライバーのマナー向上が欠かせない。感染症にしかり、今起こっている問題は、案外に基本的なところに起因している。(鷲)

みちしるべ

2021-05-10
 鳥取県での移動手段といえば車。どこへ行くにも車。鳥取県の自動車保有台数は全国でも上位で、特に軽自動車はトップ5に入る▼今、県内では岩美道路や北条道路など、多くの道路新設工事が進んでいる。道路事業は非難を浴びやすく、財政縮減の敵にもなりやすい。しかし、どの地域でも商業施設が集まるのは使い勝手のいい幹線道路沿い。道路の周りにお金は落ちてくる▼地方では高齢者もなかなか車を手放さない。さらに、これからは自動運転の時代になり、高齢者も障害者も車を使う機会は確実に増える。ただいくら車が自動でも道路がなければ役に立たない。今の環境を守るのか、新しい道路を開発するのか。それぞれにメリット・デメリットはあるが、あとはそこに住む人々の選択の問題だろう。(雛)

みちしるべ

2021-05-07
 災害大国たる日本に暮らす上で、自然災害への備えは必要不可欠。大風への対処もその一つと言えるだろう▼台風や、この時期に多い春の嵐などはその代表例だが、最近では大規模な竜巻の報を聞く事も多くなった気がする。このGWにも静岡県で突風が発生し120軒以上に被害が出たが、積乱雲の状態などから、原因は竜巻の可能性が高いと専門家は見ている。鳥取県でも今年はじめに東部で竜巻が発生し注意喚起がなされたのが記憶に新しい▼時に激甚災をもたらす一方で、風力は再生可能エネルギーの活用を考える上で欠かせないものだ。北栄町の風力発電事業はストップがかかったものの、鳥取市や県西部4町などでは計画が漸次進められている▼自然は吉兆併せ持つもの―防災と利活用法を今後も模索していかなければ。(梟)
2024年5月
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
  • 休刊日
有限会社日刊建設工業新聞
〒683-0047
鳥取県米子市祇園町2丁目33-13
TEL.0859-32-1771
FAX.0859-39-0421
TOPへ戻る