コラム

2025年12月19日
 ニュース記事などで〇〇疲れがよく使われる。賃上げやDX、働き方改革など―「〇〇」に入る言葉は企業そして個人によって違うだろう▼2025年では中小企業を中心に「賃上げ疲れ」がトレンドだ。物価高や人件費高騰に対応するため賃上げを進めるも、収益が追いつかず限界を感じる企業が増えている。現に賃上げを実施する企業の割合が2年連続で低下している▼業界では、インフラの老朽化対策や国土強靭化により今後もインフラの投資は進んでいく。その一方で深刻な人手不足や資材高騰、働き方改革、デジタル化など生産性向上が求められる環境で、様々な疲れがあるのではないか▼今年も残すところ10日余りに。「○○疲れ」を振り返ることは業務の効率化や改善、従業員の成長に繋がる重要な要素である(鴎)
2025年12月18日
 高嶺の花とされる、年収1千万円以上の人は320万人もいるそうだ。2024年分の国税庁「民間給与実態統計調査」によれば、1年を通じて勤務した給与所得者は5137万人。うち1千万円超が占める割合は6・2%だった▼賃上げの傾向が表れている。平均給与478万円は、4年連続の増加となり過去最高。業種別では「電気・ガス・熱供給・水道」が832万円と最も高く、次いで「金融業・保険業」702万円。「建設業」は565万円と5番目で、「製造業」567万円とほぼ肩を並べる▼県内建設業の実態はどうか。労務単価にせよ、全国から大きく引き離されている状況が続く▼普通作業員1万7900円は、身近な但馬地方が属する兵庫県の2万3500円とかなりの差がある。人材を奪い合う相手は、他産業ばかりではない。(鷲)
2025年12月17日
 無駄を無くし価格を下げる。物価高の中で、こうしたサービスの人気は根強い。1000円カット、ネット型保険や各種セルフサービスなど▼サービスは無形で品質も変動する。顧客のためになるサービスであれば、現場スタッフの裁量で一定金額を使うことを許されているという有名ホテルの話がある。特別なサービスを受けたと顧客の満足度が上がり、並行して「良い仕事ができた」という従業員の働きがいにもつながっている。最終的に利益になるという良い循環だが、仮にそれで顧客のコストが上がったら、「1円でも安く」という考えからは対極にある▼国土交通省が総合評価方式の技術提案型SI型の試行を開始した。SⅠ型では、入札金額に関係ない技術向上提案を求める。つまり、サービスを競うことに。全ての工事で行うのは現実的でないが、副次的な効果として、携わる人たちのやりがいになるか。(雛)
2025年12月15日
 「熊」による人的な被害が相次ぎ「まさに、非常事態」。人が多く暮らす市街地にあるショッピングセンターにまで入った、と聞くから恐ろしい。里山が荒れ、耕作を放棄した農地も多い。餌が減り、必然的に人里に向かうのはイノシシやシカだけだはなく、熊も一緒だ▼「国の国民に対する愛情の尺度は防災に対する考え方だ」。若い頃に取材した講演でこの言葉を聞いたことを思い出す。人が減り続ける地方にとって、防災対策を含むインフラの充実こそ、村から灯が消えない最低条件だろう▼荒れた山林は熊などの餌が減るだけではなく、自然災害も拡大する。河川や道路などと同様に山の整備にも力を入れるべきだ▼公共事業は人の少ない地域への応援を惜しんでは困る。考え抜いたハードとソフト面の対策で暮らす人達に安心を与えてほしい。(鷺)
2025年12月12日
 学生時代、第二外国語の学習に熱を入れていた。覚えたての拙い言葉でも、相手の母語で話すと表情がほころび、英語を介さない会話は心の距離を一気に縮めてくれた記憶がある▼その「母語の力」が、いよいよ技術で再現されようとしている。「日経トレンディ」の2026年ヒット予測1位は、多言語リアルタイム翻訳。1秒で会話を他言語に変換し、声の抑揚まで反映する「ほんやくコンニャク」さながらの仕組みが実用段階に入ったという▼人手不足が深刻さを増す中、建設業界でも外国人材の活用が広がる。日本語を覚えてもらう努力は欠かせないが、母語で思いを伝えられる環境は、安全確認でも人間関係づくりでも大きな助けになりそうだ▼バベルの塔以来の分断に、小さな希望が生まれつつある。言葉が再び人を近づける日は、案外近いのかもしれない。(鸛)
2025年12月11日
 今年の漢字が、あした発表される。一年の世相を表す漢字一字を全国から募集し、京都・清水寺で揮毫する年末の風物詩。前年は、パリ五輪・パラリンピックでの日本人選手の活躍、佐渡の金山の世界遺産登録などを踏まえ「金」だった▼巷間、今年有力とされているのが「米」。異常気象に伴う米不足、米国との関税交渉、米国での日本人野球選手の活躍と、誰もが納得しそうな理由。他に、被害が絶えない「熊」や、大阪・関西万博の「博」などが候補に。「高」も、物価高や株高、女性初の首相となった高市早苗氏の存在から、挙がっている▼業界では「高」か。資材価格や人件費の高騰に依然として悩まされている。「楽」や「安」になるとよいが、なかなかそうもいかない。(鴛)
2025年12月10日
 夢を持て、挑戦しろ―そんな期待がいつしか重圧に変わり、若年層の間で「ドリームハラスメント」という言葉が静かに広がっている▼また新しい「○○ハラ」かと辟易されるかもしれないが、発端は平成中期まで遡る。キャリア教育の導入に際し、人生や仕事の核となる「夢」の存在が強く謳われるようになった▼持てと言われて持てるほど軽くはない。かつ大人達が求めるのは私的な願望ではなく、あくまで生産活動に資する目標。夢の有無で二極化し、公私の間で揺れ続けた世代が社会に出る今、ついに顕在化してきた問いと言える▼これから建設業界が迎える人々も、壮大な夢を抱く者ばかりではない。完成図が無いのなら目の前の一歩から。手を動かしているうちに、次第に立ち上がってくる姿があるはずだ。(鵯)
2025年12月8日
 小さいころ、何か悪さをすると「罰が当たるよ」など言われ叱られたものだ。そんなわけないと思っていると、怪我したり風邪を引いたりする。注意散漫になっているのが要因だろうが、子どもの身分ではいかにも罰が当たったように感じていた▼なにも子どもに限った話ではなく、大人でも注意力が散漫な状態では当然、自分の身に何かしら影響が出る▼逆に良いことをしているのもプラスの影響をもたらす。ある業者の代表は若いころに「後ろ姿が輝く人になりなさい」と言われたそうだ。その言葉を胸に、誠実に仕事をこなしてきたことで、今でも昔の縁がきっかけの仕事があるという▼継続するのはなかなか難しいが、誠実な行動が後々の自分にプラスとなることを肝に銘じて、日々の業務に励んでいかなければと襟を正す。(隼)
2025年12月5日
 人生にかかるお金の1つが住宅資金。近年の建築費高騰を受け、2024年の全国平均で過去最高を記録。住宅を建てたいという若者は今後悩むであろう▼「賃貸vs購入」―将来の住まいを検討する若者がローンを組んで資産形成する方が合理的だと判断する傾向が以前よりも早まっている。さらにはデザイン性よりも、実用的なものを重視するとしコストパフォーマンス中心に考える▼平屋建て住宅の占める割合は、過去10年で約2倍に増加。そのほか、中古住宅の売買やリノベーションも主要になりつつある。こうした現代特有のライフスタイルの変化などで住宅市場は変わりつつある▼人口減少いう背景から、住宅の着工戸数は長期的に減少が続くと予測される。市場の変化に対応するための構造転換や、リフォーム、DX化が鍵になるだろう。(鴎)
2025年12月4日
 子供のころ、遊ぶ場所に事足りぬことはなかった。雑木林でクワガタを捕まえたり、栗を拾ったり。ため池でフナやコイを釣り、泥んこになってザリガニを取ったりと。また、空き地を見つけては野球をやったことも▼近ごろの子供はどこで遊んでいるのだろう。以前、ニュースで公園から砂場が消えたと話題になったが、公園そのものが少なくなったような気がする▼ある県東部の若い町会議員が「親子連れで楽しめる公園を造りたい」と語っていた。「外で遊ぶ場所もなく、何が子育て環境の整備か」と。外に出て、五感を使って遊びまわることは教育上にも良いことだと思う。なにより、その経験は思い出として後の財産になる▼小学校の砂場にジョウロを持ち出し、砂を固めてダムを造り、腕まくりしてトンネルを掘ったころが懐かしい。(鷲)
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