コラム

2019年9月17日
建設業の深刻な人手不足を解消するために、建設業振興基金が提供するサービス「建設キャリアアップシステム(CCUS)」が、4月から全国で運用を開始し、8月末時点で登録者数は10万人を超えた▼システムに登録することで技能者の資格や現場の就業履歴などが可視化でき、その人の能力や経験に応じた評価をすることで、技能者の処遇を改善することができる▼建設業は、人が支える産業だ。人手不足の今、現場で汗を流す人の処遇を軽んじることは、業界の衰退を招くことになる▼今後普及していくためには、業界の努力はもちろんだが、行政など発注者の協力は不可欠。そうすれば、業界側も後からそれに追随するかたちとなるだろう。CCUSの普及を左右するのは、発注者といっても過言ではない。(鴨)
2019年9月13日
「卵が先か、鶏が先か」。建設業界にとって工事書類の簡素化は昔も今も大きな課題であり、永遠のテーマだろう。良い工事現場の書類は整然としていて良い。これが転じて、いつしか、書類の良い現場は工事そのものも良いとなったそうだ▼総合評価入札の導入でますます工事成績への関心が高まり、書類を重視する風潮が書類を必要以上に増やしたのだろう▼今、働き方改革で、長時間労働の大きな要因となっている書類を簡素化する動きが各分野で加速しており、建設分野でも発注機関にそれを求める声は強い▼一方で、工事成績を上げたいという技術者の性(さが)で、「それじゃあ皆が同じような工事成績になる」ことへの抵抗感もあるという。ジレンマはあるが、マニュアルは何でも簡潔な方が役に立つに決まっている。(鶯)
2019年9月12日
鳥取市が建築A級を対象に試行する総合評価(特別簡易型)の入札がこのほど公告された。今年度は1件のみになりそうだが、来年度は増えていく見通しだ▼来年度には県の地域密着型にあたる特別簡易型(Ⅱ型)の試行も予定している。総合評価の導入は、今のところ建築A級だけの話だが、市の入札制度も県に近づきつつあると言えるだろう▼受注減点により評価点数が変動し、下位の業者にもチャンスが回ってくる総合評価。ある程度件数をこなさなければ、うまく機能しているかを見極めることはできない▼本格導入には、電子入札を整備することが必須と思われるが、導入が決まれば整備に時間はかからないだろう。入札制度の変革は思いのほか速いスピードでやってくるかもしれない。(鷹)
2019年9月11日
災害復旧工事に入札不調が相次いでいる。「平成30年災」は、7月豪雨と台風24号被害を中心に平成最大の被害に及んだ▼今年3月末まで県発注の災害復旧工事は60件以上が入札中止に追い込まれた。今年度に入っても7月末現在、全体の被害カ所のうち2割にあたる105カ所が未契約のまま。県は出水期明けにも着工できるようにしたいとしている▼が、どうか。人手や資材不足があるし、総合評価の「受注額」まで課せられれば、逃げ出してしまうのも致し方がない。県は来年度に向けて災害復旧を受注額に計上しない検討に入っている▼ただ、それだけでは根本的な課題から目をそらしているかのようにみえる。そもそも設計が現場の実態に合っているのか、ここにメスを入れない限り解決は図れまい。(鷲)
2019年9月9日
建設業界の労働災害は、18年に1万5374人が被害に遭い、このうち死亡者は309人。1961年をピークに建設業界の労働災害は減少傾向にあるが、業種別では最も死亡災害が多いという状況が続く▼働き過ぎが課題となっている日本では、それだけ労働災害の危険に身を置くことになる。人間の注意力には限界があり、長時間労働の是正、週休2日の確保は安全面からも早急に実現しなければならない▼労働災害は夏場に多く発生すると言われている。だが、これからも注意が必要で、残暑もまだまだ厳しく、また台風シーズンも到来する。特に屋外や狭い空間での作業が多い建設業では対策には十分配慮しなければならない。そのためにも安全対策経費は十分に確保しなければ掛け声だけで終わってしまう。(雛)
2019年9月4日
業界の大きな課題は人材確保と育成。官民挙げて各施策が展開されているが、一方で、社員の質的向上も図っていかなければならない▼今、上司が部下と1対1で面談する「1(ワン)on1(ワン)ミーティング」が注目されている。従来の上司から部下への一方的な教育とは異なり、上司が部下からの話をしっかり聞き取り、今後の行動をサポートしていくやり方で、テーマを先に決めて、仕事の悩みや体調、メンタル、ワークバランスなどについて、現状の課題や改善策等をどう考えているかを引き出していくもの。話しは部下が全体の7割り程度を占めることが理想的という▼「1on1ミーティング」は、個の質的向上と定着率のアップ、さらに生産性を高めるための時代が要請する新しい社員教育のあり方でもあるようだ。(雀)
2019年9月3日
先日、女性活躍推進セミナーが県庁で開かれた。建設業経営者や女性技術者などが、建設業で女性が働く上で課題となっていること、改善すべきことなどをピックアップし、その対策案などを話し合った▼女性が働きやすい職場は男性も働きやすい、とよく言われるように、より多くの女性就業者を増やすことで、業界全体の就労環境を改善することがねらい▼女性がいることで、顧客が安心する、現場の雰囲気が明るくなるなどのメリットはあるが、家庭との両立など、まだまだ弊害が多いのも事実▼現場での女性用化粧室・更衣室の設置など、各社で取り組めるところは早急に取り組み、出産・育児などの早期解決が難しい問題については、業界全体を巻き込んで少しずつでも解決へ向けて進んでいきたい。(鴨)
2019年9月2日
冠婚葬祭の形態も簡素化の流れで大きく変化している。かつて、派手に行われた結婚式も地味婚が主流になり、籍を入れるだけの無(なし)婚も少なくない▼葬儀も然り。新聞のおくやみ欄を見ても、身内だけで葬送する家族葬が増えつつある。近年、お墓の墓場が話題になっている。やむにやまれず、先祖伝来のお墓をしまう子孫も多い▼止まらない都市への人の流れ。地方の人口減少はまるで秋の日のようだ。それに伴い、空き家が増えるのは当然だ。これを受け、国では個人が不要になった土地や建物を国や自治体に寄付できる制度を考えているという▼地価の下落は落ち着いた感はあるが、資産には正と負があるように、「タダでも」誰も見向きもしない土地も多い。国土の均衡ある発展は望めないか。季節は夏から秋へ。(鶯)
2019年8月30日
先日、県東部土木施工管理技士会と鳥取県土整備事務所、県測量設計業協会東部支部の3者交流会が開かれた。技士会の呼びかけで毎年開催しているもので、毎回忌憚のない意見交換がなされている▼それぞれ立場は違うが、良質な社会資本を安全に作るという目的は同じ。それぞれの業務が円滑に進むよう意思疎通を図ることが重要だ▼今回は、ある工事の事例について、技士会から県測協に設計の考え方について質問する場面があった。設計書通りに施工するのは当然だが、設計の意図を理解すれば施工の注意点も変わってくるという▼これには福政所長も「気づかなかった」と驚いた様子だった。3者間の意思の疎通が何よりも大切。それがそれぞれの技術力の向上と円滑な業務の遂行につながると感じた(鷹)
2019年8月29日
「儲けを出すには、現場を早く叩いてなんぼ」―染み付いた体質はなかなか入れ替えられない。「働き方改革」で、建設現場に週休2日制を定着させるには何が必要か▼「人を増やすにも(会社に)入ってこない。例え人が来たって今度は人件費がかさむ」とは、八頭管内のA級業者。「書類作りも夜遅くまでやっているし、休みが多くなれば余計に負担は増える」と続ける▼入札制度も影響している。予定価格の中にみてある一般管理費は半分以下で取らされる。これでは人員を増やす余裕などなく、今現在、現場で働く人たちの待遇改善だって遠ざかる▼とはいえ、県の受注者アンケートでも7割以上が週休2日制の必要性を認めている。日給作業員の課題とともに、工事書類の簡素化と諸経費のさらなる上乗せは避けて通れない。(鷲)
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