コラム

2023年8月23日
なぜ生物は眠るのか―シンプルながら、最先端の研究者さえ答えを求める大命題の一つ▼正体は掴めずとも、現象面の分析は日々進む。近年はレム睡眠の重要性が見直され、「浅い眠り」とされてきた常識が覆ると共に、寿命や認知症リスクとの相関も指摘されている▼5年ほど前になるが、「クラゲも眠る」と題した論文は画期的だった。クラゲには脳のような中枢神経がなく、神経細胞のネットワーク然としたものがあるだけ。つまり睡眠は極めて根源的な機能であり、いわゆる「脳を休める」ためだけのものとは言い切れなくなる▼昼の暑さが去らない熱帯夜。先の台風被害を受け、復旧や応急処置に当たる人々は夜を徹して動き続ける。原始的な欲求に逆らい、身を粉にするだけの見返りはあって然るべきだ。(鵯)
2023年8月22日
お盆休み中、米子に寄る機会があった。用事が早めに終わり、このまま鳥取へ帰るのもと思い、米子市立山陰歴史館に立ち寄った▼同館は、1930年(昭和5年)に建てられ長年、米子市役所として市民に親しまれてきた。赤レンガ色のモダンな洋館からは建築当時の「匂い」を感じ取られる。館内には米子城や鉄道、近代の生活用具などが展示してあり、なかなか触れることがない米子の歴史を知ることができた▼鳥取には旧県立鳥取図書館の建物を利用したわらべ館がある。こちらも山陰歴史館と同じ年に建築。43年の鳥取地震や52年の鳥取大火といった災禍をくぐり抜けてきた建物だ▼こうした近代建築物は県内にも多数ある。維持管理が大変だとは思うが、建物を生かした施策が進められることを一県民として願う。(隼)
2023年8月21日
日本地図を始めて作り上げた人物として有名な伊能忠敬。55歳からの17年間、日本各地を歩き続け全土を測量するという偉業を成し遂げた▼当時の測量はどのようにしていたか。70㌢均一に歩く訓練をした数人の平均値をとる「歩測」と、一間ごとに印をつけた縄を使う2種類の方法で行ったという。考えただけでも過酷だ。測量などを担う建設コンサルタントが行えば、今日ではどのくらいの期間で済むだろう▼台風7号で東・中部は大きな被害を受け、県・市町職員は復旧作業や対策に追われる。早急な対応が必要とされる中、建設コンは立ち上がる。復旧設計、災害査定の調査は職員だけでは難しい。技術士たちがデジタルツールを駆使し、時に現地を自らの足で踏みしめながら、復旧への第一歩を刻んでいく。(鴎)
2023年8月15日
先祖の霊を弔うお盆を迎えた。お盆の時期は全国的なものと思い込んでいたら、沖縄ではいまでも旧暦7月の一大行事だという▼盆休み期間のいま、県立博物館(鳥取市東町)ではノーベル賞受賞100年を記念して「アインシュタイン展」が開かれている。親日派だった人柄を知ることができるし、難解な相対性理論も体験型で学ぶことができる(今月27日まで)▼その県博で改修計画が動き始めた。50年以上が経過した建物の耐震化がメイン。鳥取城跡地の史跡内にあり、文化財保護法との絡みで厄介な仕事になりそう▼鳥取市の史跡整備基本計画には「当面、史跡整備との整合性を図りつつ併存する」とある。続けて将来的には移転も含めて検討が必要―。これから基本方針の策定まで、PFI検討を含め注目が集まりそうだ。(鷲)
2023年8月14日
台風6号が沖縄や九州で猛威を振るい、ついに台風の季節がやってきたと感じる▼テレビ報道で目にするが、台風にはそれぞれ名前がつけられている。6号は「カヌーン」と名付けられ、この名前は、2000年からアジア諸国を中心とした14カ国で組織する台風委員会が各国10個ずつの計140個の名前を順番に使っている。これまでに日本からは星座をテーマにした、「ヤマネコ」、「トカゲ」、「ウサギ」などを出している▼被害だけ目が行きがちな台風だが、各地に恵の雨をもたらす存在でもある。アジア地域全体で恩恵と被害に長年付き合ってきており、各国でその対策に苦慮している。外国人材の受け入れが本格化しているが、日本で土木技術を学んで自国に持ち帰るというサイクルがもっと発展して欲しい。(雛)
2023年8月10日
幼いころは多くのことに興味を持つ。ひとつのことに飽きたら、次を見つけるのも早い。夢は無限大に広がっていたに違いない▼時が過ぎて、高校生にもなると現実的な希望を持つようになるが、子供の時に見た景色や体験は、大人になってからふと思い出すこともある▼この夏、中国地質調査業協会が小学生らを対象にしたイベントを2回開いた。手作業で掘削するボーリングは子供たちに好評だし、25回目を迎えた「親と子の地学教室」は鉱山跡で鉱物の採取に目を輝かせた▼イベントのスタッフは地質調査の技術者。この中には子供の頃に抱いた自然科学への興味から今の仕事に就いた人もいる。子供たちがいつの日か「土の下を調べる仕事があることを思い出してくれるかな」と話す声が聞こえた。(鷺)
2023年8月9日
熱戦が繰り広げられている全国高校野球選手権にクーリングタイムが設けられた。球児の体を気遣う暑熱対策の一環で、5回終了後に10分間の休憩時間を初導入。水分補給などで体調を整える。心身ともに助かるといった反応がある一方、「気持ちが切れる」という声もあり、中盤に訪れる「10分間」の過ごし方が勝敗の分岐点になると指摘が上がる▼新ルールといえば、来春始まる建設業への時間外労働の上限規制。これを巡り、日本国際博覧会協会がパビリオン建設の遅れを受け、大阪・関西万博の工事従事者を除外するよう求め、波紋が広がっている。除外規定は災害対応時などで設けられているが、今回適当かが焦点▼ルールは誰を保護するためのものか、その上でどう対応、運用するかが本質論。おのずと答えは出るはずだ(鴛)
2023年8月8日
インターネット黎明期に生を受けた世代からすると、爆発的に拡大を続けるデジタル空間は、未知への期待に溢れた宇宙のような場所だった。それゆえ「ネット好き」を公言する者も多いが、一回り下の世代からはピンとこないようだ▼「ハサミが好きでしょうがない、と言っているように聞こえる」とは言い得て妙。道具として当たり前に浸透しているものを、あえて好きだと主張する感覚は理解しがたいだろう▼「ルナテラス」のオープンから一月、月面探査車の初試験は方々で話題に。人々を惹きつけるのは、現実の宇宙で待つ巨大な未知への興味だ▼技術の一般化は、日常への埋没と言える。例えば隣の建設技術実証フィールドを小紙が取り上げなくなった頃、ICT建機もハサミのような存在になっているのだろう。(鵯)
2023年8月7日
今やスマートフォンでも聞くことができるラジオ。日本では今から1925年に放送開始となり、その30年後、55年には現在のソニーが国産のトランジスタラジオを発売した▼小欄は取材や営業に向かう車中で、FMラジオを聞いている。FM放送の特質上、建物内や街中では比較的鮮明に聞こえるが、山間部に行くとノイズが入ってくる。AM放送は現象が逆転する▼ただ、どちらの放送も途切れてしまうのがトンネルだ。長さや交通量などによって再放送設備を設けているところもあるが、県東部のトンネルは、聞けるところと聞けないところが肌感覚で半々といったところだろうか▼災害発生時に情報を得る手段としてラジオが再注目されている。災害が多発する世の中。どこでもラジオが聞けるよう整備が急がれる。(隼)
2023年8月4日
県内の学生は英語に苦手意識があるのか。中学3年生が実施した全国学力テストの結果が公表され、鳥取県は2回連続で英語の全国平均を大きく下回った。中央値を見ないとはっきりは言えないが、夏休み中の英語の勉強は高校受験の鍵になるだろう▼日本人には英語に苦手意識がある。日本語と比べると文の構成や、発音と綴りの違いなどと全く違う言葉を勉強している構成だからだ▼日本人が置かれた環境も低下の原因だが、少しは勉強していた方が良い。というのも、アジアでは殆どの国で独自の言語を持っているが第二言語は英語である。建設業の人手不足の解消として期待される外国人労働者。そのほとんどがアジア系である。英語で話せる技術者が1人でもいれば働きやすさは上がるだろう(鴎)
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