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コラム

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みちしるべ

2019-01-22
「低価格入札」には全国のどの発注機関も手を焼いている。なぜ、低価格がいけないか。それは明白。粗悪工事、手抜き工事を招くから▼落札率の基準になる予定価格は、平均的な労務費や資材費などを積み上げる積算により決定される。低価格入札で落札された工事では、建設作業員の賃金や福利厚生を切りつめる▼そうなると、規格や性能が指定されていない資材の品質を落とすことが懸念されると、専門家。結果的に労働災害の発生、質の劣る工事、手抜き工事につながることが危惧される▼公共工事では、談合の疑いの高い落札率が指摘されて以降、一般競争入札の拡大、指名競争入札の指名要件の緩和などが採用された。が、過度の競争を生み採算が採れない価格での落札を招くなど、皮肉な結果にー。(雉)

みちしるべ

2019-01-21
2019年5月1日に30年間続いた「平成」が終わり、新たな元号に変わる。政府は改元する1カ月前の4月1日に新元号を公表し、国民生活への影響を最小限に留める方針だ▼そもそも元号を正式な年号として公的に扱っている国は世界では珍しい。元号の概念は中国から伝わってきたが、現在でも使用されている日本は極めて稀な国。改元が生活に作用するのは日本特有の現象だといえる▼昭和から平成に変わった30年前とは生活環境が一変している。技術の進歩に伴ってシステムの複雑化が進み、専門性が高くなっている現代のインフラ環境を整備するには、過去の経験では対応しきれないだろう▼新元号の公表から施行までの「準備期間」は1カ月。まずは何に備えるのか明確にしておきたい(鶴)

みちしるべ

2019-01-17
取材で国や県の出先機関、市町村を訪ねるが、取材先の対応は様々だ。同じ官庁でも対応する人によって、話してもらえる内容の範囲も全く異なる▼人によっては公告時期、工事内容などが全然話してもらえないこともある。その理由は多種多様だが、納得できるものもあれば、そうでないものもある▼その反面、少しでも多くの業者に入札参加してもらいたいと、工事内容を詳細に教えてくれたり、記事を書いてほしいと、連絡が来るところもある。しかし、そんな人は少ない▼発注機関にはもっと積極的に情報を発信してもらいたい。公告案件について、より詳細に掲載されることで、多くの業者の目にも留まりやすくなる。たくさんの税金をつぎ込む公共事業こそ、多くの人に周知することが重要だと思う。(雛)

みちしるべ

2019-01-16
経済産業省では、地域経済牽引事業の担い手の候補となる地域の中核企業として「地域未来牽引企業」を選定している。17年度に2148社、18年度は12月25日に1543社を追加した▼地域特性を生かし高い付加価値を創出し、地域の事業者に経済的波及効果を及ぼすことで地域の経済成長を力強く牽引する事業を積極展開する、または今後取り組むと期待される企業▼企業情報の指標、自治体や金融機関の推薦に、外部有識者委の検討を加え、県内から66社を選定。建設業からは馬野建設、久大建材、大協組、大和設備、美保テクノス、ミヨシ産業、ヤマタホーム▼経産省はロゴマークの交付、選定企業・支援機関との交流など後押しする。地域経済をリードする企業に期待したい。(鴉)
 

みちしるべ

2019-01-15
1月も半分過ぎたが、仕事が本格的にスタートした先週は、ペースが元に戻るまでに時間がかかった人も多かったのではないか▼正月をゆっくり休めなかった人もたくさんいる。先週初めに、ある県の出先機関で出会ったなじみの業界人は「これから検査」と話し、若い技術者たちと一緒に会場に向かった▼発注者も多忙だ。特に災害復旧工事を多く抱える行政は、国、県、市町を問わず休む間もない。加えてこの時期は、雪も降るし、通常の業務も大変だ。夜遅くまで電気が消えない▼体調を崩してはいないか。インフルエンザを発症すれば、責任者であっても何日間も仕事から離れなくてはいけないから、体調の管理にも神経を使う。今年も色々なことに気を配りながら、あっという間に1月が過ぎる。(鷺)

みちしるべ

2019-01-11
今年の業界団体リーダーの年頭所感を拝読すると、総じて技術者不足と就労者不足だ▼公共事業は今、災害対応を含めた国土強靭化への集中投資や老朽化する社会インフラの改修改善など、建設需要は高まっている。その中でそれを支える人材不足問題の深刻さを訴える。働き方改革や労働環境の整備、処遇改善に向けた建設キャリアアップの推進などの各施策も進むが、その成果はそれ相応の時間を要す。現在の若者が建設業に求める魅力は何か。生きがいややり甲斐の他に、プラス見栄えも求める。一方、企業は業務内容の質を一層高め、生産性をより以上に求めなければならない。業界自体がいかにイノベーションできるかの時代に入っている▼御世を惜しみながら新時代へ幕開けする平成31年は、変革の年になりそうだ。(雀)

みちしるべ

2019-01-10
「人手不足倒産」という言葉を最近よく耳にする。東京商工リサーチによると、人手不足を原因とする国内企業の倒産件数は、2018年1月から11月までで362件に上っており、13年の調査開始以降で過去最多の数字になっているという▼特に顕著なのは、飲食業や介護事業などの「サービス業」。また、職人・技術者の高齢化から「建設業」も深刻な状態となっている▼世間的にあまり知られてはいないが、建設業は、ドローン(UAV)の活用や、無人化施工の話が出てくるなど、最新の技術が使われている。昔と比べて、より効率化していこう、より自動化していこうとする動きが活発だ▼建設業は最先端の産業になりつつあるという認識を、もっと若い人たちに持って欲しいと思う。(鴨)

みちしるべ

2019-01-09
年の瀬にちょっとした寒波による降雪はあったものの、総じて穏やかな年末年始だった山陰地方。「雪が降らなくて本当にいいですね」。年始のあいさつでも思わず口をついて出る▼建設業界にとって、今後の降雪に関する予報も気になるが、今年4月に施行される残業時間に罰則付き上限規則を設ける働き方改革関連法も大いに気がかりだ▼建設業には5年の猶予期間があるとはいうものの、本紙の新年特集でも指摘しているように「5年の猶予は決して長いものではない」▼公共工事に比べ競争原理が働く民間工事が9割以上を占める建築業界は特にそうだ。「どう向き合えばいいのか」。年始のあいさつでもこの話題が出た。経営の根幹にかかわる問題だが、これといった処方箋がないのが実情か。(鶯)

みちしるべ

2019-01-08
好きなもの「・・・懐手して宇宙見物」。物理学者・寺田寅彦は明治11年11月28日の寅年・寅の日に東京で誕生。名随筆家でもある。昭和10年12月没。享年57歳▼科学と文筆の二刀流の寅彦に、次の一文がある。「季節風のない西洋には「春風」も「秋風」もない(中略)。ニヒリズムやマルキシズムが生れても俳句が生れようとは想像されにくい」▼江戸を襲った「安政の大地震」(1855)はM7。死者は2万人を数えた。鉄道も水道も電力網もない時代。科学が発達すれば、被害は想像を絶す、とすでに達観。「3・11」直後、専門家は寅彦に縋った▼13ヵ国語を習得。俳句・絵に加えピアノ・紙切りもという才人。「災害を忘れると寅彦がやってくる」という格言も。今年こそ「寅彦博士に休息」を。(雉)
 

みちしるべ

2018-12-28
今年も残りわずかとなった。きょうが仕事納めになる企業も多いだろう。もっとも除雪を担当している建設業者には、暮れも正月も関係ないと怒られるかもしれないが…▼今年の漢字「災」に象徴されるように豪雨、台風、豪雪、地震など深刻な自然災害が印象に残る1年だった。安全で安心な暮らしを支える建設業者の役割は今後ますます重要になっていくだろう▼本紙では来年1月3日号から掲載される新年特集で、平井伸治知事、石破茂元自民党幹事長をはじめ、多くの方に新年の展望について伺いました。お読みいただけば、建設業界が今後取り組むべき課題が見えてくるはずです。お楽しみに。今年もご愛読ありがとうございました。それでは良いお年をお迎えください。(鷹)
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