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2023年11月29日
週刊誌の連載エッセーを楽しみに読んでいた。「大人の流儀」などで知られる作家の伊集院静さんが亡くなった。自身の歩みを投影した、人間味あふれる作風が人気。作詞家として近藤真彦のヒット曲も手がけた。視線は世間のあらゆる事象に向かい、政治に対しても舌鋒鋭かった▼ユーチューブ動画に広島県安芸高田市の議会が頻繁にアップされる。メガバンク出身の市長が、曖昧な質問を繰り出す議員をバッサバッサと斬っていくさまは、まるで時代劇を見ているよう▼かつて「議会は学芸会」と評した片山善博元知事は、あらかじめ用意された原稿を読み上げるだけの質問戦に一石を投じた。こうした慣習は、身近な県や市町村議会にも残ってはいないか。鬼籍にいった伊集院さんから「愚か者」と、厳しい喝が飛んできそうだ。(鷲)
2023年11月28日
世界の主要な都市と日本の街並みを比較してみると、前者の方が近未来的に感じる。その要因は電柱と電線の存在だろう。海外では景観に配慮して電線などを撤去している所が多く、日本ではまだまだ電柱が道路に立ち並んでいる▼国交省のデータによれば、ロンドンなどの大都市で無電柱化率100%を記録している。一方で日本は東京23区で7%と大きく後れを取っている。無電柱の利点は景観面だけではなく、歩行空間の確保や災害時の電柱倒壊による二次災害も防ぐことができる▼国交省が無電柱化推進計画を策定し、5年間で約4000㌔を計画目標に進めている。県内でも各地で無電柱化に着手しており、電線のない風景も珍しくなくなりつつある。無電柱化率で世界に追い付く日もそう遠くはないのかも。(雛)
2023年11月27日
秋支度をすることもなく冬支度を急ぐ。「地球の沸騰化」と言われるだけに、猛暑を超えた「酷暑」の夏。ほんのひと月ほど前まで半袖を着ていたのに、短い秋はあっという間に通り過ぎた▼日中はまだ暖かい日もあるが、慌てて冬衣装に衣替え。自宅のストーブも本格的に稼働しているが、スコップや長靴の状態はだいじょうぶか▼県内各地で除雪隊の出発式を取材した。すでに出動したエリアもあるが、昼夜を問わない作業は危険を伴う過酷な環境だ。それでも、出発式では「我々には、地域のみなさんの安全な生活と交通を守る使命感がある」と除雪を委託された企業の代表が話す▼誇りを感じると同時に、頼もしさが伝わる言葉が心強い。この人達の冬支度は慌てることなく、とっくに整っていた。(鷺)
2023年11月24日
きょう24日から、年末商戦の幕開けを告げる「ブラックフライデー」が始まる。米国発の大型セール。毎年11月の第4木曜日の「感謝祭」翌日に設定され、道路や店舗が混みあって「黒山の人だかりができる」、業者が「黒字になる」などの意味があるという▼衣類、家電、食料品など幅広い小売業が販促企画を展開。今年は物価高に苦しむ家計を応援する商品が充実しているそうだ。商戦は景気動向を反映し、結果は株価に連動するとされているだけに、内容が注目だ▼ところで、業界から、採算に合わない公共工事の発注が散見されるとの声をしばしば聞く。発注側は高騰する資材価格などを踏まえて設定しているとは思うが、くれぐれも業者が「赤字」ではなく「黒字」となるよう、意識してほしい(鴛)
2023年11月22日
人類の進化の過程で、最初の大きなエポックといえば―ご承知の通り、二足で立って歩き出したことだろう。約700万年前のその瞬間を起点に、ヒトはチンパンジーとの共通祖先から明確に分化していくことになる▼自由になった両手は文化をもたらす。食料を持ち運べるので安全な場所で食事ができるようになり、胸の圧力が解けたおかげで歌い踊ることも可能になった▼一方で失ったものは、純粋な四肢の持つ力。直立二足歩行は速力や敏捷性に乏しく、また木に登ることもできない▼しかし人間は、文明の力で失った能力を取り戻そうとしている。パワーアシストスーツの実証実験が来年にも直轄工事で始まる見通しだ。身体を拡張する術を得た人類は、また一つ新たな時代を迎えるのかもしれない。(鵯)
2023年11月21日
ここ最近、電子決済関係でトラブルが相次いでいる。クレジット払いに電子マネー払い。現金いらずの便利な支払い方法だが、ひとたびシステムに障害が発生すると、全く使い物にならなくなる▼システム障害の際、人々は不満を漏らすが、元プログラマーの小欄からすると「人間がシステム構築しているのだから、障害が起きることだってある」と言いたい▼世の中、デジタル=100%完璧なものという認識が強い。先述の通り、そもそも人間がプログラムを組んでデジタル化しているわけで、完璧なシステムが登場したら暮らしは今以上に便利になっているはず▼デジタル化の波は建設業でも同じ。様々な場面でシステムは使われている。システム障害が起きた場合の代替案は万全か。今一度確認が必要かもしれない。(隼)
2023年11月20日
大山の積雪を見ると、冬の到来を感じる。夜の冷え込みで布団の暖かさから抜け出すことが出来ず、起きる時間が遅くなる人は多いのではないか▼起床は温度と関係するのか。総務省が公開している「睡眠時間ランキング」の上位には秋田、青森、山形、岩手と東北勢が名前を連ねた。ちなみに北海道は8位。寒い地域は睡眠時間が長いようだ▼これには体温調整が関係する。人は夜寝るために体温を下げる。体温調節がうまくできないと、朝起きる時の体温が低くなってしまい、起きるための体温に達さない事で布団から出られないといった問題が起きるという▼地域の生活を支えるため、積雪時の交通確保に向けた除雪協議会が開かれた。気象台は暖冬と予想。今年の冬は少しは早く起きられるようになるか。(鴎)
2023年11月17日
先日の寒気によって一気に冷え込んだ県内。山間部にある現場では降雪に見舞われたか。短くなった秋から本格的な冬を迎えるまで、県東部にある八頭町では柿の出荷が続いている▼輝太郎、西条、富有…これからは花御所が登場し、各種を食べ比べるのもよし。西条柿を機械で乾燥加工した「あんぽ柿」は、贈答品として県外からも評価が高い▼今年も、生産農家の知人から傷物で出荷できない柿をもらった。帰り際、高齢の知人は「歳を取ったし、柿の木も古くなった。いつまで続くか」と言い残した。柿畑の次なる後継者はおらず、担い手不足の課題はここにも横たわっている▼片方で、政治行政には「持続可能な」「誰一人取り残さない社会」と、空虚な言葉だけが並ぶ。晩秋、酔い覚ましにと柿を口にしながら、つい愚痴が出た。(鷲)
2023年11月16日
先日、東京を訪れた時に外国人観光客の多さに驚いた。コロナ禍以前のにぎわいを思い返すと、観光客が戻ってきていることを実感した▼統計によると、訪日外客数は今年の1月から9月までの累計は1737万人で、ピーク時には及ばないが、直近の推移からは回復の兆しがうかがえる。これから先、多くの観光客を呼び込むためにその対策は喫緊の課題だ。外国人旅行者を対象としたアンケートでは、多言語表示の少なさや分かりにくさ、無線LAN環境の整備などが挙がった。ハード整備の重要性は増していくだろう▼建設現場でも、安全看板や掲示物などで多言語化が進んでいる。外国人労働者の人口も増加傾向にあることから、誰もが安心安全に働ける環境の整備がより一層進んでいくことを期待したい。(雛)
2023年11月15日
時代の流れに乗り遅れまいと、だれもが思う。ところが、家電や電子機器はどんどん進化するし、言葉の使い方も変わる。電話を前に「ダイヤルを回して」と独り言。こんなことは、何も小欄だけではあるまい▼建設業界もずいぶん進化すると同時に発注者から求められる項目も多様化している。高価なソフトや測量のための機器。建設機械も「ハイテク」。現場の人は難なく使いこなす▼業界で長く活躍するベテランの技術者と話した。昭和の時代から数多くの現場に携わっているから、知識と経験は実に豊富だし、忘れられない腕前の職人技を見てきた▼構造物が出来上がる過程が楽しみだ、と話すベテランがパソコンやスマホを苦もなさそうに操る姿を見せつける。無理をしていないか、と聞いた。(鷺)
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