本文へ移動

コラム

RSS(別ウィンドウで開きます) 

みちしるべ

2021-06-28
 菅首相が、2050年までに温室効果ガス排出ゼロを目指す政府目標を打ち出してから2カ月。SDGs、カーボンニュートラルといった言葉もすっかり耳に馴染むようになった▼町面積の9割を森林が占める日南町では、植生保全の推進を目的にJ‐クレジットの購買が盛んだ。これは事業を行う上でどうしても排出されるCO2を、同等量のCO2削減活動に投資して相殺するという考えに基づくもので、購入業者は「森を守る優良企業」として県から表彰される▼協賛する建設業者も数多く、三伸工業が県下で初めて優良企業に認定されてから10年が経つ。環境保全に立脚した「持続可能な開発」が全世界的な潮流となった現在、国土開発の推進主体たる建設業がこうした活動に貢献する事は、殊に大きな意義があると感じる。(梟)

みちしるべ

2021-06-24
 官民問わず若い世代に土木や建築などの魅力を伝えるために、多くの人が知恵を絞る。以前とは違い、最近は現場見学会や作業の体験、出前事業なども小学生が対象になることさえ多くなった▼こうした催しに参加した子供達の中から「一人でもいいから、この業界に入ってくれれば」と願いを込めて、わかりやすい言葉で思いを伝える▼先日、鳥取市内で中学生の植栽体験があった。県道の改良に伴って移設した新しい植栽帯は、地元の中学生が長い時間をかけてレイアウト。テーマは「春夏秋冬を感じられる石畳の広場と遊歩道」▼自ら考えた広場に芝桜を植栽する姿。県や施工業者の技術者は中学生が大人になった時、この道路と今日の出来事を覚えていてほしい、という願いを込めて作業を見守る。(鷺)

みちしるべ

2021-06-23
 誰もが気軽に情報をやり取りする現代。何気なく発した言葉でも、良かれ悪しかれ瞬時に拡散できる環境が整備され、常に世間の目を意識させられる▼「世間」は本来仏教用語で、壊され否定されていくものを意味する梵語「loka」を語源とする。その後中国で漢字が当てられるが、「世」は時間を、「間」は空間を表していた。これが日本に渡り、世の中や社会を指す一般名詞として転じる▼テクノロジーが果たす役割の一つは、時間と空間を越えることだ。産業の発展に寄与した一方、人同士の交流障壁が下がることで世俗的な「世間」が支配域を拡げる状況は、語義の変遷とリンクする▼骨太の方針をはじめ国策と化したデジタル活用。世間の目を気にしたポーズで終わってはならない。(鵯)

みちしるべ

2021-06-22
 改正地球温暖化対策推進法が先月26日に成立。2050年までのカーボンニュートラルの実現が法律に明記された。温室効果ガスの削減目標を法制化することで、政権交代しても目標が継続されるため、インパクトのある法改正だったと言える▼このほか、脱炭素が広がりやすくなる制度改善も。市町村は、温室効果ガス削減のための計画を立案し、施策の目標を立てる必要が出てきた。さらに、各自治体は脱炭素を推進する地域「促進区域」を設定し、その区域で事業認定を受けた事業者は、様々な行政手続きを簡素化できる▼火力発電の縮小が見込まれる昨今、注目を集めるのは、水力や風力などの再生可能エネルギー。それらを豊富に持つ地方と国からの後押し。脱炭素は地方がリードするかもしれない。(鴨)

みちしるべ

2021-06-21
 鳥取市内のある建設業者は、数年前からレイアウトナビゲーターを活用して測量を行っているそうだ。それまで2人で行っていた測量を1人で行うことができ、3次元データも作成できるようになった▼技術者が不足する中、省力化につながり生産性の向上が期待される。確認作業も素早くできるため、成果品の精度も上がる。建設業の担い手を確保するためには働き方改革や人材育成が欠かせないが、テクノロジーの進化で省力化を図り人手不足を補うという解決方法もありそうだ▼一方で機器の使い方を覚えてしまえば、素人でも測量ができてしまうため、これまでに考えられなかったようなミスが起こる危険性もある。やはり便利な道具を使用する人間個々の技術力を高めることが何よりも大切だろう。(鷹)

みちしるべ

2021-06-18
 されど点数である―業界にとって点数といえば、工事成績だろう。20年度の県土木系工事の平均点は過去最高の80点と17日付の本紙が報じている▼一昔前では優良工事に値する点数。それが今や平凡な点数で、最も多かった工事成績も83点と高得点だ。点数が伸びたから現場が良くなっているかは別の話。求められる工事書類があるかないかで現場を評価されては、たまったものではない▼平均点を取っていれば、実は総合評価でそんなに差は付かない。と、分かっている業者でも、最高点が90点と聞けば心中穏やかにはいられない▼先にあった県土の課所局長会議でも工事成績は「優・良・可」でいいのではといった声があがったという。付ける側も、付けられる側も、そろそろ頭を冷やす時期が迫ってきているように思う。(鷲)

みちしるべ

2021-06-17
 今後の地球環境負荷軽減や石油資源問題などを見据えてか、自動車業界で電気化が進んでいる▼電気自動車は、排気ガスを出さないことや騒音防止といった環境に優しい所がメリット。その半面、動力となる電力の増強や充電供給場所の確保、充電時間の短縮といった部分が、今後の普及に向けた鍵だろうか▼北栄町は2018年に国から認定を受けた、バイオマス産業都市構想を進めており、その第1弾として、木質チップを燃料とするバイオマスボイラー設置工事を近く入札する。このほかにも、電気と熱の供給を可能にするシステムを再整備中の道の駅北条公園に導入することも検討している。この構想は町内電気熱供給の確立や地域の活性化が目的で、県中部の経済循環や雇用創出にも期待が高まっている。(雛)

みちしるべ

2021-06-16
 八頭管内の今年度最大とも言える大型工事・郡家西小学校大規模改修工事の入札が14日にあった。総工事費は約7億円。同日開札の旧安部小改修も総工事費2億円とこちらもかなりのボリュームだ▼ところで八頭県土ではどうか。1億円近い工事もあるが、1億超のものは今のところなさそうだ。特に2年前の舂米バイパス開通以降、道路事業では乏しい状況が続いている▼今春、八頭県土で県内の未開通路線図を見せてもらったが、八頭管内は同じ山間部にある日野管内と比べても未開通部分が多かった。費用対効果の面から事業凍結され20年以上という箇所もある▼たしかに車が通らないところに道路は必要ないかもしれない。しかし、有事の迂回路として整備する必要はあると感じる。地域のため、そして業界のためにも。(隼)

みちしるべ

2021-06-15
 次代の建設業界を考える上で、VR・ARの活用は欠かせないテーマだ。仮想現実を利用し、建造物の完成形を現実に投射してイメージ共有を図る―こうした取り組みは、今や当たり前に行われている▼これらの技術発展は、建設業界の安全教育にも一役買っている。先月、建設機械レンタルのアクティオはVRによる安全教育プログラムを新開発した。内容は「高速道路の上の危険」に特化したもので、車線規制や高所作業車の落下など、各種不安全行動とその結果を追体験できるようになっている▼VRによる事故体験は、未来に起こり得る危機を先んじて、身をもって認識する事に他ならない。危機回避の感覚を培うには最適の教材と言えるだろう。県内企業でも積極的に推進している所があるが、更なる普及が期待される。(梟)

みちしるべ

2021-06-14
 業界の定時総会を今年もいくつか取材した。2年ぶりに会場に集まって開催する団体も多くあったが、どこも密集を避けるなどの工夫をしながら議事が進んだ▼規模は小さくとも、特殊な資格を持つ団体は、専門性の高さを強くアピールしなければいけない。技術力の向上は言うまでもないが、行政や暮らす地域から信頼を得るには、業界としての役割を果たさなければいけない▼ある団体のトップが「発注者や地域から我々に何を求められているのか。そして、何ができるのか、ということを今一度考えなければ」と会員に問う。「オンリーワンと認められる存在にならねば」▼難しい役割だが、災害などの緊急時だけではなく、日ごろから多くの人に信頼される専門家の組織としての存在感を示さねば。(鷺)
2024年5月
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
  • 休刊日
有限会社日刊建設工業新聞
〒683-0047
鳥取県米子市祇園町2丁目33-13
TEL.0859-32-1771
FAX.0859-39-0421
TOPへ戻る