コラム

2022年8月4日
多くの人の前でうまく話す若い人が増えてきた。日々の取材でこの人達の話を聞くこともあるが、わかりやすい語り方は仕事への自信も感じる▼スポーツ競技の試合終了後、インタビューに答える選手の声を聞くこともテレビ観戦の楽しみだ。高校生でもテレビカメラの前でうまく話をまとめるし、時には印象に残る言葉もある▼近ごろは、プレゼンテーション能力の向上も目的にした民間技術者の社内発表会や子供相手の現場見学会にも多くの若手が参加する。短い時間で内容を的確に伝えることが日々の業務では求められるから、話し方の練習の場としては最適だろう▼難しい質問には取り繕うこともなく、今のレベルも心得ている。さらなるステップを目指すこの人達に先輩方の後押しが欠かせない。(鷺)
2022年8月3日
ふるさと納税の2021年度の総額が8302億円となり、過去最高を更新した。寄付額のうち、2000円を超える分が住民税や所得税から控除され、返礼品が受け取れる仕組みで、新型コロナ禍に伴う巣ごもり需要が要因という。最多は北海道紋別市で152億円。宮崎県都城市、北海道根室市と続き、海産物や肉が人気の自治体が目立った▼ふるさと納税は企業版も創設され、税額控除の拡充が図られた。返礼品が主眼ではなく、地域貢献したいという個人、企業は少なくない▼自治体は用途を指定し、募ることができ、財政状況が厳しい中、ハード整備につなげようという動きも。制度に関心が集まる一方で、教育施設や公園整備、道路整備などに使い道を定め、新たな投資に結び付けるアイデア勝負も楽しみだ。(鴛)
2022年8月1日
ベートーヴェン作曲の交響曲第5番といえば「運命」を象徴する冒頭のフレーズが有名だが、指揮者泣かせの難曲でも知られる▼譜面上は一拍目が8分休符で、「無音」の指揮から始まる。指揮棒の動きだけで次の音を導き出すため、異様な緊張感が漂う▼そして選択したテンポを伝えるのが難しい。基本は4分の2拍子だが、大抵の指揮者は一息に、速く重く振り出す。初めこそ勢いで乗り切れるものの、2回のフェルマータを経てすぐにテンポが揺れ動く。古典音楽ではほかにもスラーやブレスなど、指揮者が絶え間なく示す選択の積み重ねが公演の成否を分ける▼建設工事はしばしば、ゼネコンや元請けが指揮するオーケストラに例えられる。各種表彰は指揮者のリーダーシップに職人が技量で応えた、まさに「名演」だ。(鵯)
2022年7月29日
昨年の出生数は約81万人と過去最少を更新した。100万人割れは2016年以降続いている。生まれてから一度も好景気を経験していない我々20代からすると、金銭面で独身か夫婦のみの選択をする人が多いのだろう。ただ、子どもが減ることは将来の担い手が減ることにもつながる▼先日、県と町の懇談を取材した際、土木技師不足が話に上がった。なんでも、町の採用試験で土木技師の応募がなかったそうだ。県の採用試験も定員割れだったという。民間でも同様の状況の業者もあれば、毎年採用している業者もある▼建設業の魅力を子どもたちに伝えるイベントを取材すると、子どもたちが楽しんでいるようすが伺える。親世代向けにもイベントを開き、魅力を伝えていけば状況打破につながるのではないだろうか。(隼)
2022年7月28日
とある会社の営業部に訪問した際、担当者が席を外していた。「外出していますか」と尋ねると、「誕生日会をしています」と返答。どうやら、グループ全体の伝統だという。社員1人、1人を祝うことは素敵なことだと感じた▼伝統は、継承しないと生まれない。様々な分野で伝統が存在するが、木造建築で「伝統構法」がある。その一つの要素である木組みは、神社仏閣などを建築する宮大工の技術。耐震性などに優れ、地震大国ならではの技術である。一般住宅で取り入れられたのは江戸時代からだった▼明治時代には西洋建築学が入り、金物などを使用する「在来工法」が主流に。しかし、今でも伝統構法は継承される▼いつの日か、在来工法も伝統工法の一つだと言われる日がくるかもしれない。(鴎)
2022年7月27日
7月も終わりに近づく。夏休みが始まり、天候も回復して夏本番を迎えた。テレビ中継された世界陸上オレゴンが閉幕。男子競歩や男子百㍍、女子やり投と日本人選手が活躍。また、女子四百㍍障害の世界記録は圧巻だった▼余談だが、選手たちが手にしていた紙パックがネット上で話題に。中身は水だとか。ペットボトルからの脱プラは進んでいる▼記録と言えば、業界では工事成績の93点が反響を呼んでいる。見方はいろいろある。実際に現場は良く仕上がっていたと聞くし、無論、付いた点数に異を唱える者ではない。ただ、「目指そうとも思わないし、(高すぎて)目指してもできない」(鳥取の建設業者)との声は本音だろう▼平均点も上昇傾向が続く。今後の入札にどう影響してくるのか。工事成績評定のあり方、このままでいいのか。(鷲)
2022年7月26日
値上げの連鎖が止まらない。ついには1本10円でお馴染みの「うまい棒」も、1979年の発売から40年以上が経過して初の値上げをした。原因としてはやはり、原材料の高騰とのことだ▼これらに対して政府は「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」を急いでいる。また、建設業界でも、資材価格の高騰から工事の受注にも影響が出ている。政府は、資材価格を反映した請負代金の設定や、適切な工期確保を公共発注者に対して周知を図り対応している▼県内でも、倉吉市で建設中の県立美術館や鳥取市の市民体育館などの大型工事で、資材価格高騰により工事費を増額した。今後、適正な価格設定がなされなければ、入札不調、不落となり、着工時期が遅れ、さらなる影響も出かねない。少しでも早い対策が求められる。(雛)
2022年7月25日
今の時代、新たな道路整備の事業化をただ要望するだけではことが進まない。安全対策は最優先だが、沿線の地域が掲げる観光や産業などのビジョンを支える具体的な道路計画を示さなければいけない▼県の東部地区には途中で行き止まりの県道が多くある。山間部に入ると地形が厳しいこともあるが、計画はずっと前から何も進んでいない▼県道の名前は県境をまたぐが、今や整備を検討するという表現さえ出てこない道路もあり、実現に向けた知恵を絞らなければ▼地域からの要望は、大型事業だけではない。修繕、除雪といった生活関連の項目もたくさんある。山間地の集落を抱えて高齢化が進む市町にとって、インフラの整備は欠かせない。こうした地域を支援する事業に行政の暖かさを見たい。(鷺)
2022年7月22日
日本最大の競走馬セリ市「セレクトセール」は今年、落札総額が約257億円と過去最高を更新した。主役だったディープインパクト産駒不在で迎えたが、競馬人気や新興馬主の積極応札による売買が要因。ウクライナ情勢の悪化や物価高が国内経済に影響を与える中、景気の良い話題となった。来年は大山ヒルズで育ったコントレイル産駒が上場される見通しで、楽しみだ▼売買といえば、後継者不足などを理由にしたM&Aが近年目立つ。建設業も例外ではなく、県西部だけでも今春から土木、建築、電気工事、管工事、建築資材と相次いだ▼競馬の世界では、レースの勝敗を分けるのは馬の力7割、騎手3割との格言があるが、M&Aでは割合はともかく、事業継続、雇用確保の観点から、協力して再編後の発展を目指してほしい(鴛)
2022年7月21日
5月以来の連休、各地で「3年ぶり」と冠した催事が散見されるも、国内観光産業の完全復活は未だ遠い。対して海の向こうでは、一足先に少々違った形で息を吹き返しているようだ▼民泊仲介を手掛けるAirbnbは対19年比で、売上・予約総額とも8割増の驚異的成長を遂げた。驚くべきは全利用者の2割が「28泊以上」の長期宿泊を希望している点。拠点を転々としつつ観光も仕事も生活もこなす「ノマド」的なスタイルは、かなり民主化が進んできたと見える▼潮流に乗れば地域経済へのリターンが期待でき、県下自治体事業の一部にもそうした狙いが垣間見える。しかし長期滞在は言わば、その土地で日常を暮らすことだ。観光目線の非日常的な魅力以上に、生活に根差した利便性を整える必要があるだろう。(鵯)
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