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2018年7月5日
最近知ってとても驚いたデータがある。それは各国の公共事業費の推移だ。1996年を100とした場合、我が国の公共事業費は2012年には47%にまで落ち込んだ。実に半減以下だ▼他の先進国を見ると15年間でアメリカは2倍、イギリスは3倍、フランスは1・6倍、韓国は2・5倍、カナダは3倍に増えている▼一方で、台風に伴う豪雨やゲリラ豪雨など雨の降り方はこの20年間で1・8倍を記録している。以前よりも強靭な国土が求められる環境にあるのに事業費が伸びなければ必要な整備はなかなか進まない▼デフレや少子高齢化による社会保障費の増額など日本が抱える課題は多い。公共事業費の推移をみると、公共事業がその犠牲になっていると思えてならない。
2018年7月3日
「果たして落とし所はどこか」―建設コンサルタントの簡便型総合評価は試行から11年目。県は来年度から適用件数を増やす本格実施に向けて見直し作業中▼狙いは価格競争から抜け出すだけではなく、抽選の回避だ。総合評価は低入に一定の歯止めが掛かるメリットもある▼技術力の評価と受注バランス…両睨みの状況が続く。今のところ採点項目に変動はない見通し。ただ、業務成績は高止まりで差がつかないし、技術者の数や手持ち業務件数(受注減点)が鍵を握りそう。7月中にたたき台をまとめ、8月に業界との会合に持ち込む▼制度に100%完璧なものはない。各社の考え方に温度差があるなか、究極は上から下まで等分の痛み分けができるか。素案が固まってから激しい綱引きが始まりそうだ。
2018年6月27日
地震発生から10日近く経過した大阪北部大地震。日を追うごとに被害状況が大きくなっている。被災地域の方々には心よりお見舞い申し上げます▼今回の地震では、学校のブロック塀倒壊による死亡事故も発生した。鳥取県では早速、県有施設のブロック塀調査を行う一方、広く県民にチェックシートによる住宅ブロック塀の安全点検を呼びかけている▼地震や台風、噴火。また、豪雪、原発災害などの不安要素を多く抱える日本列島。決して油断しているわけではないが、常日頃から危機意識をもっと強く持続させなければならない▼足立敏之参議院議員が「インフラ整備を先進国並みに引き上げることが重要」と語るように、安全・安心の社会構築ための国土強靱化とインフラ整備の加速度を一層増していく必要がある。
2018年6月25日
先週、湯梨浜町はわい長瀬の天神浄化センターで、近隣住民を対象にした施設見学会が開かれた。同センターには、小学生やシルバー世代がよく見学に訪れるが、近隣住民にも下水処理に関する理解を深めてもらおうと、昨年から見学会を開いている▼下水道に限らず、建設業・製造業など現場の状況は、分かっているようで知らないことが多い。それが原因で、「うるさい」「危険」など負のイメージを抱かれることも、しばしばある▼近隣住民には正しい知識をつけてもらい、現場で何をしているか、何のために工事をしているかなどを把握してもらうことが重要だ。そのためにも、一般人にもっと関心を持ってもらい、理解を深めてもらえる見学会のような工夫は必要なのかもしれない。
2018年6月18日
ダンピング対策はどれほどのものか。4月から厳格化された県工事の低入調査。これまで県内向けに調査事例はない。低入であれば「施工体制」4点の加点がほぼなくなり、受注は遠ざかる▼試金石は20日開札の岩美道路鋼橋上部工だ。工事費10億円。鋼橋メーカーに対策は通じるか。技術提案型のため、「施工体制」に加点がなくても技術提案20点で逆転は可能な範疇だ▼低入では開札2日以内に下請け業者、資機材の状況など書類提出が求められ審査される。「施工体制が十分確認できる」と判断され、調査さえ潜り抜ければ…▼ここで「低入は出来るんだ」と見透かされてしまうと、他工事でも低入になだれ込むことも予想される。まずは20日の応札を見てから。ゼネコンやPC業者が注目している。
2018年6月8日
鳥取労働局によると、今年4月までに県内で発生した労働災害(休業4日以上)による死傷者数は166人(死亡1人)。このうち建設業は21人(死亡0人)。昨年と比べると、10件減少しているものの、依然として高止まりの状態にある▼業界は労働災害ゼロを目指し、安全スローガンの掲示や安全「見える化」運動などの取り組みで、日ごろから安全衛生活動を呼びかけている。また、これからの時期は7月1~7日の「2018年度全国安全週間」の準備期間として、安全大会を開く企業も多い▼取材に行くと、健康管理に関するもの、ヒヤリハット体験の披露、安全講話など、各社が個々の意識を高めるために様々な工夫を凝らしている。事故を防止するために不可欠な行事だ。
2018年6月7日
建設業に限らず、どの職種でも人手不足に伴う担い手の確保・育成が喫緊の課題だ。特に、介護・保育分野は深刻で、経営の存続問題にまで発展するケースも散見される▼一方、少子・高齢化を背景に事業継承も大きな問題となっている。「鳥取県は事業継承で悩んでいる経営者の割合が全国で3番目に多い」。過日、地銀OBはそう話していた▼日本の産業構造は典型的なピラミッド。後継者不足から中小企業の廃業が急速に進み、経済成長の抑制要因となることが懸念されている。しかし、経営者の高齢化は常態化しているものの、多くは対策を先送りしているという▼公共投資への依存度の高い鳥取県の産業界。大型プロジェクトが一つの山場を越えた今、先行きが不透明な公共投資を注視しながらも、これといった方策がないのが実情か。
2018年6月6日
先週、鳥取市が行った入札で落札決定後に積算ミスが見つかり落札を取り消す事態が発生した。その案件は、後日再入札する見通しだ▼今回のミスは些細なもので、修正しても予定価格は数万円しか変わらない。予定価格が事前公表されていた頃なら、誰も気づかずに通り過ぎていたことだろう▼それが発覚したのは、予定価格を事後公表にして積算の精度が受注に大きく影響を及ぼすようになったからだ。以前よりも積算にシビアになるのは、入札に参加する側として当然の対応だ▼数千万円の予定価格をピタリと当てる積算にどれほどの意味があるのか。各企業が技術力を伸ばしながら競い合っているとは言い難い面もある。入札制度に改善点はないものかとつくづく考えさせられる。
2018年6月4日
第一歩は踏み出せているか―建設現場の生産性向上が叫ばれて久しい。働き方改革、担い手育成といった業界が直面する課題の解消に近づいているか。「横ばいでは、いずれ下がる。常に少しずつでも上昇していかないと」。ある県OBがつぶやいた▼そうこうしているうちに他産業との競争に打ち負けてしまう。週休2日工事には適正な工期、経費が確保できているか、積年の課題である工事書類の簡素化は進んでいるかなど、まずは足元を見直さないといけない▼給与の改善だってそう。発注者は社長に求めるだけではなく、どうしたら安定した経営ができるか業界と膝を交えてよく議論する必要があるだろう。じゃないと「働き方改革」―耳当たりの良いかけ声だけに終わってしまう。
2018年5月24日
先日取材した、県内建設会社の若手入職者を対象とした土木研修会に女性が数人参加していた。女性技術者を積極的に育てようとする企業の姿勢に、建設業の担い手不足を本気で打開しようとする気概を感じた▼労働人口が減少する中で、人手不足が叫ばれているのは、建設業だけではない。全国の企業が人材確保に躍起になっている。「建設業は男社会」と固執していては、今後の人材育成に大きな遅れをとる▼女性技術者を育てるメリットは多く、現場の雰囲気が明るくなる、顧客に安心感を与えるなどが挙げられる。しかし現場では、女性用のトイレや更衣室が無いなど、整備が不十分であるなどの現場も未だに多い。女性にとって働きやすい環境を整えることも、重要な働き方改革のひとつ。
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