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2026年5月14日
フェルメール・ブルーとしても著名なウルトラマリンの絵の具は、かつて金より高価だった。それもそのはず、アフガニスタンの峻険な山脈でしか採れないラピスラズリを砕き精製していたためだ▼ゆえに色彩は一種の豊かさの象徴と言える。新聞も写真もテレビも、色を扱う技術の進化と普及につれ鮮やかさを増してきた▼モノクロ化されたポテトチップスの包装見本はもうご覧になっただろうか。これもナフサ不足の影響というが、陳列され商品棚の一角を占める様は、強烈な異化効果を生むに違いない▼資材価格に目を向ければ、シンナーは7割、水性塗料も上塗り3割、下塗り2割の原価増。華やかな色彩は再び奢侈品へと近づきつつあるのか―遠い海峡の緊張が、刷毛の先から日常へと静かに染み出している。(鵯)
2026年5月13日
「昭和の家」が人気?―最近では、古民家風住宅や昭和期特有の広い間取りを評価する動きが広がっている。リノベーション事例がSNSで注目され、「古い家も味がある」との見方も増えてきた▼住宅価格や資材費の高騰を背景に、中古住宅市場は拡大傾向。新築より費用を抑えやすく、自分好みに改修できる点が若年層や子育て世帯から支持される▼鳥取県では中古住宅の価値を見える化する「T―HAS」を展開。耐震性や維持管理状況、改修履歴などを評価し、「築年数だけでは分からない価値」を再発見する仕組みだ▼省エネ基準強化やカーボンニュートラルへの対応を背景に、断熱性能向上やZEH化改修などの需要増加も見込まれる。住宅ストック活用が進む中、「建てる」だけでなく、「直して使う」視点への転換が一段と求められそうだ(鴎)
2026年5月12日
休日、鳥取駅前にオープンした串カツ屋を訪れた。鳥大生のアルバイトを含めた若いスタッフ4~5人が注文の受け付けから配膳と大忙し。人手不足が盛んに言われる飲食業だが、ここは活気に満ちていた▼一方で、県は25年度実施の行政監査結果を公表。年間道路維持工事13件に過大積算などの「指摘事項」が見つかった。監査報告書では「土木職員の減少で、住民からの意見、苦情など現場の対応が追い付いておらず、現場が疲弊している印象を強く受ける」と切り込んだ▼退職者を補充しない現業職員の減少も、土木技師に負荷がかかっている要因に挙げる。さらに、現業職員が持つ維持管理技術の伝承も重要だと▼報告書は、デジタル技術を使った業務の効率化などを提案しているが、削った人員を何でもDXでカバーとはいかない。(鷲)
2026年5月11日
「リエゾン」という言葉を聞いたことがあるだろうか。フランス語で、音がつながることを指す。つなぐという意味から、仲介や橋渡しといった使い方をすることも多い▼医療の分野では、身体の疾患と患者の心理面に、「リエゾン」チームが連携して対応することがある。さらに各国の情報収集、もっと言うとスパイの世界でも「連絡係」といった意味合いで使われているという▼国土交通省のTEC―FORCE(緊急災害対策派遣隊)は「リエゾン」の活動を重視しており、「災害対策現地情報連絡員」と定義している。被災した地方公共団体で情報収集し、支援ニーズを把握。地方整備局とのパイプ役となって調整を担う▼官民の間でヒト(技術者や技能者)、モノ(資材)、カネ(工事予算)についての認識が、かい離しているのだろうか。微力ではあるが、情報、メッセージを掲載して、「リエゾン」の役割を意識したい。(雛)
2026年5月1日
ゴールデンウイーク。旅をする人、家で過ごす人、ずっと仕事の人など休める期間や過ごし方は人それぞれだ。穏やかな春の日は少なくなった気がするが、連休の間ぐらいは良い天気が続いてほしい▼4月も終わり、今日は「八十八夜」。古くから使われてきた季節の変わり目を表す言葉で、この頃になると新茶が味わえる日も近づき、季節は一気に夏へと向かう▼そして、梅雨の季節も遠くない。最近は春先の過ごしやすい気候が長続きすることもなく、5月でも気温の高い日が多くなった。毎年のように全国各地で発生する豪雨による災害への備えも欠かせないが、誰もが「ここは大丈夫」だと過信する▼山の若葉が芽吹く。自然の美しさを売り物にする山間地は災害と隣り合わせ。あの場所に暮らす人達の安全を守るための防災対策は十分なのか。(鷺)
2026年4月30日
知人から送られてきたファイルを開いた際、誤って広告をクリックし、海外の健康管理サービスに登録されてしまった。解約しようと思いながらも手続きは煩雑で、課金だけが続いている▼人は対処が必要と分かっていても、手間がかかるものほど先送りにしがちだ。普段目に触れないものであれば、なおさら意識が遠のく▼埼玉県八潮市の道路陥没事故を受けた下水道管路の全国調査結果が公表された。対策が必要な箇所が洗い出される一方、管内が満水で機器が入らないなど、調査困難な場所の存在も浮き彫りとなった▼見えない部分は後回しにされやすいが、放置すればある日突然、思わぬ形で表に出る。すべてを把握することはできない。その前提に立ち、見えない領域にどう向き合うかが問われている。そう考えながらも、きょうもサブスクの請求から目を背けている自分がいる。(鸛)
2026年4月27日
もうすぐゴールデンウィーク。民間調査会社のまとめによると「特に予定はない」と答えた人は41・2%と、前年比4・7ポイント増加。予算の平均は2万7660円で、5%の減という▼新型コロナウイルスの流行を経て、旅行需要が回復した2023年以降、最も低い水準となっており、食品や日用品、交通費などの物価高、円安、中東情勢を踏まえた不確実性などが消費者の慎重姿勢につながっているようだ。「様子見」が多いとされるが、ゆっくり休む機会ともいえる。さて、読者の皆さんの予定は▼業界では、中東情勢悪化の長期化で、資材単価引き上げと供給支障の懸念が大きくなっている。工期の遅れや利益の圧迫に直結。こちらの入荷の「予定はない」では困る。おちおち休んでいられず、頭が痛い。(鴛)
2026年4月24日
最近の生成AIを巡る動きを見ると、機能競争から組織への実装競争に移りつつあるようだ。OpenAIは専門家チームを企業内に送り込む事業を立ち上げ、国内でもソフトバンクがAIエージェント事業で世界展開を狙う▼巷では「AI時代に生き残れるスキルを」と個人の啓発が謳われるが、将来にわたって奪われない仕事など誰も答えを持ち合わせてはいまい▼一つの観点が人間ゆえの心情面。不満を言わず退職もしない機械の台頭で、感情マネジメントのため周囲に労力を強いる人材は、その過大なコストが浮き彫りになってくるという▼つまりはスキル以上に人格を磨くべきとする主張だ。連携や配慮を欠けば優れた技能も生きにくい。飛び抜けた才を競う前に、共に働ける人間かが改めて問われている。(鵯)
2026年4月23日
新年度が始まって約3週間。新入社員が職場や現場の雰囲気に少しずつ慣れてくる時期だ。最初は緊張していた表情にも変化が見え、先輩との会話や作業の中で、小さな手応えを感じ始める頃でもある▼建設業界では、日々の仕事を通じて学ぶことが多い。図面の見方や安全への意識、段取りの大切さなど、一つひとつの経験が力になっていく。その一方で、「分からないことを聞けるかどうか」が、その後の成長を左右するとも言われる▼だからこそ、この時期は周囲の声かけや気配りが重要になる。忙しい中でも「大丈夫か」「困っていないか」といった一言が、新人にとっては大きな支えになる▼人手不足が続く中で、若い力への期待は大きい。新人が少し慣れてきた今、改めて“人を育てる現場”を見つめ直すきっかけにしたい。(鴎)
2026年4月22日
昨春、大卒で民間企業に入った新入社員の昨年6月分の給与額は鳥取県25万2400円。全国平均26万2300円を下回ったものの全国22位に。お隣の島根県は25万1800円で全国25位▼厚労省が2025年賃金構造基本統計調査の結果を公表した。10人以上を雇用する全国5万2242事業所がサンプル。前年の鳥取県は21万9400円で最下位だった▼賃上げ機運が一気に高まった証左か。ぜひ、この流れを建設業界にも取り込みたい。本来、経営者はできるだけ人件費を抑えたいところだが、人材不足を目の当たりにすると、そうは言っていられない▼業界からは政策的に労務単価の上昇をと、望む声が上がっている。毎年の労務費調査の結果を待っているだけでは、周回遅れにならないか。物価高騰とともに対策は急がれる。(鷲)
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