コラム

2025年7月31日
 相変わらず暑い日が続く。猛暑日という言葉が出来たのが2007年4月。当時、埼玉県越谷市や岐阜県多治見市で40度超えの最高気温が観測されたことは記憶に新しい。その後は最高気温観測が相次いでいる▼こうも暑いと、営業先でのあいさつは「暑いですね」が定番に▼今年6月から事業者に対して、熱中症対策が義務化となった。対策が必要な職場の条件は、建設業にとっては当然当てはまる。労働者の生死に関わることだから、事業者も対策を推し進めている▼一方、建設業が翻弄されているのは働き方改革。事業者は週休2日制の拡充などに努めているが、労働者のなかにはどんどん働きたい人もいる。労使間でギャップが生まれてしまっているのも事実だ。行政側には、現場の実態に合わせた改革が求められている。(隼)
2025年7月30日
 夏目漱石らと並んで日本近代文学を代表する作家・幸田露伴(1867―1947)は、きょう30日が命日。独特な文体が特徴だが、臨場感溢れる作品となる▼幸田露伴の代表作は1891年に出版した「五重塔」。大工の世界観を舞台にした作品となり、2人の大工職人が登場する。強いこだわりや仕上げた作品に対する意地やプライドを展開し、技術に対する真摯な姿勢や仕事に対する責任感が描かれる。当時の職人気質が伺える▼技術と執念、そして仕事に対するプライドが読者の心を揺さぶる。3Kと揶揄される時代でも、技術者としての心を忘れてはならないというメッセージに。建設業に従事する人々にとって重要な価値になる▼出版から100年以上が経過する。働き方などが一変する中、変わらないものもあるだろう。(鴎)
2025年7月28日
 最近、身近にいる若者に県外出身者が多い。住んでいる地域、取材先でも見かける。なかには地方議会に進出する積極派も…。実際に調べてみると、昨年度に県内移住した人の数は過去最多の2393人だった▼うち、生まれも育ちも県外のIターン者が半数以上を占める。移住した理由には、50代までの年代で「企業への就職」が最も多く、予想していた「田舎暮らし」や「結婚・子育て」を上回る▼県は年間の移住者数3000人の達成を目指している。深刻な人手不足に悩む業界でも、移住希望者を少しでも取り込むことができないか。一つの手がかりになりそう▼IJUターンを支援する「ふるさと定住機構」を活用するのも良い。SNSと合わせて県外者に企業情報を発信する手段として可能性は膨らむ。もちろん、自社の処遇改善も忘れずに。(鷲)
2025年7月25日
 近所で新築工事を行っていた工務店が、施主の夫婦とともにあいさつに来た。その日は上棟式で近隣の家を回っているとのこと▼昔は、家が新築されるたび、上棟を祝って「団子まき」が行われ、屋根の上から餅やお菓子をまいていた。インターネットもない時代に、どこからともなく子どもから大人まで多くの人が集まったと聞く。それだけ周囲の人との繋がりが強かった時代ともいえる▼最近では、やる方が珍しくなり、工事前のあいさつも紙をポストに投函して終わる事も。プライバシーなどの問題があり、近所付き合いも昔のようにはいかない。顔が分かる、情報やコミュニケーションの輪が広がることで、うまくいくこともあるのではないだろうか▼建設業界でも、各団体や発注者との意見交換が頻繁に開かれている。談合は良くないが問題解決に向けた情報交換は必要だ。(雛)
2025年7月24日
 時間が流れる速さの感じ方は人それぞれ。子供の頃は見聞きするのが初めてのことが多く「時間の流れは遅く感じる」というが、年齢を重ねた我々だって「今時の単語や言葉を覚えるのに苦戦の毎日」。それでも駆け足で一年が過ぎる▼近所の小学生は夏休みだ。昔のように真っ黒に日焼けをした汗まみれの子供は少ないが、広場からはにぎやかな声が響く。長い夏休みだが、楽しい時間はすぐ過ぎたと感じるのは今の子供も一緒だろう▼建設業界にもこの春、新人が入ってきた。職場の環境には慣れたが、覚えることは山ほどある。先日、若い技術者が発注者と打ち合わせをしていた▼その中の一人は勉強のために先輩が連れてきたと聞いた。だまって話を聞く時間は長いと感じるが、また一つ仕事を覚えたか。彼にも入社後、初めての夏休みがやってくる。(鷺)
2025年7月22日
 芥川賞・直木賞の該当作が今回なかったという▼日本を代表する文学賞としては異例の展開で、1997年度下半期以来、27年半ぶり。史上6度目となった。現代人の活字、書籍離れが課題となる中、賞が本を売るための話題作りとなっている点は否めない。候補が水準に達していないのであれば、権威の保持に向け「該当なし」の判断は妥当と言えそう。高い選考基準を持って評価されている、と賛同の声が寄せられている一方、書店関係者は落胆していることだろう▼受賞といえば、県が優良業務表彰の選定方法を、難易度など中身を考慮する仕組みに見直した。成績点だけではない、総合的な判定に近づき、選外となってきた技術者が対象となるなど、構図がやや変わる可能性も。こちらは、新方法でどんな該当者が出るのか、楽しみだ。(鴛)
2025年7月18日
 どう置いても自律的に向きを変え、必ず特定の面が底に来る「単安定四面体」。1960年代から仮説としてあった概念上の存在が、先日ついに実体を伴って世に出たそうだ▼あまりピンとこないが、数学・工学的には奇跡の産物だという。例えば宇宙船の着陸時など、様々な分野で応用が期待されている▼三角が生み出す幾何学的な構造美や天文との連動は、どこかピラミッドを想起させる。人は古来、単純な形の中に秩序や力を見出してきた。重力に抗い、なお安定し続ける構造は時に信仰の対象になり、永遠の象徴とさえ捉えられる▼そんな「形に託された祈り」が、今日に至るまで連綿と続いてきた。積み上げ、支え、崩れぬものをつくる―建設の現場に息づく営みもまた、人の祈りのかたちの一つだ。(鵯)
2025年7月17日
 日本人を語る上でよく取り上げられるのが謙遜の文化だ。日本社会では集団の一員として調和を保つことが重視されるため、自己主張を控えて謙遜し、協調性をアピールすることがよくある▼知人と会った際、あいさつ代わりに「最近どう?」「ぼちぼちだな」と話すのも一種の謙遜文化と言える。筆者も割と使う頻度が多い。どうやらこの言い回しは商都・大阪で広まった使い方のようだ▼ぼちぼちでは困るのが公共事業。年度当初から6月くらいまでで発注者からよく聞くのが「前年度並みの事業費をつけました」という台詞だ。物価高騰のなかで前年度並みということは、実質の発注量は減るわけで、それでは業者もやっていけない▼来年度の予算要求がそろそろ始まる。「ようけありまっせ」となるかは行政の腕の見せ所だ。(隼)
2025年7月16日
 日頃からよく使っている漢字は約3300年前、亀の甲羅や動物の骨などに刻まれた甲骨文字が起源とされる。その後、時代とともに形が変化し様々な書体が生まれてきた▼漢字には中国から伝わったもののほか、「国字」と呼ばれる日本特有の文字がある。国字は日本独自の文化や概念を表現するため作られた字が多く、1500文字ほど。漢字数の割合で見るとごく一部だという▼「枠」も国字の一つである。糸巻きの四角い道具を「わく」と呼んだことで木へんが使われ、卆は卒の略字。卒は「おわる」という意味だが、終了の終とは違い、「締めくくって一つにまとめる」という意味▼一般管理費や資材が上昇する中、建設業の予算枠はほぼ横ばいが続く。このままでいくと業界は死活問題。思い切った予算の確保が必要となる。(鴎)
2025年7月14日
 人手不足を背景に、企業で働く人材の高齢化が進んでいる。45歳以上の従業員が半数以上を占める企業の割合は6割超(64・2%)に上る。民間調査会社・東京商工リサーチの調べで分かった▼業種別でも建設業は70・4%と高い。若い人が入社するか、育つまでの間は、45歳以上の従業員をいかに重用するかが企業経営のポイントになりそうだ。上限を設けない雇用延長と、退職前の賃金を据え置くことも選択肢の一つ▼今の60歳前後から45歳までといえば、ちょうどバブル全盛期から就職氷河期の世代が混在する中高年の人たち。そろそろ、ずっと働き続けられる環境を求める時期に差し掛かる▼県内の業界でも「どこか建築ができる人はいないか」と、即戦力の人材を求める声がよく聞かれる。にわかに中高年の転職市場がわいている。(鷲)
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