コラム

2019年10月1日
17年度から県が試行するICT(情報通信技術)活用工事はなかなか広がりを見せない。土工量5千立方㍍以上が「発注者指定」、1千立方㍍以上は「受注者希望」。17年度に8件、18年度は5件で試行している▼19年度は発注者指定3件、受注者希望34件を予定しているが、8月末までの実施件数は岩美道路の切盛土2件(田中組、吉田建設)にとどまる▼課題に挙がるのは、専用建機に初期投資がかかるし、現場レベルでやりたくても経営者がやりたがらない。また、ICTの活用で新たな人材の育成も欠かせない▼まず、必要なのは「ICTを導入すれば儲かる」といった仕組みづくりだろう。生産性が向上すれば、少ない人材で現場が回り、利益が出て給料も上がる―。試行錯誤できっかけを掴みたい。(鷲) 30行 上月
2019年9月26日
4月から働き方改革関連法の施行により有給休暇の取得が義務化された。法定の年次有給休暇付与日数が10日以上の全ての労働者が対象で、年5日使用者が労働者の意見を聴取した上で取得させるというものだ。建設業にも例外なく適用される▼有給休暇取得の義務化は、建設業で問題となっている慢性的な人材不足を解消する転機になるのではないだろうか。有給休暇の取得が促進されれば、若者の入職率と定着率の向上が期待でき、休日が少ないというイメージの建設業にとって大きなチャンスだ▼社会の変化に柔軟に対応していかなければ、会社の存続も危ぶまれる。建設業は、我々の日常生活における安全・安心を守ってくれる産業の一つ。企業存続のためにも有給休暇の取得が進んでいくことを応援したい。(雛)
2019年9月25日
18年度に発生した豪雨・台風災害を踏まえ、今年度の水防・ポンプ車訓練は米子県土局と日野県土局の合同での実施された。ポンプ車非所持の日野管内においても操作対応可能な人員を育成していくことで、有事の際の協力体制強化が見込める▼また、今年8月には米子県土局と西部建協青年部が、実に10年ぶりとなる協働での社会貢献活動を実施。これを端緒として、次代を担う若手人材の結束を強めていこうという意志が見て取れた▼新時代を迎え、建設業界全体が大規模革新を迫られる現在。山積する諸問題に対処していくためには、管轄の違いや発注者・受注者といった垣根を越えた緻密な連携が必須。同じ方角を見据えた、相互扶助の精神のもとでの発展。これらの取り組みがその萌芽となることを期待したい。(梟)
2019年9月19日
資本提携と業務提携。先日の報道で、SBIホールディングスと島根銀行が資本業務提携、とあった。ゼロ金利時代にあって、貸し出し中心の金融ビジネスも限界に至り、地方金融機関も大きな転換期の波が押し寄せていることを感じさせる。最大の要因はビジネスのグローバル化と人口減少▼業務提携、その最大のメリットは互いの利点を共有しながら競争力を強化できることにある。一方、資本提携となると、経営統合・合併へつながる大変革▼建設業界も、公共事業の変化や不安定化、人手不足、後継者不足等々を展望すと、将来的な不安要素が拭い切れない。安定経営、健全経営、そして社員を守り会社を守る。さらに事業拡大を目指すには、改めて企業ビジョンを見直さなければならない時代といえるようだ。(雀)
2019年9月18日
台風15号が首都圏を直撃して10日。今なお数万単位の世帯で停電が続く中、行政や企業の見通しの甘さに批判が集まる▼要因は数あれど、人的資源の不足から来る初動対応の遅さは大きい。また昨年の台風21号に続き近代都市を襲った未曾有の風・水害に対し、教訓を活かせていないとの指摘は否めない▼一方、被災から一年を経た県下では、人員不足から災害復旧工事を中心に不落札が相次ぐ状況。各自治体の疲弊も見て取れる。どちらもスピード感が求められる中、走るための体力が足りない▼片や、石川県のある地方銀行はいち早く事務手続き等の最適化を果たし、企業体力捻出のノウハウを地域へ還元しているという。勝因は強い危機感を背景にした初動の速さ。現状を把握し、行動を起こせるリーダーの育成は急務だろう。(鵯)
2019年9月17日
建設業の深刻な人手不足を解消するために、建設業振興基金が提供するサービス「建設キャリアアップシステム(CCUS)」が、4月から全国で運用を開始し、8月末時点で登録者数は10万人を超えた▼システムに登録することで技能者の資格や現場の就業履歴などが可視化でき、その人の能力や経験に応じた評価をすることで、技能者の処遇を改善することができる▼建設業は、人が支える産業だ。人手不足の今、現場で汗を流す人の処遇を軽んじることは、業界の衰退を招くことになる▼今後普及していくためには、業界の努力はもちろんだが、行政など発注者の協力は不可欠。そうすれば、業界側も後からそれに追随するかたちとなるだろう。CCUSの普及を左右するのは、発注者といっても過言ではない。(鴨)
2019年9月13日
「卵が先か、鶏が先か」。建設業界にとって工事書類の簡素化は昔も今も大きな課題であり、永遠のテーマだろう。良い工事現場の書類は整然としていて良い。これが転じて、いつしか、書類の良い現場は工事そのものも良いとなったそうだ▼総合評価入札の導入でますます工事成績への関心が高まり、書類を重視する風潮が書類を必要以上に増やしたのだろう▼今、働き方改革で、長時間労働の大きな要因となっている書類を簡素化する動きが各分野で加速しており、建設分野でも発注機関にそれを求める声は強い▼一方で、工事成績を上げたいという技術者の性(さが)で、「それじゃあ皆が同じような工事成績になる」ことへの抵抗感もあるという。ジレンマはあるが、マニュアルは何でも簡潔な方が役に立つに決まっている。(鶯)
2019年9月12日
鳥取市が建築A級を対象に試行する総合評価(特別簡易型)の入札がこのほど公告された。今年度は1件のみになりそうだが、来年度は増えていく見通しだ▼来年度には県の地域密着型にあたる特別簡易型(Ⅱ型)の試行も予定している。総合評価の導入は、今のところ建築A級だけの話だが、市の入札制度も県に近づきつつあると言えるだろう▼受注減点により評価点数が変動し、下位の業者にもチャンスが回ってくる総合評価。ある程度件数をこなさなければ、うまく機能しているかを見極めることはできない▼本格導入には、電子入札を整備することが必須と思われるが、導入が決まれば整備に時間はかからないだろう。入札制度の変革は思いのほか速いスピードでやってくるかもしれない。(鷹)
2019年9月11日
災害復旧工事に入札不調が相次いでいる。「平成30年災」は、7月豪雨と台風24号被害を中心に平成最大の被害に及んだ▼今年3月末まで県発注の災害復旧工事は60件以上が入札中止に追い込まれた。今年度に入っても7月末現在、全体の被害カ所のうち2割にあたる105カ所が未契約のまま。県は出水期明けにも着工できるようにしたいとしている▼が、どうか。人手や資材不足があるし、総合評価の「受注額」まで課せられれば、逃げ出してしまうのも致し方がない。県は来年度に向けて災害復旧を受注額に計上しない検討に入っている▼ただ、それだけでは根本的な課題から目をそらしているかのようにみえる。そもそも設計が現場の実態に合っているのか、ここにメスを入れない限り解決は図れまい。(鷲)
2019年9月9日
建設業界の労働災害は、18年に1万5374人が被害に遭い、このうち死亡者は309人。1961年をピークに建設業界の労働災害は減少傾向にあるが、業種別では最も死亡災害が多いという状況が続く▼働き過ぎが課題となっている日本では、それだけ労働災害の危険に身を置くことになる。人間の注意力には限界があり、長時間労働の是正、週休2日の確保は安全面からも早急に実現しなければならない▼労働災害は夏場に多く発生すると言われている。だが、これからも注意が必要で、残暑もまだまだ厳しく、また台風シーズンも到来する。特に屋外や狭い空間での作業が多い建設業では対策には十分配慮しなければならない。そのためにも安全対策経費は十分に確保しなければ掛け声だけで終わってしまう。(雛)
1 127 128 129 130 131 154