コラム

2020年12月17日
日本の雪女譚と言えば、小泉八雲『怪談』中にあるものが最も有名だろう。麗しい姿で現れ人間と夫婦の契りを交わす一方で、行き逢った樵の命を徒に奪いもする。冬空から訪れる、冷たく白き来訪者。八雲の描く雪女のイメージには、日本人が雪に対して抱いてきた美意識と畏れがよく顕れているように思う▼強烈な寒波の影響で、彼らの一隊が今週遂に門戸を叩いた。山並みも平野もたちまち白く染められて、既に高速道路の通行止めや倒木被害なども発生。吹雪の道を走っていると、美しくも恐ろしい思いがする▼雪と深く馴染んで生活文化を営んできた我々にとって、吉凶併せ持つ雪への対処如何が死活問題と成り得る事は改めて言うまでもない。安全確保を第一に。官民ともに決して侮ることなく、警戒を強めていきたい。(梟)
2020年12月15日
今の季節、晴れた青空には美しい大山の雪化粧。目に入るとほっこりとした気持ちになる人も多いのではないか。今週から鳥取県でも気温がグッと下がり、雪予報も出ている。今年も残すところ1カ月、急な気温差には体調管理に気をつけたいところ▼この時期になると「冬のボーナス」のニュースがあちらこちらで話題となる。10日に支給された県職員のボーナスは去年より平均5万円程下がり、民間企業でも数多くの産業で減少すると予想される。リーマンショックを超える減少幅になる企業も出てくるだろう▼今後、どうなるか分からない今の状況で経営陣はボーナス査定に頭を悩ませ、社員は少しでも多くのボーナスに期待する▼肌身では寒く感じ、懐は暖かくなってほしい時期。早く経済状況が良好になることを願っている。(鴎)
2020年12月14日
与党の21年度税制改正大綱が決まった。経済に深刻なダメージをもたらしたコロナ禍にあって、公共事業と共に財政政策の両輪をなす税の動きには、例年にも増して注目が集まる▼中身はデジタル・脱炭素化の推進、住宅や車の減税延長など、企業の積極的な投資促進とコロナ対応に重きを置いた。総額500~600億円規模の減税には頭が痛いだろうが「経済回復なくして財政再建なし」の基本理念に従えばやむなしか▼カギはやはりDXだろう。諸外国が2倍以上のGDP成長を見せる中、国内では小数点以下に留まっている背景には、デジタル化の遅れが大きく響いていると言われる。押印廃止などは第一歩に過ぎず、後年「2020年が契機だった」と振り返られるほどの革新が必要だ。(鵯)
2020年12月11日
今年も国交省や県の優良工事を紹介させてもらう機会に恵まれた。毎年、現場技術者へインタビューをしているが、専門用語や専門技術などの話は、難解で理解するのに時間がかかる▼申し訳なさを感じながら、わからない部分について何度も同じ質問をするが、担当者は丁寧に根気よく教えてくれる。非常にありがたい。少し前まで現場技術者といえば、職人気質で気難しい人を想像していたが、そのような人が少ないのは時代の流れだろうか▼建設業は、人々の生活に関わる重要な公共インフラを整備することから、責任が重い。今回インタビューした技術者も、勉強の日々だそうだ。しかし、学んだことが現場で活かせた時の喜びはひとしおだと言う。その魅力を若い人たちに伝えるにはどうすればいいか。小欄も勉強しなければ。(鴨)
2020年12月10日
テイクアウトグルメが今年の一皿に決まった。その年を代表する食文化を決定するもので、2014年から始まった。昨年はタピオカ、一昨年は鯖だった▼テイクアウト自体は以前からあったものだが、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため改めて注目を浴びた。以前はテイクアウトに対応していなかった飲食店も今では積極的にPRしている▼ウィズコロナをキーワードに生活様式が変化したものは多い。建設業でも対面での書類確認を避けたり、密を避けて打ち合わせを行うなどの工夫が出ている▼きっかけはウィズコロナでも、効率化につながる取り組みは積極的に進め、今後も拡大することを期待したい。それが建設業の生産性向上や働き方改革、そして担い手の確保につながるのなら大歓迎だ。(鷹)
2020年12月9日
竹内南地区貨客船ターミナルが完成し、高度衛生管理型市場も建設中の境港のバックグラウンドは整いつつある。あとは、米子と境港間を結ぶ高規格道路網の整備が急がれる▼先月、中海・宍道湖圏域の道路整備を考える勉強会が松江市内で立ち上がった。中国地整と鳥取、島根両県、関係市村で構成され、道路ネットワークのあり方を検討するもの▼圏域は日本海側でも新潟、金沢、福井に次ぐ4番目の60万人を抱える。文化と観光資源も豊富な上に、出雲と米子の両空港があり、道路ネットワークの強化が必要との見解で一致した▼中海と宍道湖を巡る「8の字ルート」で周遊できないか。南側に山陰道があるだけで、この圏域のポテンシャルは活かしきれていない。先鞭をつける意味でも米子―境港間の整備を何とか前進させたい。(鷲)
2020年12月8日
電気自動車が最初に発売されてから約130年。当初はガソリン車より速く走行できる乗り物として期待された。しかし、航続距離の問題などから長らく内燃機関の車が一般化している。やっとこの10年くらいで日本やアメリカが電気自動車をなんとか実用レベルで使用できるところまで持って来た▼欧米ではガソリン車をこれ以上開発せず数年のうちに電気自動車へシフトする。日本も2030年代半ばには新車をすべてハイブリッド車や電気自動車にする方向で進んでいるとの報道が出た▼とはいえ弊害があるとも感じる。電気自動車の充電ステーションは場所の問題などで整備が大変であろうし、自動運転も環境整備や安全対策について議論の余地がある。まだ問題はあるが、時代の移り変わりは見てみたい。(雛)
2020年12月7日
緊急3カ年対策がもたらした好影響は多岐にわたるが、河川整備事業の推進を促した事も大きな功績の一つと識者は語る。地域住民にとってその効果を実感し難く、何かと後回しにされがちな分野であるがゆえに、潤沢な予算が確保できたのは確かに喜ばしいことだ▼ところで、その河道掘削工事に関して、最近になって発注方法を従来のものから変更したケースが見受けられた。これまでは1~2千万円級の工事を多数発注し、管内のほぼ全業者に仕事が行き渡るようになっていたのを、複数カ所を纏めた3~4千万円級工事に変更。取れれば大きいがチャンスも少ない形へと変わった▼新5カ年計画予算も固まった中。果たしてどちらがより望まれているのか意見を募り、受発注者双方にとって有益な発注計画を立てて欲しい。(梟)
2020年12月2日
先月30日、各議会が一斉に臨時会を開いた。内容は主に人事院の勧告を受けた、自治体職員の給与に関する条例等の一部改正。いわゆる公務員の賞与削減で、民間の水準と足並みを揃えるため景気を表す一つの指標とされる▼10年ぶりの減額は、前年度から0・05カ月分の引き下げ。新型コロナによる景気減速の影響だが「それだけ?」と思われるかもしれない。今回は感染拡大本格化以前のデータを含むため影響は限定的。また調査の遅れもあり給与は手付かずで、本番は来年か▼そもそもの金額の多寡は議論を避けるが、特に保健・福祉周りは仕事が増えて対価が減るかたち。年々低下する公務員試験の倍率にも影響が及ぶだろう。「面倒で儲けが悪いから他にいこう」は公共の宿命なのか。(鵯)
2020年12月1日
2020年度中国i-Con表彰の式典が昨日、広島県で開かれた。県内からは唯一、井木組が受賞。3Kイメージの払拭や女性活躍の促進などが評価された▼今回受賞した22件のうち、工事部門は16件。工事部門を受賞した他県の状況を見ると、島根県が5社と中国地方で最も多い。島根県は、国土交通省がi-Conを推進し始めた16年から積極的にICT工事を導入し、作業の省力化を図ってきた。最初は慣れない技術の導入に苦戦したようだが、近年その苦労が実りだしたと言える▼ICT工事は費用対効果など諸問題を抱えており、全国的にもあまり普及していない。しかし、この人材不足の中で、最新技術の力に頼らなければならない日はいつか来るはず。今後も動向を注視し続ける必要はあるだろう。(鴨)
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