コラム

2017年6月7日
何でもかんでも効率化の時代。建設業界でもi-Conの推進により、2025年度までに現場の生産性2割向上をめざすという。そこにICT(情報通信技術)を駆使して、現場で無駄なく作業を進めることに水を差すつもりはない▼しかし、これはどうか。5日付朝日新聞に「AIで変わる採用選考」-大学生の採用時に人工知能AIを活用する企業が増えているという。データの蓄積で、どんな社員が将来、どんな活躍ができるのか相当な精度でわかってきたとある▼AI面接官は何か重要な本質を見落としはしないか。型通りに進む人間にいったい、どんな魅力があるのか。さまざまな疑問が浮かんでくる。最後は人の目が入らないと、新入社員だろうと現場だろうと胡散臭い▼「そんなもん。信用できるか」-常日ごろ、人と交わる仕事柄か、つい心の中で呟いてしまった。
2017年6月1日
6月に入った。 蒸し暑さも増していよいよ梅雨も近づいてきた。 軒下を賑わす燕が巣立っていく日もそろそろか▼「若者の都市部への流出をくい止める」という言葉を時々耳にするが、 後ろ向きだと感じてしまうのはUターン組の傲慢さだろうか。 むしろ都市部といわず世界にどんどん羽ばたいていってもらうくらいでないと▼「土木」の語源は 『淮南子』 の「築土構木」。 内閣官房参与の藤井聡氏はそこに「人々の安寧を慮る利他行」という「巨大な意義」が含まれていると語る。 「安寧」なる素地で育まれ、 巣立っていくのは燕も人も同じ▼都会で燕を見かけなくなったのは、 糞を嫌って巣を壊してしまうからだとか。 燕ならいざ知らず、 羽ばたいていった有為な若者にとっての地方はどうか。 田舎だと朽ちてしまう古巣もあろうが、 燕はまた帰ってきてくれるだろうか――。
2017年5月30日
明日で5月も終わり。早いもので、1年の折り返し地点の6月。6月といえば、梅雨期。沖縄・奄美地方はすでに梅雨入りしている。気象庁によれば、中国地方の梅雨入りは、平年、6月5日前後だという。一方、梅雨明けは、7月20日前後としている▼梅雨は、大雨による災害が多く発生する時期。洪水・浸水といった水害がその代表だ。出水期を前に、国や県は、河川氾濫時の減災対策協議会を開催したり、堤防点検を行ったりと、減災・防災に力を入れている▼建設業の交通労働災害が増えるのも雨が多くなるこの時期。その多くは、現場と事務所間の往復におけるもので、特に6月は雨によるスリップ事故が他の月よりも多くなっている。スリップ事故防止には、速度の減速や急ハンドル・急ブレーキをしないことなどの対策が必要だ。梅雨期を安全に乗り切りたい。
2017年5月29日
喫煙に対する規制が厳しくなってきている。厚労省が示した喫煙範囲は、日本全国の屋内では原則全面禁煙。スナック、バーでも30平方㍍以下の小さな店舗のみが喫煙OKという案もある。30平方㍍といえば僅か10坪。畳20畳。店舗としては相当に狭い▼現在も厚労省と自民党たばこ議連との間で激論が交わされているが、一愛煙家としては、喫煙環境があまりにも悪環境にあると感じる。寒い冬は、身も凍える氷点下の吹っきさらしの風、雨、雪の中、夏は夏で炎天下の酷暑・猛暑の屋外で喫煙。指定場所でプカプカ一服していても、通りすがる人々は怪訝そうな表情で通り過ぎる。喫煙マナーも向上している昨今、規制ばかりではなく、一定の割合は存在する喫煙に対する喫煙環境施設整備も並行して必要では!▼が、これも喫煙者の儚い嘆き節か、諦め節か・・・。
2017年5月24日
県が県産材の需要拡大や県内の木造住宅の需要喚起・工務店の振興を目的に支援制度を導入した「とっとり住まいる支援事業」が相変わらず好調だ▼2016年度の新築工事の交付申請件数は県内全体で902件と、15年度の776件を大幅に上回った。14年度が578件だったから、まさに右肩上がりだ。制度を始めた02年が134件だったことを思えば隔世の感がある▼14年4月の消費税引き上げ後の住宅需要の反動減を抑える「腰折れ対策」として14年度から支援を拡充した。しかし、懸念された反動減の影響もなく、住宅の着工件数は、前年度水準かそれ以上で推移している▼経済の大きな指標で、その動向が注視される住宅建設。それを下支えしているのがマイナス金利政策。その背景に、思うように実効性の上がらないアベノミクスがあるとすれば何とも皮肉だ。
2017年5月22日
鳥取市は5月から最低制限価格の上限を92%に引き上げた。ゴールデンウィークがあったため新制度での初めての入札は16日になったが、振り返ってみると91%台での落札が目についた▼制度が変わったことが全業者に浸透するには時間がかかるもの。予定価格の90%程度で応札し、失格になったケースも見られた。市は指名通知に制度の改正を知らせる文書を添付していたが…▼最低制限価格の引き上げは、昨年度の意見交換会で各業界団体が強く要望していた。建設業には、技術の研鑽はもとより、若手の育成や労働環境の改善など、こんご取り組まなければならない課題が沢山ある▼それらの解決には発注者の理解と協力が欠かせないだろう。今回の最低制限価格の引き上げはわずか2%程度だが、地元の建設業が健全に発展していく一助になることを期待したい。
2017年5月18日
「何なんですかー」-読者のゼネコンから電話が鳴った。12日公告された岩美道路・岩美1号トンネルをめぐってだ。突如、参加要件に内空断面積80平方㍍以上の実績が加わった。かつて県発注のトンネル工事で、掘削断面積がうたわれたことはない▼完成2車線の1号トンネルは約90平方㍍の大断面。発注者として工事品質を確保するためには、一定の実績を求めるのは理解できる。しかも技術審査を伴わない価格競争だからこそ、予め入り口を狭めておくこともおかしくない。それにしても…▼条件は厳しい。聞けば、鳥取自動車道に掘られたトンネルの実績でも使えないというのだから。改正品確法には品質の確保と同時に、中長期的な担い手確保・育成もある▼ハードルが高すぎると、若手技術者が経験を積むことができない弊害も起きる。世の中はなんでも程度の問題。
2017年5月12日
月明かりの下、蛙の鳴き声が山野にこだまする季節になった。蛙が梅雨を呼び寄せて夏に向かっていくのだろう▼東京から帰郷して一年に満たないが、四季の移ろいを肌で感じられるのが何とも心地良い。もちろん良い面だけではなく、地震や豪雪には自然の厳しさを思い知らされた。地方の抱える様々な課題も見えてきた▼世界屈指の自然災害大国である我が国においては、地方創生という観点からも欠かせないのがインフラ整備。そして、それを支えるのも結局は人▼「一年の計は穀を樹うるに如くはなし。十年の計は木を樹うるに如くはなし。終身の計は人を樹うるに如くはなし」(「菅子」)。人も国土も同じで大切なことは目に見えにくい。蛙のささやかな鳴き声は自然からの問いかけにも聞こえてくるが、都会の喧騒にはかき消されてしまうのかもしれない。
2017年5月11日
大手広告代理店の女性社員の過労自殺を契機とし、働き方改革による過酷な長時間労働の是正が叫ばれるが、過重労働の最たるところのサービス残業が無くならない実態は、今更だ。やるべきことをやらなければ仕事が回って行かないのも事実だが、かと言って看過できる話でもない▼サービス残業による過労問題は、このところ部活動対応に追われ休日を削る教員たちの過労実態がクローズアップされているが、最近耳にした話では、県内自治体職員にも一例だとは思いたいが、異常ともいえる過重労働を強いられている実態を耳にした▼正月明けから4月に至るも、まともに休みが取れたのは3日程度、土日祝日も勤務、平日もサービス残業続き。残業時間数は過労死ラインの月100時間を超えるとか。その事実確認を含め、首長さん、勤務実態のチェックが必要でしょう。
2017年5月10日
今年のゴールデンウイークは全国的に天気に恵まれ、絶好の行楽日和となった。ただ、好天気は嬉しいのだが、日中の気温が25度を超える夏日が続き、まだ暑さに体が慣れていないせいか、なんとなく体にだるさを感じた▼気になっていろいろ調べてみたら、5月は昼夜の寒暖差が大きい上、高気温に体が慣れていないため、意外にも熱中症になる危険性が高いのだという。真夏のように目に見える形で汗をかかないため、水分が失われていることに気づきにくいことがその一因としてあるらしい。連休中に感じた体のだるさは、熱中症のサインだったのかもしれない▼これから夏にかけてますます気温が高くなっていく時期。屋外での作業が中心となる建設業では、特に熱中症対策が欠かせない。こまめな水分補給や暑さ対策は必須だ。熱中症のシーズンはもう始まっている。
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