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2022年6月2日
二の沢砂防堰堤の完成から半年、満を持しての式典開催には多くの祝辞が寄せられた。中国地方最長を誇る堤頂長で、流域防災の大きな支えになってくれるだろう▼近年の顕著な土石流災害としては、やはり熱海市の例が挙がる。逢初川の上流にも実は砂防堰堤が設置されていた。盛土以前に建てられた計画堆砂量4200立方㍍の堰堤だが、7500立方㍍もの土砂を食い止めていたという▼これがなければ、少なくとも東海道新幹線のレールに変状が生じた可能性は高い。しかし一部報道の論調は「砂防ダムで被害防げず」と、ネガティブに寄った▼ハード対策はモノに過ぎない。過信は禁物だが、想定外の条件を前提に効用自体を否定するのもアンフェアだ。6月は土砂災害防止月間。正しい知識の啓発も進めていきたい。(鵯)
2022年6月1日
「高い高い」―。幼少期に家族にしてもらった人も多いのではないだろうか。大人の身長あたりから見える景色は、記憶にないが最高だったに違いない▼幼少期の思い出に浸るのはこれくらいにして、今は現実を見なければならない。家計を直撃するガソリン代。積算が合わなくなるくらいの資材の高騰。青天井の勢いだからますます困る▼ある工務店の社長は「住宅を建てるにも、資材の仕入れ時期によっては百万単位で費用が変わってくる」と話す。ものによっては1・4倍くらいになっているものも。顧客は当然少しでも安さを求める。そのため、資材価格が上がるまでに、急いで型などを顧客に決めてもらい仕入れている状況だという▼世の中を困らせているあらゆる価格の「高い高い」。早期の沈静化を願いたい。(隼)
2022年5月30日
BIMデータと設計図書の連携を実現するため、今月、国内初となる「設計図書の構造化データへの変換ツール」を大成建設が開発したと報道された。保存している設計図などのデータが活用可能となり、設計情報が瞬時で比較・分析できる▼こうしたDX化は、日進月歩で進化している。既存業務の改善やビックデータの活用など―言わずもがな作業効率には大きく貢献している。マッキンゼーの調査によると2030年までに27%が自動化されるという▼ITやDX化の推進で、恐らく人間は多くの仕事を失うが、得るものも大きい。ただ、使い方次第で能力は左右される。日本では8年後IT人材不足が約79万に拡大すると予想されている▼建設業界でも更なるIT人材の確保が必須となるだろう(鴎)
2022年5月27日
自宅の周りがにぎやかになった。田植えのシーズンを迎え、カエルの鳴き声で大合唱だ。福部ラッキョウの出荷も始まった。去年、漬けていたものがちょうどなくなりかけたころ。休日はラッキョウ漬けにいそしむことにするか▼各業界団体は改選期にあたり、顔ぶれも新しくなっている。県内業界最大の県建設業協会でも新会長に井木敏晴氏(井木組)が選出された▼業界の働き方改革は前進しているか。若手の入職、定着には欠かせないテーマである。それに賃金アップも大切。これらの課題に発注者の協力も得ながらいかに対処していくのか▼世情は新型コロナに原油高、物価の高騰…これまでの常識は通用せず、潮目が変わろうとしている。各リーダーのこれからのかじ取りに、期待を込めながら注目していきたい。(鷲)
2022年5月26日
「線状降水帯」という言葉を耳にする機会が増えてきた。近年、毎年のように発生する大雨による甚大な被害を引き起こしているのがこの線状降水帯▼気象庁は6月1日から、産学官連携で世界最高レベルの技術を用いた線状降水帯予測を開始する。線状降水帯の発生を事前に予測するのはとても困難だが、そこで鍵になるのがスーパーコンピューター「富岳」。高密度な集中観測を行うリアルタイムシミュレーションの実験を通じて、2029年度市町村単位での情報提供を目指す▼被害を減らすには早期の避難が重要で、深夜や未明の状況を予想して、明るいうちに避難してもらう狙いがある。世界最高のコンピューターで少しでも正確な事前予測ができるなら、大雨被害を防止・軽減し、世界中の人を救うことにもつながるはずだ。(雛)
2022年5月25日
「月の沙漠を遥々と 旅の駱駝がゆきました」―童謡に歌われるアラビア砂漠の叙情的な景色は、日本人の心象風景に深く刻み込まれている。今や鳥取砂丘の顔役となった駱駝達も、この歌のイメージに引かれて連れて来られたとか▼その砂丘で今、月の沙漠ならぬ、砂丘を月に変える計画が着々と進行している。23年春には、砂丘西側に体験型グランピング施設「鳥取砂丘ムーンパーク」が開業予定だ。宇宙対応型モバイルユニットなどを備えた本格的な物であり、今後ますます加速する月面開発事業における、実証フィールド整備の一環としても注目を集めている▼県下随一の名所と、県が推進する宇宙産業が交わる。その開発効果は未知数だが―沙漠に泉の湧くが如く、地元業者にも多くの恩恵がもたらされる事を期待したい。(梟)
2022年5月24日
地方に暮らす人は、通勤、買い物、病院へ行くにも自家用車を使う。都会の人なら歩いて移動すると考える距離でも、すぐ車に乗り込む。足も腰も弱るのは理解しているが、それでもエンジンをかける▼近所を見ても自宅に複数台の車があるのは当たり前。でも、この地に暮らしていると贅沢だとは思わない。大都市と違って、鉄道も路線バスもすぐにはやってこない▼以前、ある首長から「山間地域は常に災害と隣り合わせ。インフラが充実していないと安心・安全という言葉を簡単に使えない。公共事業の予算をしっかり獲得すべき」と切実な声を聞いた▼一世帯が負担する自動車税やガソリン料金は、都会に住む人の平均に比べて多い。地方に暮らす納税者の声を受け入れた道路計画を策定してほしい。(鷺)
2022年5月23日
JR米子駅南北一体化事業を巡り、米子市が南北自由通路の通称名を6月の1カ月間募る。線路で分断されている駅の南北を繋ぐ延長140㍍、幅6㍍で来夏の完成予定。通称名の公募は、駅利用者や市民に親しんでもらえるようにと企画した▼通りに名称をつける取り組みは、鳥取大医学部付属病院前の「医大通り」、旧湊山球場前の「内堀通り」など既に8例。駅前に「だんだん広場」があることや、階段を上って往来する構造を踏まえ「だんだん通り」などの案が寄せられそうだ▼一体化事業は新駅ビル建設、駅南広場の整備などが続き、完成に向かう。総額76億円の大型プロジェクトだけに、発注者に対し、多くの地元業者から「だんだん」(地元の方言でありがとうの意味)との声が上がる事業であってほしい。(鴛)
2022年5月20日
本紙恒例の新入社員紹介も折り返しの頃。散見される非建設系学卒者の技術職採用に少子化時代のトレンドを垣間見るが、一概に悲観すべきでもないのかもしれない▼「パラダイムシフト」なる言葉の生みの親、科学史家のトーマス・クーンは、ある分野において革新をもたらす人間は一様に「非常に年若い」または「非専門家である」と指摘する▼進化論のダーウィンは地質学者。電話の発明者・ベルは電子工学ではなく音声学の教授。相対性理論のアインシュタインに至っては特許局の一職員―極端な例だが、いずれも大成した領域では掛け値なしのアマチュアだった▼専門知識によらない発想が常識を覆すこともある。しかし秘めた可能性が開花するには、彼らの意見が軽んじられない環境が必要だ。(鵯)
2022年5月19日
5月に入り「立夏」が過ぎ、暦の上では夏を迎えた。最近の気候からすると名実ともに夏と言っても過言ではないだろう。おまけにもうじき梅雨入りとなれば、気分は憂鬱だ▼梅雨入りすると心配なのが豪雨災害。行政は河川改修や治水計画などで防災・減災に努めている。一方、それを上回る勢いで気候変動が起こっているのが現状だ▼先日、ある施設の災害に対するハード整備について取材させてもらった。そこはバックウォーター現象が起きる可能性がある土地。施設ではライフラインのかさ上げを実施した。取材した施設長さんは「ハードだけでなく避難訓練も引き続き実施し災害に備えたい」と話していた▼産官学が連携し、災害に強い街づくりを進め、ますます増える自然災害に対応していかなければならない。(隼)
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