alider

特集/県測協集計/建設コンの低入札急増/総枠確保、拡大が急務

 県発注の建設コンサルタント向けの業務で、低価格入札件数が急増している。発注件数、事業量の減少に伴い、業者間の価格競争が激化。県測量設計業協会(大西幸人会長)は、業者の経営内容の悪化につながり、結果的に地域防災力やインフラ維持能力の低下に直結するとして、事業量、予算規模の抜本的拡大を求めている。

 協会のまとめによると、低価格入札は2020年度に2件、21年度は3件、22年度4件、23年度2件、24年度は0件だったが、25年度は40件に急増。
 公共事業予算は一定額以上確保されている一方、県内企業向けの件数、業務量が減少傾向で、25年度は460件、51億円。5年前と比べて180件以上、10億円規模減ったため、受注競争が激化したのが理由とみている。
 協会の代表企業の人件費を例にとると、19年度を「1」とした場合、26年度は1・3倍に引き上げるなど、政府の賃上げ方針に沿った対応を続けているものの、協会内の赤字企業の増加、廃業、公共事業からの撤退を決めた企業、新規採用者数の減少をはじめ、「業務量が10億円も減ると、厳しくなるのは当然。企業努力のみで対応できる段階を超えている」(大西会長)という。
 加えて、新たな懸念材料となっているのが、高市早苗首相が掲げた「補正予算前提の予算編成からの脱却」。当初予算を絞り、補正予算で積み増す慣行と決別し、必要な予算はできるだけ当初予算で措置する考え。大型の経済対策に伴う補正が常態化しているだけに、脱・補正の影響がどの程度でるかが不明とされる。
 県幹部からは、補正で積み増す手法では、事業の進捗を見ながら柔軟に対応できるが、「脱・補正」の場合、年度当初で事業や方針を固める必要性があるほか、年度当初の発注の比率が高まり、発注時期の平準化が難しくなるなど「非常に大きな影響が出る」との声が上がる。
 協会は危機感を募らせており、全国測量設計業協会連合会(全測連)を通じて補正予算の編成を国に求める構え。公共事業予算の総枠確保などと合わせ、国、県要望を重ねている。(3面に関連記事)

alider

熊本地震へ義援金500万円/美勇会

 美保テクノス(野津健市社長)のグループ企業で構成する美勇会(13社)は7日、県庁を訪れ、7月28日に熊本県で発生した地震の被災地支援として、義援金500万円を寄託した。寄せられた義援金は県を通じて日本赤十字社へ送られ、熊本県の復旧・復興支援に活用される。
 贈呈式で野津社長は「日本は災害大国であることを改めて感じた。グループとして、取り急ぎ何かできることがないかという思いから寄付に至った。少しでも役立ててもらえれば」とあいさつした。
 義援金の贈呈後には、平井伸治知事から感謝状が贈られた。平井知事は「このような志やお心が熊本の復興支援につながる。自然災害が猛威を振るう中、美勇会の力が発揮される時代になっている。県としても皆さまとともにインフラ整備や災害対策に取り組んでいきたい」と謝意を示した。
 美勇会はこれまでも、能登半島地震や能登半島豪雨などの災害発生時に義援金を寄託するなど、継続的な被災地支援活動に取り組んでいる。

alider

優良工事4社を表彰/鳥取市水道局

 鳥取市水道局の優良工事表彰式が6日、水道局庁舎で開かれ、優れた施工実績を収めた4事業者が表彰された。
 表彰式では、受賞者に山根陽一水道局管理者から表彰状が贈られた。山根管理者は「優秀な工事成績を上げられた皆さまは、日頃から培っている技術力や経験をさらに高めている。熊本地震などの災害を通じ、水道施設をはじめとしたライフラインの重要性が改めて認識されている」と述べた。その上で「安定した水の供給を維持するためには、皆さまの力が不可欠。高い技術力によって、市民に安全・安心な水を届けることができている。今後も技術を磨き、さらなる研さんに努めていただきたい」と期待を寄せた。
 その後、受賞者がそれぞれあいさつし、今後の施工品質向上への意欲を示した。受賞した工事は以下の通り。
※導送配水管布設工事部門(発注標準額1800万円以上)
▼気高町土居地内ほか配水管布設替工事=水道施設工事=サカエ
▼震災対策整備事業の内江津地内配水管布設替工事=同=吉野設備工業
▼震災対策整備事業の内新町地内配水管布設替工事=同=西日本環境設備
※同(1800万円未満)
▼河原町水根地内配水管仮設工事=同=ties

alider

特集/学校・地区体育館を一体再編/米子市/空調整備と地域拠点化を推進/老朽11館、築45年めどに順次廃止へ

 東山中学校(米子市車尾)屋内運動場の建て替え設計を皮切りに、米子市が学校体育館の更新に本格着手する。固定式空調の整備を前提に、築30年を目安とした改築・改修を2042年度まで順次進める。これに対し、老朽化した11地区体育館は建築後45年程度を目安に廃止・解体し、学校体育館の開放や新たな地域拠点体育館へ機能を移す方針だ。一見別々に見える学校体育館整備と地区体育館再編は、教育環境の向上、避難所機能の強化、公共施設マネジメントを一体的に進める取り組みとして動き始めた。

東山中改築に着手

 4日に閉会した米子市議会7月定例会。東山中体育館整備の実施設計委託費5151万4000円を盛り込んだ一般会計補正予算を可決した。
 東山中体育館は築47年を経過し、市内でも老朽化が著しい施設の一つ。雨漏りや建物の傾きなどが確認されており、学校体育館更新の第1号として建て替えに踏み切ることとした。現体育館を使用しながら敷地内に新体育館を建設し、完成後に既存施設を解体する計画で、27年度の着工、28年夏ごろの完成を見込む。
 新体育館は固定式空調や断熱性能を備え、教育環境の向上に加え、災害時の避難所機能も強化する計画。市は市内34校35棟の学校体育館について、42年度までに固定式空調を整備する方針を掲げた。
 築30年以下は改修、築30年超は改築を基本とし、年1施設程度のペースで更新を進める。改築は1棟当たり約6・5億円、改修は約1・5億円を見込み、総事業費は約120億円に上る見通しだ。試算額は、2023年度に整備した福米西小学校体育館の事業費を基準としているが、資材価格や労務単価の上昇などにより、実際の整備費は変動する可能性がある。
 学校体育館は、昭和40年代後半~50年代に整備された施設と、平成以降に整備された比較的新しい施設が混在している。
 築40年以上を経過した施設は19棟。最も古い箕蚊屋中は築53年、加茂中は築52年を経過するなど、築50年以上の施設もある。一方、就将小や福生東小、福米東小など築20年に満たない施設もあり、施設の状態を踏まえ、改築と改修を組み合わせながら順次更新を進める考えで、固定式空調が整うまでの間は、スポットクーラーなどを活用し、暑さをしのぐ方針だ。

米子アリーナを補完

 これに対し、市内11地区体育館は建築後45年程度を目安に順次廃止・解体する。伊木隆司市長は「空調整備には多額の予算を要するため、学校体育館の整備を優先し、地区体育館は耐用年数を超えたものから順次取り壊す。その上で利用者の利便性を考えながら、必要な場所へ地域拠点体育館を整備する」と説明する。
 地区体育館は1980年代前後に整備された施設が大半を占める。中でも、加茂体育館(米子市河崎)は市内で最も古く、すでに築45年を超過。今後の廃止調整では初期の対象となる可能性が高い。
 市は地区体育館を一斉に廃止するのではなく、学校体育館の空調整備や新設する地域拠点体育館の整備状況を踏まえながら段階的に再編するという。利用団体には説明を進め、学校体育館の開放や他地区体育館への移行などで活動場所を確保する方針でいる。
 スポーツ振興課によると、地区体育館が担ってきた役割は今後、学校体育館の開放と地域拠点体育館へ分けていく考えだ。日常的なスポーツ活動については、学校体育館の開放事業が受け皿となる。学校利用を優先した上で、平日夜間や休日に市民へ開放し、地区を問わず利用できる仕組みを拡充するという。
 また、市内大会や大規模なスポーツ活動、防災拠点としての機能は、整備を進める「米子アリーナ」が中心的な役割を担う。これを補完する施設として、地域拠点体育館の整備を検討することとした。
 地域拠点体育館には、空調設備を備え、大会開催に対応できる規模やバリアフリー化、避難所として利用しやすい設備などを求める。配置や整備数、整備時期は今後の検討課題となるが、市は現在の11地区体育館と同数を整備する考えはなく、施設数は減少する見通しとなっている。

安全守る避難所に

 今回の学校体育館更新と地区体育館再編は、単なる老朽施設の更新ではない。教育施設として利用されてきた学校体育館に地域スポーツや防災機能を組み込み、限られた公共施設を効率的に活用しながら、市全体の体育施設の役割を見直す取り組みとなる。
 近年特に、災害時の避難所としての役割が注目されている。このほど発生した熊本県での地震でも、小中学校の体育館が避難所として開設されたが、被災地では最高気温が35度を超える猛暑日となる中、冷房設備の未整備が課題となった。移動式の冷房機器などによる応急的な対応が進められたものの、体育館全体の避難環境を確保するには限界があり、平時から空調設備を備えた避難所を整備する重要性が浮き彫りとなった。
 体育館は平時には教育やスポーツ活動の場である一方、有事には地域住民の安全を守る避難として機能する。東山中から始まる更新事業は、米子市の体育館整備が新たな段階へ踏み出す第一歩となる。
【関連の表は7面へ】

建て替えに乗り出す東山中学校体育館

築46年となっている加茂体育館

alider

「8の字」ルートへ官民連携/経済効果は850億円試算/圏域市長会と経済界

 中海・宍道湖・大山圏域市長会の2026年度第1回総会と、中海・宍道湖・大山ブロック経済協議会との合同勉強会が5日、米子市のANAクラウンプラザホテル米子で開かれた。中海・宍道湖8の字ルート整備を契機とした地域経済の活性化に向け、行政と経済界が取り組みの方向性を共有した=写真=。
 総会では、2025年度事業報告と決算を承認した。「中海・宍道湖8の字ルート整備推進会議」や「中国横断新幹線(伯備新幹線)整備推進会議」などを通じた要望活動の実施状況を確認。
 市長会の会長を務める上定昭仁松江市長は、8の字ルートについて「ここ数年取り組みを強化し、具体的に計画が実現に向けて動き出している」と説明。米子・境港間の高規格道路が計画段階評価に入ったことや、境港出雲道路では出雲市街地で優先区間決定に向けた手続きが進んでいることに触れ、「官民一体となって整備実現へ取り組んでいく」と力を込めた。
 総会後の合同勉強会では、経済協議会の田部長右衛門会長があいさつし、8の字ルート整備に伴う経済効果試算について報告した。
 田部会長は、従来の費用対効果(B/C)だけでは、人口減少が進む地域での道路整備の必要性を示すことが難しいと指摘。その上で、道路整備による直接的な経済効果350億円に加え、民間投資や地域の取り組みによる500億円の効果を見込み、計850億円の経済効果を試算したと説明。
 具体的には、デジタル・AI・半導体関連産業の集積、宿泊施設の充実、スポーツを通じた交流人口の拡大などを挙げ、これらの取り組みを積み重ねることで「実現不可能な数字ではない」と強調。1000億円規模の経済効果創出への意欲もにじませた。
 その後、筑波大学の石田東生名誉教授が基調講演を担った。公共投資を呼び水として民間投資を促し、地域経済を活性化させる官民連携の考え方について、「国が進める地域未来戦略や地域生活圏の考え方を先取したもの」と評価。8の字ルートの取り組みが人口減少時代における地域づくりのモデルになるとの見方を示した。

alider

飛散リスク抑え工程見直し/初回に根固め・ブロック1層/皆生工区開口部対策を了承

 第25回皆生海岸技術検討委員会が5日、国土交通省日野川河川事務所で開かれた。皆生工区の1、2号人工リーフ間にある開口部の侵食対策について、捨石根固工と異形ブロック1層を初回に一体施工する2段階施工案を承認。施工前後のモニタリングで効果を検証し、2段階目となる追加のかさ上げが必要か判断する。5年間の工程案では3年目に初回工事、4年目に事後検証を行い、必要な場合は5年目に追加施工する。

 皆生工区では、開口部から人工リーフ背後へ進入する波浪により局所的な砂浜侵食が発生。2022年度以降は毎年被害が確認され、侵食後の緊急養浜で対応している。13年度以降に投入した土砂は計2万3000立方メートルに上るという。
 前回委員会では、開口部約50メートルをかさ上げして波浪低減効果を高める対策を選定。開口部を一度に既設人工リーフと同じ高さまで整備せず、砂浜の変化を見ながら段階的に施工する方針としていた。
 当初案は、1段階目で捨石根固工、2~3段階目でブロックを据え付ける3段階施工だった。しかし捨石だけの状態で冬季風浪にさらされる期間が生じ、石材の飛散が懸念されるため、根固工とブロック1層を同時施工する2段階方式に見直した。
 計画断面は捨石天端幅66・8メートル、人工リーフ計画天端幅41・6メートル。初回工事では天端高をTPマイナス1・9メートルとし、追加施工時に計画高の同0・5メートルまで引き上げる。委員からは、施工期間中に想定される波浪に対し、初回に据え付けるブロックの重量と配置が安定するか精査を求める意見があり、事務局が対応する構え。
 初回工事は28年春を想定。施工後は、台風来襲前後と冬季の砂浜巡視、海底・陸上部の地形測量、波浪・流況観測を実施する。冬季の観測期間は9月から翌年3月までを想定。開口部岸側で波高と流速が十分に低減しているか、侵食規模の波浪を受けた際にも砂浜が維持されるかを確認し、委員会に報告する。効果が確保できれば追加工事を行わず事業完了となる。
 委員会では、許容汀線後退量など従来の数値だけにとらわれず、日野川からの土砂供給減少や気候変動、海面上昇を踏まえ、現在の海岸線と背後施設をどう防護するかという長期的な目標を整理する必要性も指摘された。高波浪直後の変化を面的に把握するため、ドローンや航空レーザー測深など新技術の活用を求める声もあった。(2面へ続く)

重要なお知らせ

特別号発行のお知らせ

 平素より格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。本紙は8月10日(月)付で特別号を発行いたします。夏季休業のため、次回の通常号は8月18日(火)付となりますので、何とぞご了承くださいますようお願い申し上げます。

日刊 建設工業新聞

mailお問い合わせフォーム