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2026年7月7日
机の引き出しを整理していたら、古いワイヤレスイヤホンやモバイルバッテリーが出てきた。処分しようとして手が止まる。「これ、どうやって捨てるんだっけ」▼どれもリチウムイオン電池を使った製品だ。調べてみると、小型家電として扱うものや電池として分別するものなどがあり、思った以上に複雑だった。ごみ処理施設などで火災が相次ぎ、米子市でも分別回収が始まったのも頷ける▼先日取材した業界団体の勉強会でも、同じような「迷い」が話題となった。ナフサ由来資材の設計変更要領を巡り、「養生マットは対象か」「型枠用合板はどうか」といった質問が出た。県担当者は「まずは相談してほしい」と応じた▼整理しようとして初めて見えるものがある。制度もまた、線引きだけでは整理しきれない。その隙間を埋めるのは、現場との対話なのだろう。(鸛)
2026年7月6日
本格的な夏が訪れ、必需品とされるエアコンの商戦が盛り上がっている▼来春に省エネ基準が厳格化され、基準に達していない製品が製造販売できなくなる「2027年問題」。新型の販売価格の上昇が見込まれる対策として、現行品の駆け込み購入が発生。新基準に適合した製品は製造コストがかかるため、値上がりは避けられないという。一方で、省エネ性能が高ければ光熱費は削減できるため、トータルで見れば変わらないとの見方も。それぞれがどう判断するかということか▼基準といえば、国と県の工事成績を巡り、とある意見が。総合評価方式の入札で、それぞれの配置技術者の工事成績が使用できる中、評定の基準に差が見られ、検討が必要ではないかという話。これまた、どう見るかという問題だろう。(鴛)
2026年7月2日
サッカーW杯、日本はまたも世界の壁に阻まれた。健闘を称えつつ、次の関心はフランスやスペインら欧州勢を筆頭とした優勝争いへ▼そのヨーロッパはスタジアムの興奮さながら、記録的な熱波に襲われた。フランスでは千人規模の超過死亡が報告され、パリ周辺は遺体の安置場所まで不足。空調普及率が低く、そもそも住環境が近年ほどの酷暑を想定していない▼世界気象機関は住宅や職場の対策も念頭に、暑さへの「適応」が必要だと説く。越えるべき壁は人の忍耐力の限界ではなく、経済活動への悪影響や、従来のライフスタイルが崩れることへの不安だろう▼暑さに耐えられる人をつくるより、耐えなくてよい環境をつくる―言わば都市の暑熱順化もまた、建設業界に期待される役割ではないか。(鵯)
2026年7月1日
現場で見かける緑色の旗。その色には、「安全を守る」という大切な思いが込められる。緑は自然や安心を象徴する色として、危険を遠ざけ、穏やかで安全な環境をつくるための目印として使われてきた▼「安全第一」という言葉が生まれたのは、今から100年以上前。製鉄業を中心に産業が急速に発展する一方で、労働災害が大きな社会問題となっていた。当時、多くの企業では「生産第一、品質第二、安全第三」という考えだったという▼米国の大手製鉄会社が安全を最優先する方針へ転換すると、品質や生産性が向上。この取り組みから「安全第一」という考え方が広まった▼労働災害の防止に向けて安全意識の向上が図られ、毎年7月には「全国安全週間」が実施されている。今日1日から本週間として、産業界全体で安全活動の定着を目指す。(鴎)
2026年6月30日
自宅周辺の草取りは思いのほか重労働だ。茎が太くなっていれば、一種の格闘である。膝や腰も痛くなるが唯一、良いことは無心になれること。サッカーW杯の行方も気にならない。そうこうしているうちに一年の半分が過ぎる▼一般紙には、新型AI(人工知能)や半導体を取り上げた記事が連日のように躍る。何だか世情の変化に後れを取っているような気がしてくる。考えなくたって時短につながり、楽で効率的と、AIに任せない方がおかしいと、背後から囁かれているような▼建設業は中小が多く、IT(情報技術)の導入が遅れているといった指摘も。しかし、草刈りや除雪をAIが代行してくれるのか。経験値や正確性が必要な作業もある▼この文章だって、実はAIが書いていると疑われるかも。考えることをやめたら、筆を折ると小さな覚悟。(鷲)
2026年6月29日
行政施設に取材に行った時に、「ストップカスハラ」のポスターを見つけた。カスハラ対策は一般企業だけでなく行政でも進んでいる▼カスハラ防止のため、企業などは雇用管理上、必要な措置を講じることが今年10月から義務化される。事業主が必ず講じなくてはならない措置として、事業主の方針の明確化と周知、事後の迅速かつ適切な対応、カスハラの抑止のための措置―などが挙げられている▼「お客さまは神様」という言葉は昔話で、今ではカスハラ対策は組織で働く人を守る上で必須。その一方で対策が仕事の障害になる可能性もあるので、内容は慎重に検討する必要がある▼建設業界も元請け、下請け、施主、施工者など様々な立場があり、いつ当該者になってもおかしくない。各組織においてしっかりと考えていく必要がある。(雛)
2026年6月25日
25年ほど前の話になるが、茨城県つくば市に開設された民間企業の補修工学研究所を訪問。構造物が老朽化して危険になるまでに補修する工法などを研究する最新の施設で、多くの土木技術者に交じって話を聞いた▼問題が発生してから対応する従来の維持管理から危険になる前に補修する発想の大転換が必要なことを研究所で教わった▼その後、構造物を調査して早めに対応するスタイルが一般的になった。ただ、どこの自治体も管理する施設があまりにも多く、様々な問題が絡んで隅々まで手が行き届いているのか▼古いままの場所は多く残る。管理者が維持に大変な思いをしているのは百も承知だが、人口の少ない地域でも生活している人はいる。危険を見逃すような物事の先延ばしが過ぎると、いつの日にか取り返しの付かないことになりかねない。(鷺)
2026年6月24日
まもなく2歳になる娘は、日に日に行動範囲を広げている。成長はうれしいが、親としては目が離せない。歩いていたと思えば突然走り出し、思いもよらない場所へ向かう。子どもの好奇心や行動力は、大人の想像を超えていく▼そんな折、1歳児が踏切内で列車と接触し重傷を負ったという報道に接した。もし我が子だったらと思うと背筋が冷たくなる。記事では、保護者が常に見守り続けることには限界があり、目を離すことを前提に事故を防ぐ環境づくりが重要だと指摘していた▼この考え方は建設現場の安全管理にも通じる。注意を呼び掛けるだけでなく、事故を防ぐ体制整備が欠かせない▼全国安全週間の本週間が近づき、各地で安全大会や研修会が開かれている。職場でも家庭でも、安全への備えを怠らず、悲しい事故を防ぐための想像力を持ち続けたい。(鸛)
2026年6月23日
熱戦が繰り広げられている北中米ワールドカップ。日本代表は1次リーグで勝ち点4とし、グループ最終節へ。勝つか引き分ければ、自力でのリーグ突破が確定し、決勝トーナメント進出が決まるという▼対戦時に気になるのがFIFAランキング。従来は大会終了後に発表されていたが、今大会では暫定ながら各試合の結果が随時反映され、都度順位が変動するのが興味深い。1位はアルゼンチンに。日本はどこまで上げられるか▼ランキングといえば、業界では米子市などで格付けが更新された。各格付けの業者数が増減することで、戦略も変わるだろう。一方で、県を含め、各格付けに対応した発注量と社数は適正なのか。不調・不落の発生原因となりかねないため、あらためて、検討やチェックが必要だろう。(鴛)
2026年6月22日
シェイクスピア戯曲の全訳で知られる小田島雄志氏が世を去った。彼の翻訳で古典の傑作に親しんだ人も多いだろう▼小田島訳の特徴は「上演のための翻訳」に徹した点にある。文意に忠実でありながら、原語の韻律を日本語に移し替え、俳優が声に出した時に生きるよう現代的な口語を用いた。舞台の上で発する言葉は、観客に届いて初めて意味を成す▼建設業界の若手入職者が最初につまずくのが、飛び交う専門用語の数々だとか。しかし一人前の技術者にとっては基礎知識の範疇。安易に敷居を下げれば凡作に落ちるが、玄人好みに偏るのも客離れの元だ▼『この世は舞台、人はみな役者』―彼らは同時に観客でもあり、台詞の異なる同じ台本を携えている。良い公演を志すなら、翻訳の質にも目を配りたい。(鵯)
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