コラム

2025年5月29日
 米価の高騰が続き、政府が備蓄米を放出するなど、対応に追われている▼前任者の失言に伴う更迭を受け、新たに就いた小泉進次郎農相は「店頭価格2千円台」を掲げ、入札方式の切り替えなどで米価下落を推し進めるが、効果が出るかは不透明。余りに下がると、生産者の営農意欲は失われる。参院選を前に対応を誤れば、政権支持率のダウンは確実で、バランスが難しい▼「落ちない」と言えば、足元の業界で入札不調が早くもいくつか。業者は、複数の発注機関の入札予定、工事の内容を吟味し、応札のタイミングを窺っているようで、根底には技術者数が限られていることがある。ランク変更による再公告など、発注機関も落札に向けて策を練っており、こちらも舵取りが難しい。(鴛)
2025年5月28日
 薬局へ処方せんを持っていったが在庫が無く、薬剤師が近隣の薬局まで調達に走っていった―そんな経験はおありだろうか▼薬品は約2万種類あり、卸への注文は箱単位。隣の病院から来る患者の需要はある程度予想できても、2~3割を占めるイレギュラーな処方のために薄く広く在庫を持つのは困難。薬局間での薬の融通は年3千万回、地球225周に達する頻度で起きているという▼課題に目をつけた製薬大手が、AI予測を使った置き薬事業を立ち上げた。29年には20億円規模の成長が見えているといい、民間の新規事業アワードで大賞を受賞した▼必要な時に必要なものを、過不足なく届ける。その知恵は建設資材のようなテーマにも応用できそうだ。(鵯)
2025年5月26日
 先日、タクシーに乗車した際のベテラン運転手が「運転手の質が落ちている」と言っていた。正直、その通りと感じた。車を運転する時に、危ない運転をするタクシーに遭遇したことが何度かあったからだ▼そのベテランの方が言うには、新人に研修で一通り教えた後は即戦力として実務に就かせるため、マナーなど気遣いの面が欠如している運転手が増えたという。たしかにベテランの方は、運転はもちろん、接客もすごく丁寧で、乗車していて気持ちが良かった▼タクシー業界に限らず、建設業をはじめどの産業も人手不足。国も免許や資格取得の条件を緩和しているが、仕事の質という面で影響が出ているのでは▼質の向上にはベテランの背中を見て技術を盗むのがやはり良いのだろう。考えが古いと言われるかもしれないが。(隼)
2025年5月23日
 今日23日は「世界亀の日」。アメリカの非営利団体が亀の生存繁栄のため、人間の行動を奨励する日として2000年に制定した記念日となる▼亀は昔から縁起物の動物として重宝されているが、なぜ縁起物になったのか。その一つに昔話の浦島太郎が関係あると言われている。その結末は様々あるが、玉手箱の中には長寿の薬が入っており長生きした伝説が残る。そのため亀は良縁をもたらし、長寿の縁起物と考えられるようになった▼亀の甲より年の劫―日常でもたまに耳にすることわざ。年長者の知識や経験は貴重であることを意味し、日本人の性質をよく表している▼時代を築き上げた知識や経験という技術継承は必要になる。未来ある若手技術者は知識や経験を引継ぎ、亀のような忍耐力が必要になってくる(鴎)
2025年5月22日
 春から梅雨入りまでのこの時季、我が家の中を北から南に吹き抜ける風が心地いい。新聞や本を読むのも、うたた寝するもよし。ゆったりとした時間が、優しい風とともに流れゆく▼ところが、築40年の木造家屋。床はきしむし、タイル張りの風呂場も汚れが目立つ。リフォームを考えなくてはならないのだが、建ててもらった材木店は今、存在しない▼国勢調査によると、全国の「大工就業者数」は20年間で半減。2020年には30万人を割った。新設住宅着工戸数の減少率を上回るペースで大工がいなくなっている。しかも高齢化と、なり手不足の二重苦▼注文住宅の建築費用も10年前の倍近くに跳ね上がったと聞く。人夫賃が増えればさらなる高騰も予想される。「そろそろリフォームでも」とは、簡単に腰が上がらなくなってきた。(鷲)
2025年5月21日
 最近テレビ番組を見る機会が激減した。番組の内容に対して不満があるわけではなく、たまに見るとちゃんと面白い▼スマホなどで動画配信サービス、ユーチューブなどを見ることが当たり前になった。それは自分の好きなタイミングで、好きな内容を見られるということだ。その便利さを知ってしまうと、タイミングも内容も自分で選べない事が窮屈に感じてしまう▼しかし、それはテレビの強みでもある。同じ番組を同じ時間に多くの人が見るからこそ生まれる盛り上がりもある。最近はSNSで視聴者たちが番組を実況することで、予想以上の反響になることも多く、窮屈と感じたものにこそ価値を感じる人もいる▼建設業界も技術が大幅に進歩している。急速な変化が起こるこの時代、多くの人と足並みをそろえていくために、新旧で良し悪しのバランスを取ることが必要だ。(雛)
2025年5月19日
 知人に「山の景色がきれいになった。特に朝がいい」という言葉に誘われ、休日の早朝に鳥取市佐治町にある県境の峠に向かった▼取材で何度も訪れるエリアだが、目的が終われば季節の移り変わりさえ感じる余裕もなく、引き返す。今の季節は若葉が一気に芽吹く。この日は、山の新緑をゆっくり眺めた▼知人に聞くと、早い時間に自宅を出て佐治町内の工事現場に向かう。地形が険しく、山に挟まれた場所は秋になると「平地よりも日暮れの時間がとても早い」▼2年前に発生した豪雨災害の復旧工事も7割が完了。真新しいコンクリートの護岸はまぶしいし、幹線道路の片側通行区間も減ったが、今も工事に携わる多くの人が現場にいる▼周辺の農地には、水が張られた田んぼも多くある。季節は初夏へと向かうが、同時に梅雨入りも近づく。(鷺)
2025年5月16日
 物価高や米国の関税措置を受けた経済対策としての消費税減税に、賛否が渦巻いている▼野党は強力な手段となるとして、食料品を中心に税率引き下げを迫る一方、石破茂首相は財源重視の方針を前面に出し、慎重姿勢を崩していない。夏の参院選を控え、具体的な経済対策を打ち出さなければ「無策」との批判を受けかねないため、自民参院側、公明党内からも減税を求める声が上がり、軽減税率を0%に、との意見も。議論の行方はどうなるのか▼業界で率といえば、最低制限価格の設定率を上げる改定が全国だけでなく、県内でもいくつか。将来にわたる公共工事の品質確保はもちろん、業界の課題となっている中長期的な担い手確保につながる内容。引き下げでなく、引き上げの動きが進んでほしいものだ。(鴛)
2025年5月15日
 先の連休中に水墨画の展示を鑑賞する機会があった。黒一色の濃淡で描き出された山陰の原風景は、不思議と色彩を放って見えた▼水墨には「減筆」という技法がある。筆数を極力省き、あえて「描かない」ことで見る者の想像を掻き立てる。余白に情感を見出す東洋の美意識が色濃く反映されたものと言えるだろう▼建設の仕事も同じように、完成した構造物だけでは語り尽くせない。測量に始まり、現場の調整、住民との折衝―図面に残らぬ「余白」に目を向ければ、そこに人の技や心が滲んでいる▼無数の筆致が一幅の画を成すように、無名の手仕事が重なり合い、やがて一つの形が浮かび上がってくる。しかし描かれぬ部分に潜む美しさもまた、出来上がった作品の一部なのだ。(鵯)
2025年5月14日
 まだ5月だが夏の足音がすでに近くまで来ている。年々、夏と冬の割合が増え、日本の四季が失われつつある。身体の順応が追い付かない▼夏が近づくにつれて増えていくのが、全国各地で開催される音楽フェス。規模の大小、プロアマを問わず、毎月かなりの数のフェスが開催されている▼音楽フェスが開催されることで、地域経済への波及効果は膨大なものとなる。規模にもよるが少なくとも数億円から百億円台が見込まれる。フェス開催で会場周辺のインフラや宿泊場所などの整備も促進され、開催地、ひいては周辺地域の活性化にも期待ができる▼さて山陰に目を向けてみると、いくつかフェスがある。ただ、歴史が浅いものもあり、地域活性化の面ではイベントを継続的に開催する必要がある。そのためには官民連携が必要だ。(隼)
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