コラム

2018年10月9日
小学生や中学生を対象とした建設業の魅力発信講座や現場見学会をよく取材する。このほど行われたのは、県などが主催した高架橋の現場見学会。今回は、現場見学や工事概要の説明だけでなく、上部工にチョークで絵を描くなどのイベントが催された▼参加した小学生は夢中で好きなキャラクターなどを描き、構造物はみるみるうちにカラフルに。時がたつに連れて描いた絵は見えなくなるが、その思い出はいつまでも児童たちの記憶に残るに違いない▼関係者は見学会の開催について「建設業に携わるきっかけのひとつにしてもらいたい」。現場見学は建設業界を知るきっかけとして大きな役割を果たしていると感じる。しかしその先、建設業に就きたいと思わせるには、何が必要かを同時に考えさせられる。(鴨)
2018年10月5日
消費税が5%から8%に引き上げられたのが今から4年前の2014年4月。高齢化で増え続ける年金や医療などの社会保障費を賄うためで、翌年の15年10月から10%にするはずだった▼しかし、アベノミクスが目標とする2%の物価上昇率は絵に画いた餅で、17年4月に延期。さらに、世界的な経済事情を理由に19年10月に再延期した▼その口実として持ち出された08年9月のリーマンショック。サブプライムローン(信用度の低い住宅ローン)を端緒とする世界的な金融経済危機から早くも10年が経った▼日銀が景気を刺激するため、16年2月から導入したマイナス金利政策で住宅投資は増えたが、内需の柱である個人消費はままならず。もっとも、頻発する大規模災害の影響を考えれば消費増税どころではないか。(鶯)
2018年10月4日
「昔は、災害は忘れたころにやってくると言われていたが、今は忘れないうちに次の災害がやってくる」。8月に開かれた技士会と鳥取河川国道事務所の意見交換会での影井一清東部技士会長のあいさつが印象に残っている。自然災害が大型化し頻発していることは誰もが実感しているだろう▼自然災害で被災した公共施設を修復することも建設業の重要な役割だ。しかし大きな災害が発生し、一度に多くの工事が発注されれば手が回らなくなる。すでに入札中止になる事態もあり、復旧を被災カ所の復旧を迅速に進めるためには工夫の余地がありそうだ▼自然災害は、県内の建設業者の都合など考えてはくれない。ここは発注者と業界が協力して乗り切っていかなければならない。(鷹)
2018年10月2日
週休2日工事の拡大に向け、県は10日以降の調達から試行要領を改定。国交省にならって経費を上乗せする。また、4週8休でなくても6休を取れれば経費をみる▼日給月給で現場に入る下請けを含め休みを取るにはどうすべきか。課題点を明確にするためにも、県は「とりあえず試行に手を挙げて」と呼び掛ける▼一方、ほんの僅かなことでも受注者側は利益に敏感だ。調査基準が予定価格の92%程度としていた県の当初説明が違うと噛み付いた。実際は91%台が大半だった。県は92%程度になるよう改めて算定式を見直す。11月ごろからだという▼働き方改革や生産性向上…頭じゃわかっているけれど。業界は日々、足元の経営に追われる。まずは経営の安定があって、はじめてこれらの課題に目は向けられる。(鷲)
2018年9月28日
台風24号が日本に接近している。今月4日、25年ぶりに非常に強い勢力を保ったまま上陸した台風21号は、西日本を中心に大きな被害をもたらした。記録的な高潮、防風による被害の爪痕は未だ癒えていない▼24号の勢力は21号並みで、東シナ海から北東に進路を変え、沖縄から北海道まで日本全体を縦断するルートが予測されている。このルートには見覚えがある。昨年日本を襲った台風18号だ▼台風18号は四国・九州を中心に河川を氾濫、市街地を冠水させた。鳥取県でも多くの施設が被災し、各業界が対応に追われた▼週末には上陸すると言われる今回の台風▼昨年の教訓を活かし、被害を最小限に食い止めるためには出来る限りの備えを確保しておくことだ。何か起こってからでは遅い(鶴)
2018年9月27日
10月1日からの1週間を全国労働衛生週間とし、労働衛生への国民の意識を高め、積極的に健康づくりに取り組む週間が始まる▼危険と隣り合わせの建設業において、労働災害の問題はついて回る。東南アジアのラオスで韓国の業者が施工中のダムが決壊し、多数の死者や行方不明者を出す事故が発生した。この業者は当初の計画よりも工期を5カ月短縮するとして落札した。ラオス側は「低水準の建設が事故の原因」とし、韓国に補償を求めている。これに対し施工業者は「大雨が原因」と主張している▼情報が少なく決壊の原因を特定することは難しいが、土木技術の集大成ともいえるダム事業で安全よりも工期や価格を優先したということであれば「天災」ではなく「人災」と言えるのかもしれない。(雛)
2018年9月14日
高齢化問題と言えば日本の人口のことを思い浮かべる人がほとんどだろう。それも大きな問題だが、同じように深刻なのが道路構造物の高齢化だ▼中国地方にある橋梁のうち建設後50年が経過しているものが全体の24%にあたる約1万4600橋。それが10年後には約半数、20年後には7割が建設後50年以上経過することになる▼トンネルも同様で、現在は建設後50年が経過しているものが全体の17%にあたる235施設。それが10年後には28%、20年後には47%に増える▼数字だけ見れば人口問題以上に深刻に見える。道路構造物の高齢化は毎年着実に進む。それに伴い維持補修にかかる費用も増えて行く。予算を確保するためには国民の理解が欠かせない。(鷹)
2018年9月12日
県発注の測量等業務に総合評価を本格導入する動きに業界が揺れている。8月に県が示した素案をめぐり各社は疑心暗鬼に▼1本目の受注減点は、金額の大小かかわらず一気にマイナス30点。2本目にはすぐに手が届かない。500万円前後の業務には、だれも最初から手を挙げないのではないか。いきなり優良業務を加点するのか…▼シミュレーションでは、総じて上位、下位ともに厳しくなる一方で、中間にいる層が若干優位になる。先行する工事の総合評価にしてもそう。自然と中間層が浮かび上がってくる。県は近く寄せられた意見への回答を業界に提示。10月にかけてキャッチボールして改正案を固める▼現時点では本格運用への道のりは険しく見える。急がず、部分的な適用で試行を継続するのが無難か。(鷲)
2018年9月10日
近い未来、労働の半分が人間からAI(人工知能)に代替可能になるという研究結果がある。代替できず、人間が担うであろう残り半分は創造性を要する業務だという▼日々進歩する技術で生産性を高めようと、国があらゆる分野でICT活用を推進している。建設業界においても、ICTを活用した施工技術は労働環境を変化させつつある▼「AIが人間の仕事を奪うのでは」と懸念する声もある。しかし、情報と技術はあくまで人間が使う「道具」だ。そろばんも計算機も同じ結果を求めるために使う道具だ▼これからは道具を活用し、人間ならではの創造力を存分に発揮する能力が求められるのではないか▼情報、技術に踊らされるのではなく、使いこなして何をするのかを考えるべきだろう。(鶴)
2018年9月7日
平成最後の夏は酷暑に見舞われ、また、数十年に一度の大型台風の襲来と北海道の大地震が、日本列島に大きな爪痕を残して終わった▼平成の30年間でも多くの自然災害が日本を襲った。その中でも地震は、阪神淡路大震災に始まり、東日本大震災や鳥取県も一昨年の中部地震では大きな被害を受けた▼一度被災すると復興するまでの道のりは険しい。東日本大震災は発生から7年以上経過した今でも完了していない。中部地震では、町には崩れてそのままの建物や閉店してしまった店などが見受けられるが、県市町村の公共施設の復旧工事は今年の5月に完了。発生から、2年半以上の時間を要した▼国民が安心して暮らすために、数々の災害を教訓にした、強靭な公共施設のインフラ整備が不可欠だ。(雛)
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