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2021年9月27日
『かもめ』や『桜の園』など、数多くの名作を産んだ作家アントン・チェーホフは「知識は実践されないと価値がない」との言葉を遺した。日々の学びで習得する知識。それらは自らの試行を通して初めて真に理解し、役立てる事が出来る▼先日取材に赴いた県下の教育機関では、工事の設計から施工に至る一連のプロセスに学生達が積極的に関われるようなプロジェクトを打ち立て、実践的な学習に取り組んでいた。授業で学んだ事が実際の現場でいかに活かされているか、身を以て確かめる。自分が当事者となって行う体系的な学びは、より深い理解を与えてくれる筈だ▼指導者は語る。「大切なのは自分で失敗体験を重ねて、精度を高めていく事」。実践と失敗の繰り返しこそが成長への近道と捉え、大きく羽ばたいて欲しい。(梟)
2021年9月22日
インターネット上に発信される情報に、多くの世代の人が右往左往する。話題は大量にあふれて、あっという間に大勢の人へ伝わる。報道は、真実に基づかなければいけないが、このエリアでは裏付けのない話題も多い▼いつからこんな世の中になったのか、と嘆いても仕方がない。この流れに遅れまいと多くの人が思うが、なかなか追いつくことが出来ない▼しかし、正確な情報も瞬時に入手できるから便利だ。ニュース速報、天気予報や道路状況、地図、店舗などを調べる時には欠かせない▼業界も以前と比べて働く環境は変わった。しかし、現場を見る目は昔と一緒だとベテランの技術者。昔ながらの知識は悪くて古臭いことばかりではない。「若い人に伝えることはたくさんある」と誇りを忘れない。(鷺)
2021年9月21日
夏が過ぎつつある。少々五輪の影に隠れたとはいえ、2年ぶりの甲子園で地元校が見せた奮戦は鮮やかな印象を残した▼秋に入ると、今度は「アプリ甲子園」なるコンテストが幕を開ける。実は初開催から10年を数え、17日に今年の一次審査を終了。本家に負けじと中高生が技術やアイデアを競い合う▼若い世代の学習能力は目覚ましい。何通りものプログラム言語を扱い、電子工学や数学にも明るい。しかし「何を作ればいいのかわからない」と、スキルを持て余す若者が多いそうだ。世界最高齢のプログラマー・若宮正子氏は、そうした相談に「誰かの役に立つものを作って」と返すという▼建設の仕事は広く「地域社会のため」と括られることで、手触りを感じにくい面もある。確かに、誰かが喜ぶ姿は何より雄弁だ。(鵯)
2021年9月17日
「胸中の凩(こがらし)咳となりにけり」―平井知事が先日、とある席で引用した芥川龍之介の俳句。100年前のスペイン風邪に2度も感染し、生死の境をさまよった際に詠んだもの。あの文豪も、現在のコロナ禍を見てどうとらえるか▼彼岸花がちょうど咲いているとラジオからの知らせ。自宅近くの田んぼを見回せば静かに花開いている。稲刈りも始まった。今は大型機械が入って一気に刈り取ってしまうものだから、朝と夕とで景色は全く違うものに▼さて、上半期末が近づいた。自民党総裁選では、国民から人気の地元石破衆議院議員が不出馬を表明。「負け戦と分かっていても」と、残念がる声は多い▼それに総裁選によって、凩のころと期待された経済対策はとん挫してしまった。新総裁の下、いつもの年明けの補正スケジュールか。(鷲)
2021年9月16日
秋葉原駅前の周辺がゴーストタウンになりつつあるとインターネットで見かけた。オタクの街として栄え、さまざまなアニメ系グッズを扱う店舗で賑わっていた秋葉原から、多くの大型店舗が撤退し空きビルだらけになっているようだ▼ネット通販が発展したことで、実店舗に直接訪れることの必要性が薄れ、店から客足が遠のきつつあったことが原因の一つに挙げられる▼実店舗がその形式を変えていけば、「ビルや商業施設を誘致する」という駅前開発の方向性も変わっていく可能性がある。かつて電機製品の街として発展した秋葉原は再開発によりアニメの街へと姿を変え、今では高級オフィスビル街へと変化を遂げつつある。現在、総事業費約63億円をかけて再整備を進めている米子駅前も、どのように変貌を遂げるのか目が離せない。(雛)
2021年9月15日
昨今は各地で盛土の緊急点検が進められている。その盛土に関して、このほど鳥取県内で興味深い発見があった▼鳥取市青谷の善田傍示ケ遺跡。ここで露谷川河川改修に伴う発掘調査を行った結果、古代の盛土と側溝跡が見つかったのだ。この盛土は厚み20~30㌢、幅9㍍。周辺の青谷上寺地遺跡などで既に発見されている古代山陰道の道幅と一致することから、この遺跡も山陰道の延長上にあったのではないかと調査が進められている▼盛土の中には石等が混ぜられており、軟弱な地盤の補強を試みた事が窺える。熱海災害の件もあり、こと宅地造成に関して負の印象が付いた盛土だが、工事関係者にとって昔から欠かせない技術である事は間違いない▼時にはこうして後の時代の人々に、遠い過去を探る手掛りをも与えてくれる。(梟)
2021年9月14日
9月も中旬になると日が暮れるのが早くなる。朝だって5時はまだ暗い。日中は暑い日が続くが、朝と晩の空気は涼しくなった▼今年の夏は猛暑の日も多かったが、8月は雨が続いた。日照不足は農作物にとっても深刻。稲穂が色づき稲刈りが近い今年の米の出来はどうか。心配は尽きない▼県内では、7月と8月の豪雨によって多くの地域で被害が発生した。よく利用する道路沿いの法面や路肩が崩落している状況を見ると、自然災害は身近な場所で発生していることを改めて思い知る▼まだ9月。台風や秋雨前線による被害が多く発生する季節だ。今夏に発生した災害の復旧工事に向けて多忙な毎日を過ごす行政や建設コンサルタントが「これ以上の大雨が降らないよう祈るしかない」と空を見上げる。(鷺)
2021年9月13日
各県土が上半期中に開札する業務と工事の公告は大方終わったところだろう。あとは順調に開札されればいいのだが、入札中止となれば再公告の段取りを取らなければならない▼特に違算によるものは影響が大きい。東部では8月中旬から9月上旬にかけて違算での入札中止が相次いだ。受発注者双方、入札スケジュールが崩れるのはもちろん、受注者からすれば落札できたかもしれない案件が、再公告時には受注減点などから落札できなくなる恐れも。また、発注者側でも場合によっては繰り越し措置などが必要になるかもしれない▼先日オンラインで開かれた県建設業協会と県土整備部の懇談でも、入札中止のことが話題に。県土整備部は違算チェック体制の強化などを伝えた▼業界に寄り添った入札となることを切に願う。(隼)
2021年9月9日
未だ出口が見えないパンデミックの中、オンライン会議のような文化はかなり浸透してきた。ただ「Zoom」に代表される二次元的なやり取りに不足を感じる声は根強い▼そうした思いは万国共通のようで、テック大国では進化したサービスが続々生まれている。既に画面上に3Dモデルを投影する仕組みは確立し、プレゼン用途ではもはや現実以上の情報量とか▼物質的な商品の流行にも変化が。欧米では「タイニーハウス」と銘打った超小型住宅の需要が急増した。安いものでは円換算で100万を切り、可動式のものも多いがれっきとした「家」だ▼日々生まれる新たなビジネスの中には、建設業をはじめ労働集約型産業に影響を与えるものも多い。うまく取り入れられれば飛躍的な成長が期待できるはずだ。(鵯)
2021年9月8日
先日、東部技士会と鳥取県土整備事務所の技術交流会を取材して考えさせられたことがある。そこでは災害防除工事をテーマに技術討論が行われた▼技士会の会員は、安全に視点を置いた工法や仮設を含んだ設計の重要性を主張していた。現場の責任者として無事故で工事を終えることを第一に考えているからだろう。施工業者からの指摘は今後の糧にしてほしい▼費用をかければ、より手厚い安全対策を施すことはできる。しかし発注者の立場から見れば過大な仮設費の増額に応じることはできないのも事実だ▼何が本当に必要なものか。それを判断するのが技術力だ。発注者と受注者がよく話し合い、互いの技術研鑽に努めてほしい。発注者も受注者も良いものを安全に作るという目的は同じなのだから。(鷹)
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