コラム

2020年11月19日
菅内閣での「脱ハンコ」の動き。行政上の手続きで無駄な押印を廃止し、デジタル化を進めるものだが、建設業と行政間でも無駄をなくす動きが進んでいる。ただ、この動きは本当に無駄をなくせているのか▼先日、ある意見交換会で材料搬入報告書のことが議題に挙がった。従来書類と写真を提出していたが、納品書のコピーなども代用可となった。しかし、「検査時に写真がないと指摘されるかも」と、多くの業者はこれまで通り写真を撮っており「写真を撮る作業は減らないのでは」と業界から疑問の声が挙がった▼この場合は担当課と検査専門員との間で話が詰め切れていないのが原因の一つだが、似たことは世の中に多々あるのでは▼一つのことを注目するだけでなく全体も意識して無駄を省くことが真の業務効率化だと感じている。(隼)
2020年11月18日
14日に山口県上関町で本州と離島をつなぐ橋の接続部分に20㌢の段差が発生し、橋を渡っていた乗用車1台が段差に衝突する事故が発生した。事故があった橋は、架設から50年以上経過しているが、3年前の点検では異常はなかったそうだ▼これも今は一地方の稀有なニュースという扱いだが、急速に老朽化する構造物を前に、今後は全国的に起きても不思議ではない状況だ▼現に、2014年度からの1巡目点検で、措置すべき状態と診断された橋梁について、地方公共団体の修繕措置の着手率は34%にとどまっている▼限られた予算の中で、優先順位をつけて効果的に事業を進めていくのは、非常に難しい。ただ、後回しにして取り返しのつかない事態となることだけは絶対に避けなければならない。(鴨)
2020年11月17日
県東部土木施工管理技士会は、このほど鳥取工業高校の生徒と交流会を開催した。技士会が2018年度から毎年1回行っているもので、今年で3回目。2年生19人が現場を見学した後、同校を卒業し地元建設業で働く若手社員と意見交換した▼参加した技士会の役員は「僕らの高校生の頃とは話を聞く態度や姿勢がずいぶん違う」と戸惑い気味に話していた。いつの時代も世代間にはギャップがある▼若年層の入職と定着が喫緊の課題となっている建設業。学生や若者に建設業の魅力をPRする機会は今後も増やしていかなければならない▼ただし魅力がなければいくらPRしても若者の心には響かない。待遇や職場環境を魅力あるものにしていくことも喫緊の課題だ。建設業の働き方改革が進むことを期待したい。(鷹)
2020年11月16日
「まさか、このまま終わるんじゃ」。9月末の上半期を終え、年度末までの仕事量を心配する声が業界にあったが、ようやく「補正」の話が聞こえてきた▼政府は第3次補正予算案を12月中旬までに決定し、来年1月の通常国会に提出する。中身は新型コロナ関連、そして国土強靭化を柱に据えた。最終年度の「国土強靭化3カ年緊急対策」も実質、20年度補正から継続されそう▼さて、補正の受け皿となる業界の現状はどうか。建設業協会によれば、散見される入札不調は発注時期や技術者配置が要因ではないときっぱり。ましてや「人手不足」を理由にして、予算を付けても無駄と捉えられては困るという▼どうやら不調の原因は設計内容に問題がありそうだ。ならば、そこら辺りを発注者に直してもらうとして、あとは補正の規模感。(鷲)
2020年11月12日
アメリカとドイツが開発を進める新型コロナウイルスワクチンの臨床結果が報道され、9割以上の効果があると聞き喜ばしい気持ちになった。ウイルスから身体を守ってくれるワクチンはありがたい限り▼さて、建設業界のワクチンはなんだろうか。業者に訪問した際、「来年度の公共事業予算が削減されるのか」という声が耳に届くことが多い。その反面、公共事業の予算が増えるだろうと期待する業者も中にはいる▼民間受注が低迷期でも公共投資は景気の大きな支えになる。これを唱えたのはケインズの乗数理論。建設業界が関わる公共事業、インフラ整備などの公共投資が景気を牽引する▼公共投資こそ建設業界のワクチンだろうと思う。日本経済そして鳥取の経済のため建設事業の予算確保に期待する。(鴎)
2020年11月11日
今年も都道府県の魅力度ランキングが発表された。鳥取県は40位で、昨年から一つ順位を上げた▼建設業にはまだ「きつい、汚い、危険」の3Kのイメージが根付いている。業界では「給与、休暇、希望」の新3Kへと魅力向上に取り組んでいるが、安全・安心を守り、まちづくりを担う建設業の魅力がなぜ伝わらないのだろうかと思う▼日々の取材を通し、いかに建設業が人々の生活を支えているのかを痛感する。道路を1本通すのに、どれだけの人が関わり、頭を悩ませながら働いたのか。ひとたび開通してしまえば、その道路がある状態が当たり前になってしまう。日常の「当たり前」を作り上げ、守っていくのが建設業だ▼今後も業界のイメージアップへとつながる情報発信を常に心掛け、その一助となりたい。(雛)
2020年11月10日
建設工事におけるICT活用は、業界の今後を考える上で大きな課題の一つ。未だ道半ばといった所ではあるが、実施要領改訂でLightICTが導入されたことで、取り入れる企業も少しずつ増えてきているように感じる▼先日、発注者立ち合いの元でICT重機の施工現場を見学する機会があった。衛星データを受信する仕組みや、衛星が山地に遮られるといった地形による影響。その他実際の施工の様子も含め、机上の講義だけでは把握しにくいICT土工の実態を体感的に学ぶ事ができ、大変身になるひと時となった▼業者も発注者も、先端技術であるICTについて必ずしも熟知出来ている訳ではない。実際に触れて確かめられる機会を積極的に設けることで、理解を促進させて更なる発展に繋げられるのではないかと思う(梟)
2020年11月5日
残り2カ月を切り、今年も今月7日から「ゼロ災55」無災害運動が展開される▼慌ただしい年末に増加傾向にある労働災害を減らそうとする取り組みで、期間中は労働局や労基署、各業界団体などが安全パトロールを行い、労働災害防止の徹底を呼びかける▼転落・墜落事故はもちろん、本県のような寒冷地では、転倒災害にも十分注意を払う必要がある。また最近では、労働災害とメンタルヘルスの関連性からストレスチェックをする会社も出てきた▼重要なのは、この運動をマンネリ化させないこと。事故が起きると、今まで築き上げてきたものが全て失われる。労災は企業も労働者もその責任が厳しく問われる時代。指差し点呼や朝礼時の作業工程の確認など、基本的なことをしっかりと把握して対処していくことが重要だ。(鴨)
2020年11月4日
鳥取市道路課は、今年度の発注予定工事ほとんどの発注を終えた。例年にない早さだが、こうなったのにはいくつかの理由がある▼まず今年度から余裕工期設定工事を導入したこと。余裕工期設定工事は、受注者が計画立てて施工することができるメリットがあるが、発注者の自由度も高める効果があるようだ。今年度は出水期が過ぎないと着手できない工事も早めに発注されている▼2つ目は、入札中止が減っていることだ。昨年は10月末までに入札件数の4割以上にあたる94件が入札中止になったが、今年は12件に減少している。昨年までは、入札中止が多い工種やクラスは、設計がまとまっても発注を見合わせるケースもあったという▼歯車がかみ合えば、思いのほか良い結果が生まれる。この状態が続くことを期待したい。(鷹)
2020年11月2日
ここ20年間で体力が低下したと言われる県内の建設業界。「災害対応は建設業者としての使命」と自負するのも容易ではない。名のある会社でも職員数や保有する機械をスリム化しており、実際に緊急時に対応できる業者は各地域に指折りだ▼9月豪雨で緊急対応に当たった業者が見積もり合わせで平日作業の単価を示された。休日に、しかも夜間作業だったにもかかわらず…。「なにも災害で儲けてやろうじゃない。せめて無理を言って出てもらった従業員に報いたい」とは、会社トップの思いだ▼ここでも杓子定規のルール。10月から県の積算基準は改定され、緊急時作業の休日割増手当が適用される直前だった▼「だから災害対応なんてやってられない」―とならぬよう、数少なくなった地域の核となる業者は守っていきたい。(鷲)
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