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2026年2月24日
2月の異名「如月(きさらぎ)」は、「衣更着(きぬさらにきる)」が語源とされている。立春を過ぎても厳しい寒さが続き、人々が衣を重ね着する様子から名付けられたという説が有力▼日本の伝統建築でも、寒さ対策として様々な「重ね」の工夫が施されている。白川郷や五箇山などで見られる合掌造りの急勾配屋根はかやの束を何層にも厚く重ねてふかれている。雪を滑り落としやすくするための形状だが、同時に屋根裏の大きな空間が断熱層となり、居住空間を寒さから守っている▼現代建築でも、複層ガラス、二重サッシ、断熱材などはまさに現代版の「衣更着」。如月の寒さを工夫を凝らした重ね着でしのぐ。同じように建築もさまざまな層を重ね、工夫を積み重ねて、厳しい自然環境に対応してきた。これはこれからの建設業界にも大切なヒントになるだろう。(雛)
2026年2月20日
この季節に使う時候の挨拶に「余寒」という言葉がある。立春を過ぎても寒い日が多く、春はまだ先だと思う時に使う。余寒と「予感」を交えながら今週の天気を伝える気象予報士もいる▼別の意味で寒さを感じたのは、従業員が減って倒産した企業の中で最も多いのは建設業、という報道。職員の高齢化が進み、長く技術部門の中心にいた人が退職したことで事業規模の縮小を迫られるケースもある▼先日、自宅の近くで通信設備のケーブル工事があり、ベテランと若い技術者の2人が外と宅内に分かれて作業。ここの家人に頼まれて工事後の説明に立ち会ったが、年配のご夫婦に難しい用語を使うことなく丁寧に説明。その姿を頼もしく見た▼業界には若い人も確実にいる。将来を担うあの人たちの姿を見れば、少し明るい「予感」が思い浮かぶ。(鷺)
2026年2月19日
ふと思う。効率や便利さがますます重要視され、スピードに歯止めが利かなくなると、人類はどこへ向かうのだろうか▼約10万年前、人類はアフリカを出発し、二足歩行を武器に世界各地へ歩いて広がった──「グレートジャーニー」と呼ばれるその旅は、思考と交流の機会を生み、社会を築く原点でもあった。文明化が進んだ現代、人は移動の手軽さや速度を優先し、歩く余白を失いがちだ。街中での偶発的な出会いや発見も減ってきているように感じられる▼米子市では来月、駅前通りで歩行者優先の実証実験を実施する。車線を減らし、人が安心して歩き、一息つける空間を体験する挑戦だ▼出アフリカに立ち返るように、街もまた歩くことで人間らしさを取り戻す旅に出る──小さなグレートジャーニーとして、人と街をつなぐ営みが息づくことを期待したい。(鸛)
2026年2月18日
衆院選勝利を受けた高市早苗首相の記者会見で、日中関係を巡る質問が目立った▼中国は、台湾有事が「存立危機事態」になり得るとした首相の国会答弁に反発し、渡航自粛や輸出管理強化などの報復措置を実施。沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域への航行など、海洋進出も顕著だ。依存度が高いレアアースをはじめ、経済面、安全保障面での対応が求められる同国に対し、改めて日本がどう対峙するかが問われる▼進出といえば、県工事で東部業者による中部、西部工事への応札が相次ぎ、「縄張り」を主張する地元業者の間で不満がくすぶっている。「報復」までは発展しないと思うが、何事もなく終わるかどうか。そもそも、東部の工事量が少ないことが根本的な背景にあるのだが、それとこれとは別のようだ。(鴛)
2026年2月16日
ミラノ・コルティナ冬季五輪も終盤。有力選手が控える種目では表彰台、ひいては「金」ラッシュに期待がかかる▼この4年で様変わりしたのが、AIによるメダル予測サイトの増加。競技の世界でも、データとアルゴリズムが勝敗を語る時代になった▼もっとも現実は楽観一色ではない。米国では電力消費の急拡大などの理由から、データセンター建設を規制する動きが鮮明に。他方「フィジカルAI」の台頭で、技術の主役は目まぐるしく入れ替わる▼19世紀のゴールドラッシュでは、金を掘り当てた者より、ツルハシやジーンズを売った商人が安定して利益を上げたとか。AIブームもまた計算資源を供給する側だけが潤い、利用する現場の価値創造が追いつかないまま次の「鉱脈」へ―そんな構図になっていまいか。(鵯)
2026年2月13日
2月も気づけばもうすぐ折り返し地点。昔から1~3月を「行く、逃げる、去る」と表現するがまさにその通りで、年が明けたと思ったらもう年度末、新年度が目の前だ。本当に早い▼時代の変化は目まぐるしく、流行り廃りもあっという間。現代人が1日に触れる情報量は江戸時代の1年分、平安時代の一生分とも言われる。そのことを踏まえると、変化を早く感じるのも納得がいく▼技術面でも次から次へと新しいものが誕生する世の中。最先端技術を使いこなせるかどうかで、その業種、分野の将来性というものが決まってくるように感じる▼建設業界で現在使われていたり、これから導入が本格化するような技術も、数年後には過去のものとなっているかもしれない。いかに時代の波に乗るか、これがカギとなるだろう。(隼)
2026年2月12日
先週末の大雪から一転、暖かな日差しが差し込み、春の気配が感じられるようになった。2月は節分や立春を迎え、季節の節目として春の訪れを意識し始める月でもある。年度末を控え、仕事や暮らしの準備が本格化していく▼業界では、年度内完成を目指す工事が最終段階に入っている。積雪や寒さへの対応が続く中、安全管理や品質確保の重要性は一層高まっており、現場では気を抜けない日々が続く▼慌ただしい時期を経て、4月には新入社員や配置換えなどにより、新たな体制でスタートを切る職場もある。新しい力が現場に加わることは組織の活性化につながる一方、受け入れる側には育成や定着を見据えた環境づくりが求められる▼季節の移ろいとともに、仕事も人も次のステージへ。安全と品質を最優先に、新年度のスタートを気持ちよく迎えたい。(鴎)
2026年2月9日
立春が過ぎ、暦の上では春といえども、まだまだ厳しい寒さが続く。如月。ゆえんは、衣更着(きさらぎ)とも言われ、衣を重ね着して寒さをしのぐ人々の営みを表した▼突如の衆院選が終わった。政権選択選挙は、高市首相の信任投票の様相を深め、物価高さなかの食料品の消費税減税や、社会保険料の引き下げなどが争点に。すぐさま、票に結び付きそうな政策が並んだ▼残念だったのは、生活基盤を支えるインフラの老朽化対策をはじめ、防災・減災を訴える声が少なかったこと。日々の暮らしや経済は「当たり前の安全」の上に成り立っている。「責任ある積極財政」の矛先に、公共投資がなければ成長戦略は描けない▼「生更木」(きさらぎ)。春に向けて木々も芽吹きの準備に入る。新年度当初予算案もある。真っ先に政治の安定を取り戻したい。(鷲)
2026年2月6日
ロボット掃除機「ルンバ」で知られるiRobotが、破産を申請した。ロボット掃除機の先駆者企業の破綻は、単なる業績不振ではなく、技術選択の成否が命運を左右する時代に入ったことを象徴している▼同社は、カメラを用いた独自の自己位置推定技術を強みに成長したが、この10年で主流はLiDARへと急速に移行した。価格低下と精度向上が同時に進み、中国メーカーはLiDAR搭載機を展開し、同社は衰退していった▼建設業界でもLiDARが標準技術になりつつある。国土地理院は、手持ち型・装着型LiDARを正式な測量手法として明確化した。また、河川・砂防事業や建設DXなど、LiDARは現場実装の段階に入っている▼技術そのものの優劣ではなく、変化を見極め採用するタイミングが重要で、iRobotの破綻は、LiDARが社会実装の段階に入った時代の転換点を示している。(雛)
2026年2月5日
この時期は普段よりも早い速度で毎日が過ぎて行くような気がする。2月に入り暖かい時間もあるが、1月は気温が低く雪の日が続いたこともあり「春の予感」はまだ見えない▼この時期になると、業界も発注者も多忙な毎日が続く。発注機関が入る県の出先庁舎にも、業界の現場担当者が一年で最も多く出入りする季節が来る▼最近は検査に必要な大量の書類を運び込む人達も少なく、電子データをパソコンの画面で双方が確認しながら話を進める。以前の光景とは大きく変わり、分厚い書類をめくる姿も見ない。ただ、付箋(ふせん)のない電子データにも慣れが必要で、目的のページを探すのに時間がかかることも▼3月の完成検査を前にしたこの頃は、電子が主流になっても今も変わらず大変な毎日。いつもながらこの光景に季節の移りを感じる。(鷺)
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