コラム

2022年2月1日
2月―寒い日が続く。休日はセルフスタンドに灯油を買い足しに行くことが多くなった。順番待ちに並んでいる人たちと共に、店頭価格に目をやりため息をつく▼燃料類に限らず、特に建築工事ではあらゆる資材の高騰が目立つ。工期が迫る中「値上げだけならまだしも、納入時期もままならない」と、担当者は顔を曇らせる▼寝耳に水―突然、出てきたのが賃上げ企業への優遇。国交省は4月以降、総合評価に加点するという。中小の企業では1・5%以上の給与アップが要件。賃金の必要性は分かっているけれど…▼そもそも、これまで努力して賃上げしてきた企業と、そうでない企業の区分はどうなるのか。資材と人材確保のコスト増に見合った収益を上げられる環境整備が先ではないか。経営者にとって悩みの種がまた一つ増えた。(鷲)
2022年1月31日
フルハーネス型墜落制止用器具の着用を義務化改正労働安全衛生法の施行から3年が経過し、今年からは従来規格品の販売、着用が禁止となり本格的な運用が開始している▼改正が決まってから、各団体で安全帯の規格についての講習が行われてきた。その中で聞かれるのが、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)だ。どれも命を守る大事な取り組みだが、惰性で取り組んでは意味がない。「慣れ」と「惰性」の違いは意識の有無にあるのではないだろうか。▼これから年度末にかけて、多くの工事が完成する。緊張と責任から心身ともに疲弊してくると危険予知が働きにくくなってしまう。だからこそ、安全に対して意識を持つことに普段から慣れてほしい。そして、全ての工事が無事故で完成することを願う。(雛)
2022年1月28日
先日、自律運航船の実証実験が境港で行われた。航路上の障害物をシステムが感知し、衝突危険性を分析した上で、安全に自動回避する…まさに革新的な技術だ▼この技術の推進には、業界の担い手確保という意図もある。船舶業界では50歳以上の船員が全体の5割を超えており、高齢化・担い手不足―建設業界と同じ課題を抱えている。我々がM(※ルビ:マシン)コントロールを始めとするICT技術の普及を促進している状況と似通っている▼実験に参加した企業は語る。「無人運航は船員の仕事を奪うのではなく、時間的・心理的なゆとりを生み、魅力的な業界を目指すためのもの」―職務に楽しさややりがいを見出す人間ならではの価値観も大切に、人力と機械の協働を果たす―そうした終着点を見据えた上で、ますますの技術発展を期待したい。(梟)
2022年1月27日
採用広報の解禁までひと月。就職活動シーズンに入るが、昨年は3月時点で2割が内定済みだった。ウィズコロナの就活も3期目、一層の選考早期化が懸念される▼人事コンサルが例年、新入社員の意識調査を実施する。19年度卒が企業へ期待する点は「ワークライフバランス」が圧倒的だった。しかし翌20年度卒では「自己成長の実感」「責任・やりがい」が大きく票を伸ばしている▼たった1年で明確な意識差が生まれる今、「〜世代」といった十把一絡げの括りは難しい。事業部制の浸透や人事部署の縮小で希薄になった「個への理解」を見直す必要があるのでは▼業界ではCCUSを筆頭に、個人の評価が仕組みとして確立しつつある。活用に足る組織力開発と並行することで、採用競争を戦う武器にもなりそうだ。(鵯)
2022年1月26日
いつもながら、1月は駆け足で過ぎていく。今月は雪の日が多く、通勤や取材先への移動も苦労することが多い▼自宅のある沿岸部の積雪は今のところ多くはないが、この時期は台風のような強風が吹き荒れる日も多い。雪が降れば視界が極めて悪くなり、運転にはとても神経を使う▼沿岸部とは違い少し山あいに入ると豪雪だ。駐車場の端には消えそうにもない雪の山。2月が近づくが、春はまだ遠い▼山間部は、昨年末から道路の除雪作業が切れ目なく続いている。作業は過酷で危険。それでも熟練のオペレーターは見事な操作で前に進む。この人達は、経験を積んだ技能に誇りを持つ▼表舞台に立つことは少ない人たちだが、地域のインフラを支えるためには昼夜を問わない。感謝の言葉を伝えよう。(鷺)
2022年1月25日
「約14万5000台」―。2020年度末の国内の公衆電話設置数だ。ピーク時の1984年度には約93万5000台あったというから、いかに携帯電話に取って代わられたかが分かる▼数が減っている公衆電話。災害発生時などでは力を発揮する。NTT設置の公衆電話は「優先電話」と同様の扱いを受けているため、通信制限なしで電話をかけられる▼先日のトンガの海底火山噴火では、海底ケーブルが損傷し諸外国との通信が困難になった。ただ、衛星通信などで被害状況は徐々に判明している▼デジタル社会ではバックアップが欠かせない。それにはアナログ時代のやり方も含まれる。建設業でもICTやDX化は進んでいるが、「職人技」も併せて伝承することが業界の真の改革につながるのではないだろうか。(隼)
2022年1月24日
醍醐天皇から「弘法大使」の諡号(しごう)を与えられた空海は、約1200年前の平安時代に真言宗を開き、誰しも一度は耳にしたことのある歴史上の偉人だ▼空海は土木業界にも大きな足跡を残す。生まれ故郷の香川県にある満濃池の災害復旧工事を手掛け名を馳せた。水圧に耐えられる「アーチ型堤防」や築堤時の補強盛土工法も日本で初めて採用し、今につながる土木技術の基礎を築いたという▼中国では紀元前から竹の小枝などを束にして盛土補強が行われていた。空海は真言宗だけでなく、大陸の技術・工法を国内に普及させた▼「弘法筆を選ばず」とあるが、実際、空海は道具へのこだわりが強かった。スキルの修得に積極的な、職人気質の優れた技術者―歴史を紐解けば、偉人の身近な側面も見えてくる。(鴎)
2022年1月20日
地元の中学校が休校する知らせが入った。第六波の只中、五月雨式のルール変更も重なった今年の受験環境は逆風にある▼国内の学力分布は現在、上位と下位に二つの山ができる「ふたこぶらくだ」型。リモート教育や民間試験活用の足早な導入が進む一方、中〜下位層の引き上げがなければ格差は拡大の一途だ▼学力ほどの谷はないが、工事成績点数の分布も似た線を辿る。昨年1年間の統計を取ったところ、79点と82点に山ができた▼点数の上限設定が見え始めた今、あと一歩を引き上げる指導体制の構築も議論の芽が出てくるのでは。逆に安定して高いポテンシャルを誇る企業には、別途披露の場を用意するべきか。「良いものを作りたい思いは皆同じ」―ベストとは言わずとも、ベターな落とし所を探っていきたい。(鵯)
2022年1月19日
天気予報にまた雪マークが…県東部でも、それも郡部に暮らしていると雪の多さにうんざりする▼早朝に雪かきしていると、雪をかき分け大股で歩いてやって来た新聞配達の人が「(建設)業者が減って、除雪する人も高齢化して中々いないから」と、行き届かない除雪に不満を漏らした。業界の課題は一般の人からも知られている▼雇用に苦労する経営者は多い。「募集しても来ないし、たまに面接すれば『責任のない部署がいい』って言う。責任はやりがいに通じると思うが」と嘆いた。春秋に富んだ若者をどう業界に呼び込むか▼いま、現場で働く若い人からヒントが得られるかもしれない。ニーズを丁寧にくみ取って入職者の増加につなげる。賃金や休日確保のほかにも、何かできることはないか。取材を通して橋渡し役の一助となれば。(鷲)
2022年1月18日
紙ほど有用性に優れた文明の利器があっただろうか。本、書類、機密文書、果たし状・・・。文明史上、あらゆる場面で紙は人間社会の営みを支えてきた。そんな存在がデジタルに取って代わられる危機に▼電子媒体のニーズは確かに強力だ。弊紙も「電子版」を既に展開中で、日々の入札予定や結果、記事などをインターネット環境があればいつでも、どこでも見ることができる。新型コロナウイルス感染症対策のリモートワーク普及で、電子媒体のニーズがより高まっている▼しかし、読みやすさから従来の紙媒体に回帰する動きも見られており、結局、情報の質が良ければ媒体形式は問わないということか。言い換えれば、質をおろそかにすれば双方の読者を失う。だからこそ、大切なのは紙もウェブも。(雛)
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