コラム

2018年8月22日
猛暑が落ち着きを見せたのも束の間、台風19、20号が西日本に上陸するようだ▼行政は自治体が提供する防災マップの活用を呼びかけるなど、絶えず日本を襲う自然災害に備えるよう注意を喚起している▼西日本に甚大な被害をもたらした7月豪雨では、県内でも避難指示が出された。避難所、経路を把握している住民はどれほどいたのだろう▼台風接近について「毎年のことだ」との声も聞くが、7月豪雨、これまでの猛暑はすでに異常だ▼もしかしたら「長年の経験」では対応できない台風が上陸するかもしれない。冬になれば想像もしなかった豪雪が襲うかもしれない▼命を落としてしまえば「想定外だった」という言葉では済まされない。身の安全を守れるよう備えておくことが大切だ。(鶴)
2018年8月6日
国や県が試行している週休2日工事。導入する企業が少数にとどまっていることから、問題点が見えてきた▼具体的には日給労働者の収入減少につながること、週6日働くことを希望する下請業者が離れる恐れがあること、工期が長くなることによるコスト上昇などが上げられる▼発注の平準化で年間稼働日数を上げること、経費を上乗せして週休2日でも従来通りの利益を確保できるようにすることなど発注者の協力が欠かせない▼もっと踏み込んだ意見としては、労務単価を引き上げた時のように、半ば強制的にやらないと定着しないという声も。労働人口が減少すれば、担い手の確保は、他産業との取り合いになる。行政と業界が協力して建設業を魅力ある産業に育てていかなければならない。(鷹)
2018年7月5日
最近知ってとても驚いたデータがある。それは各国の公共事業費の推移だ。1996年を100とした場合、我が国の公共事業費は2012年には47%にまで落ち込んだ。実に半減以下だ▼他の先進国を見ると15年間でアメリカは2倍、イギリスは3倍、フランスは1・6倍、韓国は2・5倍、カナダは3倍に増えている▼一方で、台風に伴う豪雨やゲリラ豪雨など雨の降り方はこの20年間で1・8倍を記録している。以前よりも強靭な国土が求められる環境にあるのに事業費が伸びなければ必要な整備はなかなか進まない▼デフレや少子高齢化による社会保障費の増額など日本が抱える課題は多い。公共事業費の推移をみると、公共事業がその犠牲になっていると思えてならない。
2018年7月3日
「果たして落とし所はどこか」―建設コンサルタントの簡便型総合評価は試行から11年目。県は来年度から適用件数を増やす本格実施に向けて見直し作業中▼狙いは価格競争から抜け出すだけではなく、抽選の回避だ。総合評価は低入に一定の歯止めが掛かるメリットもある▼技術力の評価と受注バランス…両睨みの状況が続く。今のところ採点項目に変動はない見通し。ただ、業務成績は高止まりで差がつかないし、技術者の数や手持ち業務件数(受注減点)が鍵を握りそう。7月中にたたき台をまとめ、8月に業界との会合に持ち込む▼制度に100%完璧なものはない。各社の考え方に温度差があるなか、究極は上から下まで等分の痛み分けができるか。素案が固まってから激しい綱引きが始まりそうだ。
2018年6月27日
地震発生から10日近く経過した大阪北部大地震。日を追うごとに被害状況が大きくなっている。被災地域の方々には心よりお見舞い申し上げます▼今回の地震では、学校のブロック塀倒壊による死亡事故も発生した。鳥取県では早速、県有施設のブロック塀調査を行う一方、広く県民にチェックシートによる住宅ブロック塀の安全点検を呼びかけている▼地震や台風、噴火。また、豪雪、原発災害などの不安要素を多く抱える日本列島。決して油断しているわけではないが、常日頃から危機意識をもっと強く持続させなければならない▼足立敏之参議院議員が「インフラ整備を先進国並みに引き上げることが重要」と語るように、安全・安心の社会構築ための国土強靱化とインフラ整備の加速度を一層増していく必要がある。
2018年6月25日
先週、湯梨浜町はわい長瀬の天神浄化センターで、近隣住民を対象にした施設見学会が開かれた。同センターには、小学生やシルバー世代がよく見学に訪れるが、近隣住民にも下水処理に関する理解を深めてもらおうと、昨年から見学会を開いている▼下水道に限らず、建設業・製造業など現場の状況は、分かっているようで知らないことが多い。それが原因で、「うるさい」「危険」など負のイメージを抱かれることも、しばしばある▼近隣住民には正しい知識をつけてもらい、現場で何をしているか、何のために工事をしているかなどを把握してもらうことが重要だ。そのためにも、一般人にもっと関心を持ってもらい、理解を深めてもらえる見学会のような工夫は必要なのかもしれない。
2018年6月18日
ダンピング対策はどれほどのものか。4月から厳格化された県工事の低入調査。これまで県内向けに調査事例はない。低入であれば「施工体制」4点の加点がほぼなくなり、受注は遠ざかる▼試金石は20日開札の岩美道路鋼橋上部工だ。工事費10億円。鋼橋メーカーに対策は通じるか。技術提案型のため、「施工体制」に加点がなくても技術提案20点で逆転は可能な範疇だ▼低入では開札2日以内に下請け業者、資機材の状況など書類提出が求められ審査される。「施工体制が十分確認できる」と判断され、調査さえ潜り抜ければ…▼ここで「低入は出来るんだ」と見透かされてしまうと、他工事でも低入になだれ込むことも予想される。まずは20日の応札を見てから。ゼネコンやPC業者が注目している。
2018年6月8日
鳥取労働局によると、今年4月までに県内で発生した労働災害(休業4日以上)による死傷者数は166人(死亡1人)。このうち建設業は21人(死亡0人)。昨年と比べると、10件減少しているものの、依然として高止まりの状態にある▼業界は労働災害ゼロを目指し、安全スローガンの掲示や安全「見える化」運動などの取り組みで、日ごろから安全衛生活動を呼びかけている。また、これからの時期は7月1~7日の「2018年度全国安全週間」の準備期間として、安全大会を開く企業も多い▼取材に行くと、健康管理に関するもの、ヒヤリハット体験の披露、安全講話など、各社が個々の意識を高めるために様々な工夫を凝らしている。事故を防止するために不可欠な行事だ。
2018年6月7日
建設業に限らず、どの職種でも人手不足に伴う担い手の確保・育成が喫緊の課題だ。特に、介護・保育分野は深刻で、経営の存続問題にまで発展するケースも散見される▼一方、少子・高齢化を背景に事業継承も大きな問題となっている。「鳥取県は事業継承で悩んでいる経営者の割合が全国で3番目に多い」。過日、地銀OBはそう話していた▼日本の産業構造は典型的なピラミッド。後継者不足から中小企業の廃業が急速に進み、経済成長の抑制要因となることが懸念されている。しかし、経営者の高齢化は常態化しているものの、多くは対策を先送りしているという▼公共投資への依存度の高い鳥取県の産業界。大型プロジェクトが一つの山場を越えた今、先行きが不透明な公共投資を注視しながらも、これといった方策がないのが実情か。
2018年6月6日
先週、鳥取市が行った入札で落札決定後に積算ミスが見つかり落札を取り消す事態が発生した。その案件は、後日再入札する見通しだ▼今回のミスは些細なもので、修正しても予定価格は数万円しか変わらない。予定価格が事前公表されていた頃なら、誰も気づかずに通り過ぎていたことだろう▼それが発覚したのは、予定価格を事後公表にして積算の精度が受注に大きく影響を及ぼすようになったからだ。以前よりも積算にシビアになるのは、入札に参加する側として当然の対応だ▼数千万円の予定価格をピタリと当てる積算にどれほどの意味があるのか。各企業が技術力を伸ばしながら競い合っているとは言い難い面もある。入札制度に改善点はないものかとつくづく考えさせられる。
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