コラム

2026年1月30日
 学生向けの金融教育に携わる教育者から聞いた話で、次のような質問をよく投げかけるという。「将来次の3つのうち何をしたいか-①年収の高い仕事②投資で稼ぐ③社会のために働く」▽回答は概して①が5割、次いで②が3割。残り2割が③だそうだ。「最近の若者は現実的」と片付けるのは簡単だが、危機感を煽るマネー情報の氾濫が、豊かさの基準を金融資本の一点突破に導いている側面もあるのでは▽建設の仕事は冒頭の選択肢で言えば③に当たるだろう。しかし人的資本と社会関係資本が濃密に、そして目に見える形で結晶化する場でもある▽誰にも奪われず、インフレで目減りしない資本を築けるのが業界の強み。それが巡り巡って豊かな金融資本にもつながり得ることを、次世代に示す必要がある。(鵯)
2026年1月29日
 最近「平成レトロ」という言葉を耳にする。いわゆるZ世代に1990年代から2000年代に流行ったものがリバイバルヒットしているようだ。その時期に子どもだった筆者からすると、平成がなんだか遠く感じてしまう▼ファッションやグッズなどは流行が一周するとよく言われる。仕事はどうか。流行はあるが一周するかは微妙。ただ、これから伸びる業界の一つに農業業界が入っている。人手不足が課題だが、AIなどを導入したスマート農業、そして生活に欠かせない業界の一つということで、成長が見込まれるようだ▼建設業界も人手不足は喫緊の課題だが、インフラ自体がなくなることはない。仕事はなくならないが、人材確保をどうするか。建設DXはもちろんだが、学生へのアプローチもさらに重要となりそうだ。(隼)
2026年1月28日
 今日28日は「逸話の日」。日付の語呂合わせで「い(1)つ(2)わ(8)」と読むことに由来する。歴史的・人物的な逸話を語り合い、物事の本質を探る日とされる▼人の営みの中には、書物や記録には残らない心に残る出来事や経験談が数多く存在する。先人の判断や工夫、困難を乗り越えた体験などが語り継がれてきた▼今年から放送開始となった大河ドラマの「豊臣兄弟」。豊臣秀吉が小田原攻めで築いた「一夜城」は、事前に部材を準備し、短期間で組み上げた計画的な工事だった。段取りと準備、工程管理の重要性を今に伝える逸話である▼こうした話は、時代や世代を超えて行動の指針となり、技術や安全意識の継承にもつながる。逸話の日を機に、日常や仕事の中にある出来事をあらためて振り返りたい(鴎)
2026年1月26日
 「一月往ぬる(行く)」―とは、よく言ったもの。月日の経つのは早い。年明け6日に島根県東部を震源とする地震に見舞われ、新年あいさつを後回しにして取材に▼あれから、もう20日間が過ぎた。幸い人命に関わる甚大な被害には至らなかった。そして、次々に各団体の新年会、週末の大雪…極めつきは突然の衆議院解散だ。あす27日に公示され、2月8日投開票される。急ごしらえの新政党もあり、鳥取1、2区とも賑やかな選挙戦になりそう▼一方、仕事の確保を算段する業界からは「総選挙をやっている場合か」との声が聞こえてくる。選挙のために新年度当初の国予算は暫定予算となり、業界への影響は▼これから年度末にかけて、決して潤沢とは言えぬ国補正の発注も本番を迎える。「二月逃げる三月去る」慌ただしい毎日が続く。(鷲)
2026年1月23日
 「クルマ」の進化は目まぐるしい。従来のガソリンエンジン車やエンジンとモーターのハイブリッドに加えて、電気自動車も見かけるようになってきた▼昨年開催されたジャパンモビリティショーでは、中国のBYDが軽自動車規格の電気自動車を発表。日本メーカーも軽自動車規格のEVはあるが、スーパーハイトと呼ばれるサイズの車両投入は初となる。2026年度発売とのことだが、どこまで売れるか注目したい▼建設業界では、国土交通省が建設機械の燃料に「軽油代替燃料」を活用した。建設機械の分野では、40年までに約6割のCO2削減を目標に掲げている。同モデル工事では、環境に優しい燃料であるHVO(水素化処理植物油)などでの代替を想定している▼自動車や建設機械が将来どうなっているのか。未来でも活躍できるように持続可能なものとして残っていってもらいたい。(雛)
2026年1月22日
 「三寒四温」という言葉が待ち遠しいほど寒い日が多い。自然が相手なので仕方がないが、雪が積もれば車での移動にも神経を使う。寒さも雪もまだ続く▼積雪が予想されると、県が発信する「あんしんトリピーメール」が絶え間なく届く。気象情報と同時に道路の通行止めや公共交通機関の運休情報が大量に流れて、気が滅入る日もある▼世間からは「道路を止めるのが早すぎる」という声も多く聞く。普段は静かな山あいの町の道路は積雪もあって渋滞した。早めの安全対策は欠かせないが、あの地で暮らす人々からも理解を得たい▼除雪に携わる人の声を聞く。一般の人には見えないが、過酷で危険な現場での作業だ。体力も神経も磨り減ると話す。経験を積み重ねた技能と地域を守る使命感に感謝の言葉を贈ろう。そして、後継者の育成が急がれる。(鷺)
2026年1月21日
 1930年代の映画『モダン・タイムス』で、チャップリンが巨大な歯車に巻き込まれる場面は、人を楽にするはずの技術に人がのみ込まれていく不安を象徴していた。思わず身をすくめる、痛みを伴う光景である▼今月、鳥取・島根で地震が発生した際、SNS上には被害を誇張した映像や画像が出回った。生成AIによって作られたとみられる悪質なデマも確認され、不安を煽る事態となった▼建設業界でも生成AIの活用を模索する動きがある一方、県内関係者からは「何が本物で、何が作られた偽物か分からない時代になった」との声が上がる。倫理や法的責任を見据え、使いこなす側の自覚が問われている。▼人を助けるために進化した技術が、使い方を誤れば他者を陥れ、社会全体の信頼を壊す力にもなり得る。歯車に挟まれるような感覚が、決して他人事とは思えなくなってきた。(鸛)
2026年1月19日
 首相が衆院解散の意向を固め、きょうにも表明する見通しという。来月8日の投開票が有力とされ、真冬2月の実施は36年ぶり▼野党側では、高いレベルでの連携を検討した立憲民主党と公明党が新党を結成。それぞれ「自己都合」「野合」との指摘があるが、政治家は選挙に落ちればただの人。「数は力」であり、手段は問わないということか▼新年度予算案や税制改正法案の成立が遅れ、業界への影響が懸念される中、足元では補正予算を受けた事業が回ってくる。発注者が主体となり夏場の作業を避けた工期設定をするほか、柔軟な設計変更への対応など、不調・不落がないよう努めてほしい。与野党の攻防は気になるところだが、発注者と受注者の連携は、どんどんあっていい。(鴛)
2026年1月16日
 旧暦では冬至を境に本格的な冬が始まる。1月20日頃から差し掛かる「大寒」は二十四節気の最後に置かれ、来る春を待つための仕込みと清めの時だ▼節目は本来そうした準備を重ねて迎えるものだけに、突如「解散」の二文字が駆け抜けた永田町の動揺はいかばかりか。風下に立つ公共事業の受発注者にとっても、予算審議の停滞や発注時期の不透明化は頭の痛い話だろう▼しかし政策より政局が争点となる今回の喧騒を、大衆はやや遠巻きに眺めているようだ。どれほど旗印を掲げようと、やはり足下の雪が解けなければ踏み出せないもの▼太陰暦にあっては、冬の底を経て日差しが力を取り戻していく日々を「一陽来復」と言い習わした。現場で動かす手元にまで熱を届ける、真っ当な春の到来を望む。(鵯)
2026年1月15日
 先週末は寒気が流れ込み、日本海側の各地で雪模様となった。鳥取も雪が積もり、除雪作業に追われた人も多かったのではないだろうか。ドカ雪ではなく適度な量で降ってもらいたいものだ▼冬場は受験シーズンでもある。県内でも私立高校の入試が始まっている。一方、県立高校入試は3月だが、心配なのは実業高校の定員割れ。特に東部の鳥取工業などでその傾向が顕著で、昨年3月の入試では大幅な定員割れが見られた。今年はどうなるかまだ分からないが、定員割れの状況は続くだろう▼業界では従来、実業高校から募っていた人材を普通科高校にも広げるなど人材確保のために様々な工夫を施す▼業界も以前に比べれば働きやすい環境になっているはず。今は辛抱の時期かもしれないが、春の来ない冬はないと願いたい。(隼)
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