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コラム

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みちしるべ

2024-05-23
 全国的に町村議会議員のなり手不足が深刻化している。昨年4月までの4年間の議員選挙では27%が無投票で、定数割れも増えているという▼「住民満足度の高い町政を」―6月4日告示、9日投票の智頭町長選には、現職金児英夫氏のみが名乗りを上げている。かつて現職と反現職で、激しいつばぜり合いを繰り広げてきた「政争の町」にしては、何とも寂しい▼併せて町議の補選(欠員2)もあり、こちらは定数を満たすかどうか。町議は来年の改選で任期1年。しかも、定数は12から10に削減されるというから、補選に意味を見いだす立候補者が乏しいのも当然か▼投票立会人のなり手不足も由々しき事態だ。今回の町長選と町議補選は、全国初の「投票所のオンライン立ち会い」と騒がれているが、それも投票があってこそ。(鷲)

みちしるべ

2024-05-22
 「あの爪で、まともに仕事ができるのか」と誰かのつぶやきを耳にした。言葉が向けられた方を見ると、確かに派手だが業務には支障がないように見えた▼日本では「清潔感」という言葉とイメージにとらわれすぎているように感じることがある。医療業界や飲食業界などはわかるが、建設業界でも、確かに長い爪は安全性に欠ける部分があるかもしれないが、髪を染めたり、化粧をすることなどは悪いことではないように思う。むしろ自分だけの小さな楽しみを持って、楽しく前向きに仕事に取り組めるのなら、それがモチベーションにも繋がると感じる▼女性技術者が増えている建設業界も、決まりを守りながら、自分の気持ちをコントロールできるのなら、日本はもう少し「おしゃれ」に寛容になってもいいのかもしれない。(雛)

みちしるべ

2024-05-20
 立体物や空間にプロジェクターで映像を投影するプロジェクションマッピング。色とりどりの映像が多くの人を魅了する▼ディズニーランドのようなテーマパークのアトラクションに活用されるほか、近年では東京駅など歴史的建造物の演出にも。県内では砂の美術館にある砂像への投影などが挙がり、活用方法は多岐にわたる▼建設業界でいえば、大成建設がプロジェクションマッピングを利用した新たな墨出し技術を開発した。建物の床面に原寸大で図面を投影し、作業員がマーキングすることで工程を短縮。より正確な墨出しが可能になる▼県内でもドローンを使った橋梁点検やICTを使った重機の操縦など最新技術が活躍している。こうした技術をこれからも取り入れていき、業界全体で多くの人を魅了してほしい。(燕)

みちしるべ

2024-05-17
 ずいぶん前の話だ。ある首長が「山間地域は常に災害と隣り合わせ。道路や砂防などの公共事業を進めなければ安心・安全などという言葉を容易に使えない」と訴える声を聞いた▼山間地での防災計画などを取材する時には、この人の言葉を今も思い出す。「地域の人が置かれている状況を理解した上で記事を書いているのか」と言われているようで▼晴れた休日の朝、久しぶりに三朝町と鳥取市を結ぶ佐谷峠に向かった。若葉が芽吹いたこの頃は、峠の景色が1年で最も輝く▼自然を売りにする山の道で、観光客も訪れる。しかし、道路沿いに点在する集落は、雪崩や土砂崩落で孤立する危険も付きまとう。県内には、ここと似た景色の地域が多くある。暮らす人が少ないからといって、見放されては困る。(鷺)

みちしるべ

2024-05-16
 プロ野球公式戦で、平日にデーゲームを設定する球団が増えている。春休み期間中などに組んで家族連れを集め、ナイター開催を超える客数を達成するケースもあるそうだ▼さらに、小学生や中学生の観戦企画や、球場での職場体験プログラムを実施し、競技人口の減少に歯止めをかけようと工夫。寒さが残る時季は、日中の暖かい時間帯が好まれることもあるという。そもそも首都圏に複数球団あり、ナイター開催で競合する環境にある中、一定の集客が確保できるのであれば、節電効果を含めデーゲームは妙案か。まさに「逆転の発想」だ▼業界でも、従来の発想にとらわれず、柔軟な発想がより求められる時代となっている。言易行難だが、業界の常識を疑ってみることも、たまには良いのかもしれない。(鴛)

みちしるべ

2024-05-15
 戦後、新制一橋大学の核となった構想に名を残す歴史学者・上原専禄。謎多き人物だが、近年「忘れられた歴史家」の触れ込みで再評価の目が向けられている▼上原の門弟だった阿部謹也が伝えるところによれば、学生の研究発表を聞いた最後に必ず「それで結局、何がわかったのか」と質したという▼繰り返しのやり取りの中で「わかる」こと自体の正体を見失った阿部が、その意味を師に問うと、上原は「自分が変わること」だと答えた―「わかる」と「かわる」は表裏一体。古くはスピノザに通じる真理観だ▼翻って、人にせよ政治にせよ業界にせよ、何かと変革が求められる現代。しかし何のため、誰のために変わる必要があるのか。まずは「わかる」ことをおろそかにしていないか、考えさせられる。(鵯)

みちしるべ

2024-05-14
 世界に目を向けると様々な家が存在する。気候や伝統、そして地形に沿ったつくりはその国独自の家と言えるだろう▼日本の反対側に位置する南米・ボリビアは寒暖差が大きく標高が高い。家は粘土に藁を混ぜて焼いたレンガや石。高地で木が少なく材木などが手に入らないため、屋根にも同じ素材が使われる。高山地帯で酸素が薄く、空気が乾燥しているため、火事を起こさないレンガ造りが主流となる▼さて、日本の家はどうか。時間と共に家のデザイン、間取りが変化していく。近年ではSNSへの発信は欠かせず、ユニークな外観も存在する▼結婚後、家を建てるのが一般的な日本。男性、女性ではやはり女性の方が強い決定権をもつだろう。要求に応えられるよう今日も男性陣は汗を流す。読者はどうだったのか。(鴎)

みちしるべ

2024-05-13
 世の中、競争には必然的に順位付けがされる。スポーツ、芸術、人気度調査など、順位であふれ返っている▼順位が上だと強いイメージを抱きがちだが、特にスポーツではジャイアントキリングという言葉のように、下剋上も起きやすい。サッカーやラグビーなど、世界相手に日本代表はし烈な争いを繰り広げてきた▼建設業で競争といえば、まさに入札。総合評価入札だと点数が高い業者が、価格競争だと最低価格ギリギリを攻めた業者が落札していく。価格競争は半官半民のような発注者だと、底なしのことも多く、赤字覚悟のし烈な争いになることも▼「予定価格満額で応札してもいいのだから、仕組みを変えればいいのに」という声も聞く。最低ラインを95%以上にしてもいい気がするが、いかがなものか。(隼)

みちしるべ

2024-05-10
 車窓から遠く眺める景色が大きく様変わりしてきた。新緑が山々の色を濃くし、自然の情景から力強い生命力のようなものが伝わってくる▼日々の取材で訪問する役所や企業で、新人らしき面々を見かける。電話の取り次ぎや書類のつくり方を上司に相談する様子を目にすると、過去の自身を思い返す。特に電話対応では相手の要件はおろか、会社名すら聞き取れず冷や汗ものだった。今はどこの職場でも貴重になった「人財」を大切に育てていきたい▼それにしても企業経営を取り巻く環境は厳しいものがある。時間外の上限規制に賃上げ、最近では若手や女性技術者の配置など。どれもこれも、上から押し付けられることばかり▼本当にやらなきゃ、生き残れないの―規制や加点に振り回されっぱなしの経営者に同情を寄せる。(鷲)

みちしるべ

2024-05-09
 最近よく「Z世代」というワードを耳にする。1996年から2012年までに生まれた人を指し、インターネットが普及している中で育ち、まさに新たな時代を担うべき存在といえる▼これまで「団塊の世代」や「ゆとり世代」が名付けられ、団塊は第1次ベビーブームの時期に生まれ、世代人口が非常に多く高度経済成長を支えてきた世代で、ゆとりは生まれた時には就職氷河期を迎えていた。時代背景が違うことが「世代」の特徴を生んでおり、それを名称で区分けしているのだろうが、「世代」で区切ることで、それぞれの時代に生きた人たちを一括りにし、あたかも「別物」のように取り扱っているように感じる▼担い手不足に悩む建設業も、各世代が互いの強みを生かし尊重しあうことが大切なのだろう。(雛)
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