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コラム

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みちしるべ

2023-07-28
 8月に入ればいよいよ夏の盛り。松江市の小泉八雲記念館では『怪談』をテーマにした企画展が開催中だ。背筋を伝う寒気も酷暑の中では心地良いかもしれない▼八雲は多感な幼少期をアイルランドで過ごした。厳格なカトリック文化を遠ざけ、ケルト原教に傾倒する中で想像力を養ったという▼宗派や民族間の対立は、後にアイルランド南北を二分する。しかし多くの悲劇を生んだ分断は、イエィツやヒーニーといった高名な詩人を生み出す原動力にもなった▼生まれ変わった米子駅が明日お披露目。南北の結節点となる駅ビル「シャミネ米子」は、奇しくもアイルランド国花の三つ葉(シャムロック)に由来する。春には「やくも」の新型車両を迎える当地が、南北はもちろん、東西もつなぐ文化の源に育つよう期待したい。(鵯)

みちしるべ

2023-07-27
 NHK「鶴瓶の家族に乾杯」の今24日、31日の放送回は若桜町が舞台。24日の放送は筆者も見た。岩屋堂や中心部の蔵通り、寺通りなどが取り上げられており、一度じっくり観光してみたいと感じる内容だった▼たびたび行われるイメージ調査で、鳥取といえば砂丘と答える人の割合は高い。もちろん、県内各地に名所はたくさんあるのだが、砂丘様様と言っても過言ではない▼砂丘周辺はキャンプ場の再整備などが始まる。ただ、キャンプ場整備は最初に決まっていた事業者が、資金調達などで不備があり資格取り消しに。また、ホテル建設も大幅な遅れが出る状況で、踏んだり蹴ったりだ▼「鳥取市の詰めが甘い」ことを指摘する声もあるとかないとか。やるからには綿密な計画の元、実施してもらわないといけない。(隼)

みちしるべ

2023-07-26
 経済産業省が2018年にレポートで示した「2025年の崖」も残り2年に。デジタル技術を活用したビジネス化が進む一方で、既存システムの老朽化やブラックボックス化をどう対応するかが課題になる▼かつて「コンピュータの2000年問題」があった。1999年から2000年の年越しで、西暦の下二桁しか認識しない古いコンピュータに誤作動が起こると話題に。実際、大きな混乱は起こらなかったが、問題を先送りしただけ。20年後に問題が発生している▼建設業のDXに対し25年の崖は影響を与えるか。DXを取組めない理由として人材不足を挙げた企業割合は約60%。しかし、問題の先送りはできない。建設とデジタル両方の知識を持つ人材の育成が必ず必要となってくる。(鴎)

みちしるべ

2023-07-24
 一日千秋の思い。国交省の県内優良工事が発表された。局長、各事務所長表彰と、手応えを感じていた会社にとっては、通知を待ちわびたことだろう。何せ、県工事と違って直轄の優良工事は、「次の受注」に大きく近づける▼必要な工事点数は欠かせない。県工事では平均点が81・5点に達し、4年連続で過去最高を更新した。以前、この欄でも触れたが点数へのこだわりが少々過熱気味に▼全体が良くなるのは結構なことだが、裏では「このままでは若い技術者が辞めてしまう」といった深刻な声も。点数のプレッシャーが掛かり、書類づくりばかりに追われていては、現場から遠ざかっていくのも無理はない▼一方で点数を付ける側の検査員にもプレッシャーがある。ここ最近は、説明を尽くす姿勢に変化が表れてきている。(鷲)

みちしるべ

2023-07-21
 交通量の多い道路を工事する場合は、交通量が少なくなる夜間での作業が多くなる▼先日テレビで、名古屋市内における「夜間道路清掃」が紹介されていた。夜10時から朝6時まで、5人が1チームとなり、道路清掃車4台を活用する。清掃車は、先行車がペットボトルなどのゴミを回収。2台目は散水車で水をまく。3台目の清掃車がブラシを使って道脇の雑草を除去、ゴミをかきあげて集め、トラックの荷台に積むという見事な連携プレーだった▼道路だけでなく、商業施設や鉄道の工事も営業時間外の遅い時間や電車の運行が終わった後に行うなど、利用者に支障が出ないように工事を進めることもある。建設業だけではないが、気付かないうちに誰かが活躍してくれていることに感謝して生きていきたい。(雛)

みちしるべ

2023-07-20
 今年も豪雨による災害が発生した。九州北部や山口、島根では被害も甚大。中には6月下旬から相次いで被災した地域もあり、自然の恐ろしさを痛感する▼県内もかなりの降雨量を観測して危険なエリアもあったが、間一髪で大きな被害を逃れた。これからは台風の季節。国民を守る防災対策に時間の余裕はない▼県民からは公共事業に関する多くの要望が出てくる。いつまで待っても動かない道路の計画だけではなく、歩道や交差点などの安全対策。そして、河川の維持修繕や劣化した農業用ため池のほか、除雪や落石、土石流への備えなどは、そんなに待てない切実な課題だ▼暮らす地域や通学、通勤に使う道も決して安心ではない。人口が減った山間地だって、防災対策に少しも手は抜けないはずだ。(鷺)

みちしるべ

2023-07-18
 旅行キャンセル保険、ネット炎上保険、犬のがん保険といった多様な保険商品が登場する中、「熱中症保険」が人気を集めているという▼ネット生保が提供する同保険は、熱中症で点滴治療を受けたときや、入院したときに保険金が給付される商品。期間は1日単位と短く、100円から加入でき、治療で最大1万円、入院は同3万円が受け取れる。総務省消防庁によると、熱中症による救急搬送は前年を上回るペースで推移。旅行や行事中といった屋外だけでなく、室内でも熱中症の危険はあり、「お守り」として加入件数が伸びているようだ▼県内では、東部を中心とした先週の記録的な大雨を経て、いよいよ梅雨明け。熱中症リスクが高まるだけに、屋外作業が多い業界では予防に一層気を配ってほしい。(鴛)

みちしるべ

2023-07-14
 日本人は空気を読み過ぎるきらいがある、とはよく聞く話。今では「個人の感想」と切って捨てられないようだ▼脳内のドーパミンを分解する酵素の活性を、遺伝子検査で調べることができる。活性が高ければ与えられた前例に従いやすく、逆なら自分の意見を押し通す性格だとか。日本人は前者の割合が7割、欧州は後者が6割を占めた▼こうした差は芸術・芸能など文化の違いにも。西洋では楽譜や型に忠実であろうとするより、自己の解釈に重きを置く傾向にある▼今年も多くの安全大会に同席したが、「危険を危険と指摘できる関係性」の重要度は誰もが指摘するところ。過剰な封建主義は時に重大な危機を招く。言外の意思疎通に優れた国民性は美徳としつつ、封じ込めるべき状況があることを意識しなければ。(鵯)

みちしるべ

2023-07-13
 今年の夏は各地で4年ぶりなど、数年ぶりに祭りが通常開催される。鳥取市の夏の風物詩「鳥取しゃんしゃん祭」も4年ぶりに中心市街地で開催となる▼しゃんしゃん祭は4千人を超える踊り子が参加し、市の人口を上回る20万人以上が来場する。いつもは閑散としている鳥取駅前も、この時ばかりは活気を感じることができる▼鳥取ではしゃんしゃん祭のほかにも、大勢の集客があったイベントが過去にはいくつかある。過去には世界おもちゃ博覧会、最近ではポケモンGOとのコラボイベントなどだ▼短期間のイベントでは集客、経済効果が見込めるが、通常の観光ではどうか。まだまだ伸びしろはあるのではないだろうか。そのためには、インフラはもちろん、観光の拠点となる施設も整備が必要不可欠だ。(隼)

みちしるべ

2023-07-12
 今月6日、農林水産省がTwitterで上げた「トウモロコシの剥ぎ型」が話題を呼んでいる。スプーンを使った簡単な方法で、見ていて気持ちいいくらいに粒が取れていく。1度はやってみたいものだ▼トウモロコシといえば、大山でもスイートコーンの収穫が始まった。糖度が19度とブドウに負けないくらいの甘さがあるらしい。スイートコーン狩りに行こうと思った私はSNSの格好の的だろう▼6月に東京であった建設トップランナーフォーラム。鳥取県から出席した社長は「技術力は他と劣っていないが、YouTubeやSNSを駆使した広報力がまだまだ」と振り返る。SNSは建設業への魅力を伝えるために避けては通れない道だが、企画するのはスイートコーンのように甘くはない。(鴎)
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