コラム

2018年3月1日
「ごみ処理の問題は住民の安心安全、文化的生活の裏側の問題であり、避けては通れない問題。この問題の対処には大きなコストもかかる。少し時間をかけてでも良い選択をしたい」と県西部のごみ処理のあり方検討会が4月発足する▼可燃ごみ処理施設、不燃ごみ処理施設、一般廃棄物の最終処分場それぞれを西部広域で整備して行かなければならないという現実は、まさしく眼前に立ち塞がる巨大な壁だ。可燃、不燃ごみ処理施設の稼働予定は2032年、一般廃棄物の最終処分場は29年稼働目途とされる▼一見してまだ時間がありそうに見えてもそうではない。最終処分場確保にしても環境影響調査など様々な手続きを経て工事実施期間を考えれば最低でも10年は必要とされるのが一般的見方。「少し時間をかけて」の「少し」も限られているのが実態だ。
2018年2月23日
「お客様は神様です」。歌手の故三波春夫さんじゃないけど、「やはりそうなんだよ」。先日、東部地区のある設計事務所の関係者がこうつぶやいた▼県もAランクの建築設計の入札に総合評価方式を導入するが、まだ実施例がないため、どうもまだ「どうなるか」イメージが湧かないようだ▼3月にも入札するビジターセンターの西側拠点整備(鳥取市浜坂)の設計がどうも適用第一号になりそうだが、工事関係の状況を見れば、ぼんやりと結論は見える▼関係者のつぶやきは、総合評価のことではない。最近、あまり耳にしないコンペやプロポのこと。ある一冊の本を読んで、目から鱗が落ちたという。これまで独りよがりで、お客様目線が失われていたと自省する。顧客満足。そうすれば女神がほほ笑むか。
2018年2月21日
20日に予定されていた鳥取市の2件の入札はともに参加者が1社もなく中止となった。土木D級工事のため指名業者数は15社だったが、全社が辞退または欠席した▼鳥取市の入札で中止になるケースは数年前から散見されているが、今年は特に目立つようになっている。昨年12月は4件、1月は9件、2月は20日までに8件が入札中止になっている▼12月以降中止となった21件の内17件が土木D級向け工事だ。災害復旧工事を中心に今年度はまだ土木D級向け工事の発注を控えているが、どうなるかはおよそ見当がつく▼市民の安全・安心を守るためにも災害復旧工事を円滑に進めることは、行政の大切な使命であり、建設業の役割だ。一刻も早く解決策を望みたい。
2018年2月13日
工事発注の平準化は長年に渡り公共工事への依存度の高い地方の建設業界が求めて来たことである▼「気候の良い時期に施工することが、品質の良い成果品に結び付くことは自明の理」とする主張はよく耳にするが、「年度変わりの端境期対策として春先の手持ち工事を確保したい」という本音も見え隠れする▼国や県レベルではゼロ国債工事、ゼロ県債工事が定着した感がある一方で、市町村レベルにそれを求めるのは多少無理がある気もする。そんな中で、地元建設業界の一部から聞かれるのは「繰越明許」を活用した発注平準化の実現を求める声だ▼米子市辺りでも毎年、数億円単位の繰越明許が発生する。その背景には占用案件との調整など様々に理由はあるが、それが実質的に発注平準化の一端を担っているのも事実。要は議会が納得するかどうか…
2018年2月9日
今年の2月も昨年に続いて大雪に見舞われた。昨年は鳥取市で90㌢超、今年は30㌢超。境港市も60㌢超。福井県では記録的な大雪。短時間でのドカ雪にはさすがに気が滅入る。春が待ち通し▼県内経済情勢は2015年4月以降連続で「緩やかに持ち直している」と財務省鳥取財務事務所1月期の景気判断。晴れ間が覗く穏やかな好況感を示す。一方で、「人手不足が拡大」、特に「専門的技能・技術職に広がっている」と▼業界にとって技能・技術者を含む人材不足は受注機会の逸失、技術力の低下につながり、さらには企業存亡の危機にも陥る。緩やかな好況感が続く今、若者層が最優先する確かな休日態勢、長時間労働の是正、安定した賃金確保などの労務環境整備を推し進め、業界が持つ社会貢献性の魅力を今以上に発信していことは、言わずもがな、だ。
2018年2月7日
鳥取労働局によると、2017年(1月~12月)に県内で発生した労働災害(休業4日以上)による死傷者数は466人(死亡4人)。このうち建設業は前年同期比31・8%(21人)増の87人。うち死亡災害は2人で、3年連続の死亡災害ゼロとはならなかった▼建設業の労災発生件数は、長期的に見れば減少しているが、労働者の高齢化、担い手不足による未熟労働者の増加から労働災害が発生する危険性は高まっている▼業界は安全スローガンの掲示、安全「見える化」運動などの取り組みで、日ごろから安全衛生活動を呼びかけている。しかし、今後もさらなる災害防止活動に追われることになる▼労災は企業も労働者もその責任が厳しく問われる。いっそうの意識向上が欠かせない。
2018年2月2日
寒波による水道管の凍結が全国でニュースになっている。鳥取市でも1月12日から15日にかけて82件、24日から29日にかけて71件の水道管凍結・破裂等が発生した▼こうしたトラブルに対応するのは地元の建設業者だ。担当する業者からは「同時に何件も依頼されると手が回らない。昼食抜きで10時まで作業をしたこともある」「宅内配管の場合、個人の負担になるため、料金の請求や集金に手間がかかることもある」など苦労話を伺った▼大災害が発生すれば建設業者の重要性が再認識されることもある。しかし年間を通して、昼夜を問わず小さなトラブルにも対応していることはあまり知られていない。建設業は、こうして日ごろから国民の生活を支えていることを改めて感じた。
2018年1月26日
東京オリンピックという魔物に魅せられたカヌー競技者が競技「仲間」の飲み物に禁止薬物を混入させるという前代未聞の出来事に各マス・メディアはその衝撃の大きさを伝える。カヌー競技という競技種目の普及に関しては仲間であっても、一競技者という立場に立てばライバルという表現に変わる▼スポーツの世界が健全な世界であるはずもなく、綺麗ごとで片づけられないことは、世界各国で無くなることのないドーピング問題がそれを如実に物語っている。勝負の世界は使える手段は…その非情が常識であることを改めて認識すべきか▼約10年前、県内建設業界の変貌ぶり、非情さに「仲間だった者が仲間でなくなり、親友だった者が親友でなくなり、親戚だった者が親戚でなくなった…」との声を本欄で紹介したことを思い出した。
2018年1月23日
業界団体や県などが主催する現場見学会をよく取材する。小学生を対象にした見学会では、現場見学や工事概要の説明だけでなく、構造物の一部にペンキで絵を描くなどのイベントが催されることもある▼児童たちが夢中で好きなキャラクターを描いたり、自分の手形を押したりし、構造物はみるみるうちにカラフルになる。工事が進むに連れて描いた絵は見えなくなるが、その思い出はいつまでも児童たちの記憶に残るに違いない▼関係者は見学会の開催について、「建設業に携わるきっかけのひとつにしてもらいたい」と話す。現場見学は建設業界を知るきっかけとして大きな役割を果たしていると感じる。その先に、建設業に就きたいと思わせるには、違った仕掛けも必要になるのではないか。
2018年1月22日
2015年度下半期に放送された「あさが来た」もそうだったが、NHK朝の連続テレビ小説「わろてんか」をテレビで楽しく拝見している▼このドラマには、「売り手よし、買い手よし、世間よし」。近江商人の「三方よし」の経営哲学がうまく演出されている。「チャリティ」や「地域貢献」。断片的ながら、最近の放映で、こんな場面があった▼槌音が日を追うごとに高まる鳥取市役所の新庁舎新築工事を巡っては、「三方よし」とはならなかった。地元業界には今でも「本当に(積み上げた)適正な価格設定だったのか」。そんな訝る思いが残っているようだ▼地元企業を通じて地元に金が落ちる。そして、地域経済がうまく回る。国の品確法でも唱っている「発注者責任」はどうなのか。そんな思いだろう。
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