県企業局/工水の民間活力導入/可能性調査の結果を報告/単独事業ではVFM低調
県企業局は、県営工業用水道事業の経営改善に向け、民間活力の導入可能性を探るPPP/PFI手法(コンセッション方式を含む)のポテンシャル調査の結果を公表。調査では、工業用水道事業単独での導入と、他事業とのバンドリングの両面から検討を行い、現状の課題や導入条件を整理した。
23日の県議会常任委員会で同局が報告した。
単独事業については、管理・更新一体マネジメント方式(更新支援型)を前提に10年間の事業実施を想定したが、鳥取地区および日野川工業用水道事業のいずれも概略VFMはマイナスとなり、PPP/PFI手法による経営改善効果は期待できない結果を示す。また、事業規模が小さく、民間事業者の参入が見込めない可能性も指摘された。
一方で、日野川工業用水道のバイパス管路整備については、設計・施工一括発注(DB方式)や維持管理を含めたDBO方式の導入で、工期短縮やコスト削減が期待できる。
他事業とのバンドリングでは、電気事業や上水道事業との組み合わせを検討。いずれも概略 VFMはプラスとなり、事業規模の拡大による効率化や相乗効果が見込まれる結果となった。特に、上水道事業との連携ではVFM金額が大きくなる試算が示された。しかし、鳥取市、米子市はいずれもコンセッション方式の導入に否定的で、料金値上げへの懸念や事業運営の違いを理由にメリットは乏しいとの見解を示しており、実現可能性は低いと整理されたという。
コンサルタントからは、コンセッションを含むウォーターPPPを導入する場合には、他事業とのバンドリングによる規模拡大や料金水準の見直しが不可欠と指摘。困難な場合は、民間市場調査を通じて参入意向を確認した上で、包括委託など段階的な官民連携手法(レベル1~3)の導入を検討すべきと提案した。さらに、採算性が確保できない場合は直営を基本としつつ、将来的な執行体制の維持に向けた中長期的な体制整備の必要性も示された。
県は今回の調査で明らかになった課題を踏まえ、2026年度に導入可能性調査を実施する。前提条件の整理や事業範囲の設定、民間事業者へのサウンディング、事業スキームの具体化、VFM算定などを行い、本県の実情に即した経営改善策を検討。その結果を踏まえ、PPP/PFI手法の導入について慎重に判断する方針だ。
警備員設計額の改善要望/鳥取市水道施設協議会
鳥取市水道施設協議会(中村佳紀会長)は24日、鳥取市水道局(武田行雄水道事業管理者)と懇談し、交通誘導警備員の設計計上額と実際にかかる費用との乖離(かいり)に改善を求めた。
「設計単価と実行予算が合わない上、計上人数が足りていない」。協議会側は、計上額と警備会社に支払う額との差が負担になっていると訴えた。
これに対し水道局は、「国や県の基準に合わせて計上している。警備員の配置人数に変更が生じれば、協議の上、設計変更で対応したい」と答え、理解を求めた。
指名競争入札では、協議会が指名選定基準を開示するよう要望。市発注工事では、受注した業者が再度の指名が入りにくくなっている一方で、水道局発注工事は受注業者が繰り返して指名されていると指摘した。
水道局は「選定要綱」を公表していると回答。その上で、A級が24社あり、同じ日に複数件発注すれば、指名が重複することもあり得ると説明した。
また、協議会が予定価格の事後公表を求めたのに対し、水道局は「事前公表の希望もあり、両方に答えるのは難しい。市長部局(鳥取市)の状況をみながら判断したい」と答えた。
このほか協議会は、B級案件の工事量確保を要請。水道局は次期格付けでA・B級の発注基準額の見直しも考える意向を示した。
懇談には中村会長や武田水道事業管理者ら12人が出席。武田管理者は年間を通じた発注につながるゼロ債活用について、「来年度以降も続けることを考えていきたい」と述べ、2~3月に発注して春先から着工できるメリットを強調した。
警備員計上額などで意見交換した懇談会(=鳥取市水道局)
県西部環境建築局/26年度A級は6件程度/建築系発注計画固める
県西部環境建築局は、2026年度に発注する主な建築工事の発注計画をまとめた。建築一般A級は、既に公告した県立米子養護学校の外壁改修工事など6件となる見通しで、前年度並み。B級見通しの2件は、春から設計を進める。計画段階のため、いずれもに工事費、工種、等級などが変動する可能性がある。
発注予定工事は、次の通り(月別)。工事名=概算工事費の順。
【建築A級】
※3月
▼県立米子養護学校管理教室棟・中学部棟外壁ほか改修工事=1億7000万円
▼県立皆生養護学校教室1・2棟外壁ほか改修工事=1億1000万円
※4月
▼県営住宅外江団地(58棟)エコ改善工事(建築)=調整中
▼とっとり花回廊エレベーター更新工事(2基)(建築昇降機電気機械)=調整中
※5月
▼消防学校実火災訓練棟工事=1億4000万円
▼県営住宅福原団地外壁屋根断熱改修工事=6000万円
【建築B級】
※8月
▼県営住宅弥生団地3棟外壁屋根断熱改修工事=6000万円
▼県営住宅弥生団地1棟外壁屋根断熱改修工事=6000万円
【防水】
※5月
▼境港総合技術高等学校工業・商業実習棟屋上防水改修工事=9000万円
▼米子白鳳高等学校管理教室棟屋上防水改修工事=5000万円
※8月
▼大山青年の家宿泊棟・生活棟屋根改修工事=2000万円
【建具】
※8月
▼鳥取県立武道館弓道場シャッター改修工事=4000万円
鳥取市/32年めどに工事着手へ/新文化施設の基本構想
鳥取市は24日、新たな文化施設の整備方針を柱とした「新たな文化施設の整備に係る基本構想」を公表した。新施設については、おおむね2031年までに基本計画や実施設計をまとめ、32年以降に工事着手するスケジュールを示したほか、耐震不足が指摘されている福祉文化会館(鳥取市西町2丁目)については、利用停止も視野に関係団体との協議に入る。
昨年発足した有識者会議や市民アンケートの結果を踏まえた内容となっており、新施設は市民交流の促進や伝統文化の継承・発展を重視。300~800席規模のホール機能のほか、交流スペース200平方メートル、展示・イベントスペース600~1000平方メートルを整備する。駐車場については、立地や施設規模に応じて設置を検討していく。
老朽化が進む4施設(▼福祉文化会館▼市民会館▼文化センター▼文化ホール)については、福祉文化会館の利用停止を視野に検討へ。耐震性が不足していることから、今後は廃止や建物・土地の利活用について関係団体と協議に入る。残る3施設については、当面の間は改修工事により利用を継続するものの、将来的な再編や統合を踏まえて検討を進める。
運営手法については、民間の資金やノウハウを活用するDBO方式やPFI手法など、複数の選択肢から基本計画の策定と並行して導入調査する。
今後のスケジュールは、31年までに新施設の実施設計をまとめるほか、既存施設については対応が必要なカ所から設計や改修工事に入る。32年後以降をめどに新施設の整備工事に着手し、36年ごろに完了する計画。直近では社会情勢や公共施設の再配置状況を注視しつつ、基本計画の策定を進める。
設計業務を公募型で公告/日帰り入浴施設整備/三朝町
三朝町が、三朝温泉で計画する日帰り入浴施設の整備事業で、基本設計・実施設計業務を、公募型プロポーザル方式で公告した。4600万円を上限に設定。4月17日まで参加申し込みを受け付け、5月末に優先交渉権者を決める。
同町山田の敷地6823平方メートルに施設を建設する計画。業務の要求水準によると、延床面積1100平方メートルを想定し、入浴機能に加え、飲食機能、情報発信機能、ジム、運動できるスタジオを併設。屋外には広場、屋根付きふわふわドーム、トイレなどを設ける。厚生労働省が定める「温泉利用型健康増進施設(連携型)」の要件を満たすほか、ユニバーサルデザインへの対応などを求める。履行期間は27年3月31日まで。
参加資格は、単独事務所または2者JVで、延床面積1000平方メートル以上の新築建築物で、公衆浴場、寄宿舎、宿泊施設、病院または福祉施設のいずれかの建築設計の管理技術者として従事した実績を持つ技術者を配置できることなど。
参加申し込み後、4月24日に1次審査結果を発表。5月11日まで技術提案書の提出を受け付け、5月中に2次審査(ヒアリング)を実施する。選定審査は、山田修平藤田学院理事長、宮脇儀裕鳥取短期大学教授、原善雄山陰合同銀行倉吉支店長、知久馬宏平三朝温泉観光協会長、山根隆治三朝温泉病院副院長、赤坂英樹三朝町副町長の6人による審査委員会が務める。
契約後は、6月から28年6月にかけ、調査、設計、建設、同年7月に施設を引き渡し、同8月の供用開始を目指す。建築主体工事費について、10億円を想定しているという。
施設整備を巡って町は当初、DBO方式を採用して進めていたが、公募した結果、不調に終わったため、設計・施工の分離発注とする計画に転換。26年度一般会計当初予算案に設計委託費を計上し、3月定例町議会で可決されたことを受け、発注準備に入った。
ホテル運営会社が取得/米子駅南再開発に弾み
JR米子駅(米子市弥生町)駅南広場に隣接し、西日本旅客鉄道(JR西日本)が所有していた土地を、ホテル運営の法華倶楽部(東京都中央区)が取得した。米子市が、建ぺい率などの制限を緩め、従来より高層の建物を建築しやすくする規制緩和を実施した一帯で、駅南再開発に弾みが付くかが注目となる。
土地は、新設された駅南広場北側の約2950平方メートル。JR西日本不動産開発(大阪市)が入札を進めるなど、JR西が利活用に向けた売却手続きを進めていた。
法華倶楽部は、全国でホテル法華クラブ、アルモントホテルのブランドでホテルを展開。中国地方では広島県にホテルを進出させている。
土地の用途地域は、住宅、事務所、商業施設、ホテルなどが建てられる準工業地域。市は、駅南側でのホテル、商業施設建設などの動きに対応するため、建ぺい率60%を80%に、200%の容積率を300%に拡大する規制緩和に踏み切った経緯がある。
駅南地区については、2023年7月に駅南北自由通路が供用され、線路による南北の分断が解消。交通結節点としての機能が強化された一方、駅南再開発が課題として残っている。