コラム

2026年1月16日
 旧暦では冬至を境に本格的な冬が始まる。1月20日頃から差し掛かる「大寒」は二十四節気の最後に置かれ、来る春を待つための仕込みと清めの時だ▼節目は本来そうした準備を重ねて迎えるものだけに、突如「解散」の二文字が駆け抜けた永田町の動揺はいかばかりか。風下に立つ公共事業の受発注者にとっても、予算審議の停滞や発注時期の不透明化は頭の痛い話だろう▼しかし政策より政局が争点となる今回の喧騒を、大衆はやや遠巻きに眺めているようだ。どれほど旗印を掲げようと、やはり足下の雪が解けなければ踏み出せないもの▼太陰暦にあっては、冬の底を経て日差しが力を取り戻していく日々を「一陽来復」と言い習わした。現場で動かす手元にまで熱を届ける、真っ当な春の到来を望む。(鵯)
2026年1月15日
 先週末は寒気が流れ込み、日本海側の各地で雪模様となった。鳥取も雪が積もり、除雪作業に追われた人も多かったのではないだろうか。ドカ雪ではなく適度な量で降ってもらいたいものだ▼冬場は受験シーズンでもある。県内でも私立高校の入試が始まっている。一方、県立高校入試は3月だが、心配なのは実業高校の定員割れ。特に東部の鳥取工業などでその傾向が顕著で、昨年3月の入試では大幅な定員割れが見られた。今年はどうなるかまだ分からないが、定員割れの状況は続くだろう▼業界では従来、実業高校から募っていた人材を普通科高校にも広げるなど人材確保のために様々な工夫を施す▼業界も以前に比べれば働きやすい環境になっているはず。今は辛抱の時期かもしれないが、春の来ない冬はないと願いたい。(隼)
2026年1月13日
 今日14日は「タロとジロの日」。南極という極限環境で生き抜いた2頭の樺太犬の功績を伝える記念日である▼1956年11月、タロとジロを含む樺太犬22頭が日本の南極観測隊に同行。置き去りにされるも1959年の今日、約1年後に再会を果たした。2頭の生存が確認される姿は、互いを頼り生き抜いた奇跡的な光景だった▼その姿は厳しい条件下で仕事を続ける建設現場と重なる部分がある。寒さや天候、工程管理など多くの課題を抱える現場では防寒具を重ね、工具を握る手がかじかむ中でも作業は続く。職人、技術者、管理者が連携し現場を支えている▼2頭が示したのは、諦めない姿勢と仲間を思う力。日々の安全確認を怠らず、確実な施工を積み重ねる姿勢が、建設業の信頼を支えている。(鴎)
2026年1月9日
 年末年始の休暇が終わり、いつもの毎日が戻った。雪の日も多く、除雪に出動したみなさんだけではなく、取材先では災害の恐れのある山腹の監視が続き、くつろぐ時間は少しもない。正月の過ごし方は人それぞれだった▼1月もこの頃になると受験勉強も追い込み。本人だけではなく家族の気遣いも大変だろう。建設業界も同じだ。寒さと雪はこれからが本番。完成検査の時期を控えて気が抜けない毎日が続く。スタッフの体調管理に気を配りながら現場は仕上げの段階に入る▼業界団体の新年祝賀会も本格化している。トップや来賓からは今年を探るどのような言葉が出てくるのか聞きたい▼新年早々の地震。見えない自然災害の脅威にさらされ、どこに暮らしていても安心できないことを思い知る。少しでも明るい陽ざしを感じる一年になればと願う。(鷺)
2026年1月8日
 一富士二タカ三ナスビ―。ご存じの通り、初夢に見ると縁起が良いとされているものを順に並べた言葉。諸説あるようだが富士は「不死」や「無事」、タカは「高い」、ナスビは「成す」に掛けて縁起が良いとされている▼初夢のタイミングは、大みそかから元日にかけてか。元日から2日にかけてだろうか。新年を迎えてから最初に見たものか。何日も夢を見なかった場合は、いつまで初夢にカウントしてよいのか。など疑問はあるが、さまざまな考え方があり、明確な決まりはないらしい。これが「初夢」と自身で認定したものが初夢だとも言える▼皆さんの夢は何か。工事を事故なく無事(富士)に完成させる、業績を高(タカ)める、嫌いなナスビを克服する―それぞれの夢の大きい小さいはあれど、今年中にその一つでも叶えられるような年にしてもらいたい。(雛)
2026年1月7日
 今年は世界的なスポーツイベントが目白押し。2月にはミラノ・コルティナ冬季五輪、3月にワールドベースボールクラシック(WBC)、そして6月はサッカーW杯…トップアスリートたちがしのぎを削る熱戦が待ち遠しい▼建設業界の今年一年はどのような年になるか。少子高齢化によって人手不足が慢性化。そろそろ労働集約型の産業構造を改めなくてはならない。遅れているIT(情報技術)の導入も急がれよう▼社会に広まるAI(人工知能)は、問いかけに応じてくれるだけにとどまらず、自ら考え行動する代物になりつつあるという。肩ひじ張って身構えるのではなく、新技術を少しずつ取り入れていきたい▼変化を恐れず、新しい挑戦に踏み出す午年。馬車馬のごとく「働いて、働いて、働いて…」よりも、「無事これ名馬」で気軽に。(鷲)
2025年12月26日
 年の瀬を告げる名物行事「干支の引継ぎ式」が、各地で行われている。きょうは大阪の通天閣であり、今年の干支の巳と、来年の午が対面。幸福と繁栄を願う縁起行事で、干支に引っかけた「口上」がおなじみ。双方の「口上人」が世相を盛り込み、1年の反省と来年の抱負を談話形式で語り合う▼今年は女性初の首相が誕生し、歴史的な転換点を迎えた。来年は米中間選挙が予定され、影響に関心が向く。相場格言は、株価が下落に転じやすい「午尻下がり」。経済の行方も気になるところ。丙午(ひのえうま)の年で、情熱や行動力を象徴する年とされる▼業界での引継ぎといえば、事業承継や技術の継承といったところか。強いエネルギーを持った、新たな経営者や若手技術者が誕生すると、活気づく。(鴛)
2025年12月25日
 クリスマスになると、決まって思い出す短編がある。O・ヘンリの「賢者の贈り物」だ。互いを思うあまり、最も大切なものを手放した若い夫婦の物語である▼夫は妻の髪飾りのために懐中時計を売り、妻は夫の時計に添える鎖を買うため、長い髪を切って金に替えた。贈り物は、その瞬間には使えなくなった。それでも二人は「賢者」だった。損得や有益か無益かという尺度を超え、相手を思う行為そのものが「価値」だったからだ▼世の中には、すぐに成果が見えず、後になって意味が分かる判断もある▼建設の仕事にも、そんな場面がある。省けると分かっていても省かず、大丈夫だと思えても、もう一度確かめる。図面や工程表には残らない判断が、誰かの当たり前の日常を支えている。その積み重ねこそが、社会に手渡される本当の贈り物なのだろう。(鸛)
2025年12月24日
 今日はクリスマス・イブ。フィンランド出身のイメージがあるサンタクロースだが、国際サンタ協会の本拠地はデンマークに所在。家と事務所のようなものか▼そのデンマークは近年、短時間労働と高生産性の両立で注目を集めている。週平均37時間労働ながら1人当たりGDPは世界9位、幸福度ランクもトップ常連だ▼産業の新陳代謝が激しく倒産や失業も多いが、高い税率と引き換えの手厚い社会福祉で路頭に迷うことはない。無償の教育で労働者の質を高め、人口構成で変動する定年、長時間労働の排除などで、老若男女を取りこぼさず活躍させる仕組みを整えているという▼是非を問う話ではないが、「もうひと踏ん張り」と明かりが灯る現場に考えさせられるものはある。やはりサンタも定時で帰るのだろうか。(鵯)
2025年12月22日
 この時期の鳥取にしては晴天の日が多い気がする今年の冬。年末のせわしなさを感じさせない陽気で、どことなく時間がゆっくり流れているように感じる。どんよりした空模様が続くより、こういう年末のほうが心身ともに意外と良いのかもしれない▼気象庁の1カ月予報では年末に西日本へ寒気が流れ込むというが、気温は平年並みか高めとのこと。昨シーズンに比べると降雪は少ないと見ていいのか▼ただ、除雪を請け負う業者にとって、暖冬傾向はある意味死活問題とも言えるだろう。除雪費は出動回数に応じての支払い。予定していた回数より少なければ減額となってしまう。自然相手の業務ゆえ仕方ない部分でもあるが▼やはり鳥取の冬といえば雪がセット。まとめて降るドカ雪ではなく、程よく雪が降ってほしいものだ。(隼)
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