コラム

2024年5月10日
車窓から遠く眺める景色が大きく様変わりしてきた。新緑が山々の色を濃くし、自然の情景から力強い生命力のようなものが伝わってくる▼日々の取材で訪問する役所や企業で、新人らしき面々を見かける。電話の取り次ぎや書類のつくり方を上司に相談する様子を目にすると、過去の自身を思い返す。特に電話対応では相手の要件はおろか、会社名すら聞き取れず冷や汗ものだった。今はどこの職場でも貴重になった「人財」を大切に育てていきたい▼それにしても企業経営を取り巻く環境は厳しいものがある。時間外の上限規制に賃上げ、最近では若手や女性技術者の配置など。どれもこれも、上から押し付けられることばかり▼本当にやらなきゃ、生き残れないの―規制や加点に振り回されっぱなしの経営者に同情を寄せる。(鷲)
2024年5月9日
最近よく「Z世代」というワードを耳にする。1996年から2012年までに生まれた人を指し、インターネットが普及している中で育ち、まさに新たな時代を担うべき存在といえる▼これまで「団塊の世代」や「ゆとり世代」が名付けられ、団塊は第1次ベビーブームの時期に生まれ、世代人口が非常に多く高度経済成長を支えてきた世代で、ゆとりは生まれた時には就職氷河期を迎えていた。時代背景が違うことが「世代」の特徴を生んでおり、それを名称で区分けしているのだろうが、「世代」で区切ることで、それぞれの時代に生きた人たちを一括りにし、あたかも「別物」のように取り扱っているように感じる▼担い手不足に悩む建設業も、各世代が互いの強みを生かし尊重しあうことが大切なのだろう。(雛)
2024年4月30日
ゴールデンウイークが始まったこのころは、県内の観光地が1年で最も賑やかになる。連休のはざまの平日は通常通り勤務する人もいるが、幹線道路は今日も県外ナンバーの車がたくさん走るに違いない▼観光地の周辺に暮らす地元の人は、数年ぶりに元に戻った道路の渋滞で「買い物に行くのも大変」と話すが、どうにもならない▼今年の「八十八夜」は5月1日。秋の収穫に向けた農作業を本格化させる目安として、昔から伝えられている言葉のひとつ。季節は一気に夏へと向かう▼鳥取市の佐治町などでは多くの災害復旧工事が始まったが、人手不足は深刻。そして、近づく雨の季節。現場の人達の心配事は尽きることがない▼3日からは4連休。過ごし方は人それぞれだが、良い天気が続けばと思う。(鷺) 
2024年4月26日
隣県で28日に投開票される衆院補選島根1区が大激戦の様相を呈している▼全国3補選のうち、与野党一騎打ちの構図は唯一。自民党は岸田文雄首相、石破茂元幹事長、小泉進次郎元環境相ら、立憲民主党は泉健太代表、野田佳彦元首相、小沢一郎氏ら、いずれも「大物」が選挙区入り。各社の情勢調査では自民が劣勢とのことで「保守王国」が崩れるのか。結果は「政治とカネ」の問題で政治不信を引き起こした岸田政権の命運を握るほか、各種世論調査で「次期首相候補」トップの石破氏の今後にも影響しそうだ▼翻って業界は総会シーズン。役員改選で体制が変わる団体もあるが、こちらは受注量や担い手確保、残業上限規制への対応などが待ったなし。崩れることなく一致団結、取り組んでほしい(鴛)
2024年4月25日
今年の「本屋大賞」候補に「リカバリー」と冠した作品があった。一昔前はパソコンの初期化とほぼ同義だったが、近頃は休養や回復を指すことも多い▼潮目が変わったのはスポーツの分野からだろう。運動科学の最先端を走るオーストラリアは2006年、国立スポーツ科学研究所内に世界初の「リカバリーセンター」を立ち上げた▼より効率良く激しい訓練をこなそうと競う諸外国を後目に、先頭に立つ豪州は突如進路を変える。トップ選手の身体機能はもはや横並び。最後に勝負を分けるのは鍛えた実力をいかに発揮できるか―つまり、調子を整えるための休養に重要性を見出したのだ▼傷ついた国土のリカバリーを担う建設職人も体が資本。生産性向上を目指すのなら、まずは自身の良い休み方を模索してみては。(鵯)
2024年4月24日
ホワイトカラーなど職種や業種を、色を使った言葉で表すことがある。カラーとは襟(えり)という意味で、服の色から想像する仕事が主に割り振られている。ちなみに建設業はブルーカラーだという▼服だけではなく色の意味でも職種を表すものがある。例えばグリーンは自然。つまり環境の保全や保護、クリーンエネルギーに携わる仕事も含まれる。太陽光発電の建設はブルーカラー、グリーンカラーどちらともいえるだろう▼近年、欧米を中心に取り組みが進んでいる「グリーンインフラ」。自然環境がもつ様々な特徴をインフラ整備に活用するもので、アメリカから生まれた手法である▼人工構造物とグリーンインフラ双方の特性を使い分けての整備が日本でも進んでいく。新しいカラーが生まれるかもしれない(鴎)
2024年4月23日
この時期、山間部を車で走るとレンゲが田んぼに咲いているのを見かける。山の新緑と相まって見応えを感じる。春の風景は穏やかな気持ちにさせてくれる▼山間部をさらに進むと、行き止まりが多いのが県東部の道路。隣の集落に行くのに大回りして通行しなければならないところもある。ひとたび災害が起きれば、そのような集落は孤立状態に陥りやすい▼事実、昨年の台風7号でも鳥取市佐治町を中心に孤立集落が発生した。公務員の友人は当日、佐治町内の避難所開設対応のため、獣道同然の市道を通って佐治に入ったという。しかも夜間でかなりの時間がかかり、危険も感じたそうだ▼山間部の道路新設は費用対効果で事業凍結されることもある。だが、人が住んでいる以上、その判断は正しいのだろうか。(隼)
2024年4月22日
たけかんむりに旬と書いて筍(たけのこ)。春の味覚の一つだ。近所に住む叔父が炊き込みご飯を持ってきてくれた。かしわ、こんにゃく、にんじん、しいたけ…竹輪まで入っている。特に好むのは、筍の穂先部分。やわらかくて、なんとも言えない歯ざわり▼業界内は総会のシーズンを迎えた。多くの団体は改選期にあたる。役員人事が淡々と進む団体があれば、そうではないところも。人事=他人事(ひとごと)で、平素は無関心な業界人でも新しい人事の話ともなれば熱がこもる▼どうしても、好き嫌いに陥りがちだが、見失ってはならないのは上に立つ者の人物像。どんな構想を描いて団体をけん引していくのか。少しでも業界を良くしてもらわなければ困る。今週からは建設業協会各地区の総会が開かれる。どれどれ。(鷲)
2024年4月19日
各社の新入社員紹介が連日掲載されているが、将来の夢に「資格を取得して」という文言が多い。それだけ社員も企業も資格の重要性を深く認識しているということだろう▼資格者も、業界内での自身の価値を理解しており、好待遇の企業に流れる傾向だ。熾烈な人材争奪戦が常となっているため、新たな資格者を雇うためには、多額の人件費が必要になる。雇用できたとしても、資格者は引く手あまたなので、再び流出するリスクは拭えない▼社外から資格者を調達するのが難しいのであれば、社内の人間に資格を取得してもらうほかない。資格取得をサポートし、資格を取得した者への報酬制度を用意する。新たに人を雇うよりは、経済的かつ持続的と言える。人を育てることが、企業を育てることに直結しているようだ。(雛)
2024年4月18日
NHKの人気ドキュメンタリー番組「プロジェクトX」が、18年ぶりに「新プロジェクトX~挑戦者たち~」として復活した。初回のテーマは「東京スカイツリー天空の大工事」。高さ634㍍の電波塔建設という難工事に挑んだ設計者、ゼネコン、資材の加工業者など工事関係者にスポットが当てられた▼番組の中では、とび職人が雷や突風、2011年に発生した東日本大震災に対処しながら、天空の現場で鉄骨を組んでいく様子が描かれた。高所で作業する人々の凄さを実感するとともに、自分たちの生活がこうした技能を持つ人に支えられていることを再認識した▼新年度に入り、各機関から工事が発注され始め、様々な事業が動き始めている。プロジェクトに取り組む挑戦者たちの活躍をこれからも応援していきたい。(燕)
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