コラム

2022年6月9日
じめじめとした、うっとうしい気候がこれから続く。雨も農作物に影響が出ない程度に。今風に言えば「いい感じ」で降ってくれればいいのだが▼「最近の工事成績が、また良くなっていない?」―本紙掲載の成績表では、確かに80点台後半の現場がよく目につく。それも、特定の会社に偏っているような▼業界の関心ごとの一つ優良工事は、県が選定方法を見直す検討に入った。土木に比べて建築の評定が低いといった声から、営繕部門の創設がすでに内定。あとは建設業協会が昨年度、要望した「一律85点以上は全て優良工事に」への対応だ▼前年度を例にすると、85点以上は100件近くに上り、さすがに多すぎる。公平性とともに、技術者のモチベーション維持に結び付く選定法はないものか。「いい感じ」のラインはどこに。(鷲)
2022年6月8日
全国の市町村では地域活性化に向け、様々な取り組みを進めている。集客施設を整備している市町村もあるが、なかなか集客に結び付いていない施設も多い▼以前テレビで、地域の活性化を図ることを目的に整備した公共施設が、税金の無駄遣いという表現で取り上げられていた。その施設は訪れる観光客も少なく閑散としているとのことだった。施設が老朽化し、取り壊すか建て替えるかは頭を悩ませる問題だが、地域のシンボルとして新しい施設を期待する住民も多い。集客できる施設にするために、積極的にプロモーションを仕掛け、収益を上げることが重要▼全国には潜在的な魅力を発揮できずにいる集客施設も少なからずあるだろうが、今ある施設も含め、これからできる施設も今一度プロモーションについて考えてほしい。(雛)
2022年6月7日
大山の赤松池や鳥取の多鯰ヶ池―多くの湖沼のヌシが大蛇であると伝えられているように、古来より蛇は水神の化身とされた。八岐大蛇退治の神話も、斐伊川の氾濫と治水工事の象徴とする説が根強い▼川の流れを人里に寄り添う巨大な蛇の体と見做すならば、安全な暮らしを保つ為には、人の手に拠る管理が不可欠だ。古びた毀損カ所の改修は丁度、蛇が皮を脱いで生まれ変わるようなもの―建設業が担う河川整備とは、恒久に流れゆく川を、恵みを齎す安らかな存在へと再生させる為、脱皮を促す行為と言えるかもしれない▼梅雨が始まる。ここ数年緩やかな長雨ではなく、大量の雨が局所的に降り頻る事が多いように感じる。水を得た蛇が荒ぶる事なく、また日頃からの防災整備が大いに機能してくれる事を期待する。(梟)
2022年6月6日
気づけば、あじさいの花も咲き始めた。カレンダーのページは6月。マスク姿にもすっかりなれたが、暑い日はとても辛い。一人で車に乗り込むと窓を開けて外の空気を吸い込む▼雨の季節がやってくる。防災に携わる行政の人たちは、以前に比べると多くの工夫を常に考える。このような世の中だから、避難所の対策も密を避ける対策なども求められる▼専門家の話を聞くと、密が気になる避難所へ向かう平行移動をやめて、自宅の2階にとどまる水平移動を考える人が多くなるのでは、と心配する声もある▼いざという時に安心できる避難ルートの整備や広報、防災教育など、ハード・ソフトの対策が充実すれば、多くの人を守ることにつながる。防災に万全はないが、少しも気を抜くことができない。(鷺)
2022年6月3日
愛知県豊田市の取水施設で起きた大規模漏水トラブルが問題となっている。農業用水の供給停止に加え、工業用水を利用する企業に対する使用量の削減要請など、暮らしや農業、工業と広範囲に影響が及ぶ▼そもそも、施設は完成から60年以上が経過し、耐用年数を大きく超えた「老朽インフラ」。底にできた穴が原因とみられている▼インフラ整備を巡っては、トンネル事故や水道橋の崩落など、問題が発生してからの対応が散見される。大規模漏水を受け、金子原二郎農相は全国の取水施設の緊急点検を実施すると表明した▼梅雨入りが迫る。雨が多いシーズンになると、気象状況や水位の変化をにらみながらの作業など調整が必要になるが、対岸の火事とせず、足元の施設に潜むリスクを未然に摘んでおきたい(鴛)
2022年6月2日
二の沢砂防堰堤の完成から半年、満を持しての式典開催には多くの祝辞が寄せられた。中国地方最長を誇る堤頂長で、流域防災の大きな支えになってくれるだろう▼近年の顕著な土石流災害としては、やはり熱海市の例が挙がる。逢初川の上流にも実は砂防堰堤が設置されていた。盛土以前に建てられた計画堆砂量4200立方㍍の堰堤だが、7500立方㍍もの土砂を食い止めていたという▼これがなければ、少なくとも東海道新幹線のレールに変状が生じた可能性は高い。しかし一部報道の論調は「砂防ダムで被害防げず」と、ネガティブに寄った▼ハード対策はモノに過ぎない。過信は禁物だが、想定外の条件を前提に効用自体を否定するのもアンフェアだ。6月は土砂災害防止月間。正しい知識の啓発も進めていきたい。(鵯)
2022年6月1日
「高い高い」―。幼少期に家族にしてもらった人も多いのではないだろうか。大人の身長あたりから見える景色は、記憶にないが最高だったに違いない▼幼少期の思い出に浸るのはこれくらいにして、今は現実を見なければならない。家計を直撃するガソリン代。積算が合わなくなるくらいの資材の高騰。青天井の勢いだからますます困る▼ある工務店の社長は「住宅を建てるにも、資材の仕入れ時期によっては百万単位で費用が変わってくる」と話す。ものによっては1・4倍くらいになっているものも。顧客は当然少しでも安さを求める。そのため、資材価格が上がるまでに、急いで型などを顧客に決めてもらい仕入れている状況だという▼世の中を困らせているあらゆる価格の「高い高い」。早期の沈静化を願いたい。(隼)
2022年5月30日
BIMデータと設計図書の連携を実現するため、今月、国内初となる「設計図書の構造化データへの変換ツール」を大成建設が開発したと報道された。保存している設計図などのデータが活用可能となり、設計情報が瞬時で比較・分析できる▼こうしたDX化は、日進月歩で進化している。既存業務の改善やビックデータの活用など―言わずもがな作業効率には大きく貢献している。マッキンゼーの調査によると2030年までに27%が自動化されるという▼ITやDX化の推進で、恐らく人間は多くの仕事を失うが、得るものも大きい。ただ、使い方次第で能力は左右される。日本では8年後IT人材不足が約79万に拡大すると予想されている▼建設業界でも更なるIT人材の確保が必須となるだろう(鴎)
2022年5月27日
自宅の周りがにぎやかになった。田植えのシーズンを迎え、カエルの鳴き声で大合唱だ。福部ラッキョウの出荷も始まった。去年、漬けていたものがちょうどなくなりかけたころ。休日はラッキョウ漬けにいそしむことにするか▼各業界団体は改選期にあたり、顔ぶれも新しくなっている。県内業界最大の県建設業協会でも新会長に井木敏晴氏(井木組)が選出された▼業界の働き方改革は前進しているか。若手の入職、定着には欠かせないテーマである。それに賃金アップも大切。これらの課題に発注者の協力も得ながらいかに対処していくのか▼世情は新型コロナに原油高、物価の高騰…これまでの常識は通用せず、潮目が変わろうとしている。各リーダーのこれからのかじ取りに、期待を込めながら注目していきたい。(鷲)
2022年5月26日
「線状降水帯」という言葉を耳にする機会が増えてきた。近年、毎年のように発生する大雨による甚大な被害を引き起こしているのがこの線状降水帯▼気象庁は6月1日から、産学官連携で世界最高レベルの技術を用いた線状降水帯予測を開始する。線状降水帯の発生を事前に予測するのはとても困難だが、そこで鍵になるのがスーパーコンピューター「富岳」。高密度な集中観測を行うリアルタイムシミュレーションの実験を通じて、2029年度市町村単位での情報提供を目指す▼被害を減らすには早期の避難が重要で、深夜や未明の状況を予想して、明るいうちに避難してもらう狙いがある。世界最高のコンピューターで少しでも正確な事前予測ができるなら、大雨被害を防止・軽減し、世界中の人を救うことにもつながるはずだ。(雛)
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