コラム

2024年6月26日
梅雨入りと同時に、休日の日本海側はまとまった雨に見舞われた。自宅近くで進んだ宅地開発の影響なのだろうか。近ごろ、家の周りの水路が溢れそうになる▼最近は千代川、八東川、私都川といった河川の増水にも驚かされる。警報級には及ばない雨量でも、濁水が予想以上の水位にまで達している▼上流の山が荒れていると言われて久しい。間伐や下草の手入れが行き届かないと、保水機能が失われ、雨水は一気に川に流れ込んでしまう。山を守ることは自然災害の防止につながる▼今年度から森林環境税が創設された。県や市町村の森林整備や路網整備などに活用されるが、砂防や治山事業にも幅広く手当てしてもいいのでは。合わせて木材の消費拡大も大事。山を守ることと、使うことの両面から身近な森林を考えたい。(鷲)
2024年6月25日
「辛(つらい)」という漢字に1本棒を足せば「幸(しあわせ)」になる。本などで紹介される漢字遊びだ。では1本の棒とは何か。辛い時に支えになってくれる家族、友人、人によって様々だろう▼車が走る道路、人が住む建物、建設業は多くの人を幸せにする。だが、業務内容の辛さから離職してしまう若手が多く、人手不足が続いている▼こうした状況を改善しようと、従業員の働き方を考える企業が多くなってきた。現場の負担を減らそうと事務作業をサポートする体制を整えた企業、ICT機器を導入し、作業時間を短縮した企業など、様々な会社が「1本の棒」となるために努力を続けている▼業界全体に働き方改革が求められている。個人の幸せを考えた取り組みを官民が一体となって考えていかなければ。(燕)
2024年6月24日
求人を出しても人が来ない。理由は多種多様で、何かを解決すれば良いという問題ではない。その複雑さからも働き手を確保することの難しさがうかがえる▼建設業界でも、若者への魅力発信の一環としてSNSを活用する会社が増えている。その中でも、インスタグラムは写真や動画主体のSNSで、文字よりも視覚的にどんな仕事、会社なのかがイメージしやすい。利用人口や年齢層も踏まえると、求人媒体としての利用に可能性を感じる▼県内の建設業者のインスタグラムを見てみると、工事の進捗状況はもちろん、社内でのクスッと笑える事件や、社員旅行の風景などが投稿され、見るものだけではなく職員が楽しみながら投稿している様子がうかがえる。この何気ない発信が未来の建設業存続に繋がるかもしれない。(雛)
2024年6月21日
テレビに映る高校生のアスリートがインタビューに答えている。マスコミ慣れしているのかもしれないが、話し方のうまさに驚く。昭和育ちにも理解できる言葉が流れるから、若い人に通訳してもらうこともない▼訪問した企業の会議室では今春に入社した社員が研修をしていた。技術職だが、ハードだけではなく話し方などのソフト部門も学ぶ。仕事には少しはなれたが、一人前になるには時間もかかる▼取材中、隣のテーブルで発注者と協議中の若い技術者に会った。話し方はスムーズで仕事への自信も増したか。きっと説明する内容も的確に伝わったはず。入社当初から知っているだけに、確実に成長した▼今は新人の教育も手伝う。幅広い話題を仕入れなければ力量が問われる、と笑う姿が頼もしい。(鷺)
2024年6月20日
「なかなか総理大臣室にならないね」。三徳興産会長の国交相表彰受賞祝賀会に招かれた石破茂自民党元幹事長。会場外で見送った旧知の会長が、上京時にまた挨拶に伺うと礼を述べると、冒頭の言葉が石破氏から返ってきた▼世論調査で次期首相に相応しい人のトップに立つ氏。秋の総裁選出馬を巡り、態度を明らかにしていないが、発言からは、明確に意識していることが窺えた。パーティー収入の不記載事件を受けた党への逆風を踏まえると、状況は追い風。年齢的な問題もある。果たして、これまでの幹事長室、大臣室からの格上げとなるのか▼業界では、入札参加資格の中間年審査で、格付アップや新規工種・業種を得た企業が少なくない。鳥取初の首相誕生の行方とともに、格が上がった企業の戦略や躍進が楽しみだ(鴛)
2024年6月19日
総会シーズンも終盤。馴染みの顔がちらほら役職定年を迎え、しんみりしているかと思いきや「これで人材育成に集中できる」と前向きだった▼次世代の成長に関心を注ぎ、世話をしたいという感覚は「世代継承性」と言われ、50代から目立って発露してくるとか。種の存続を目指す本能的な欲求なのかもしれない▼一方で人事企業の調査によると、いわゆる労働生産性は50代前半で底を打つという。しかしそこから再び上昇基調に乗り、60代を前に40歳当時の水準を超えるそうだ。キャリアを再設計し、次の目標を見定めることが躍進につながると調査は指摘する▼続くステップの大部分を「後進の育成」が占めるのは想像に難くない。ベテラン層の活躍という観点からも、人材確保と生産性向上は不可分と言える。(鵯)
2024年6月17日
久松山といえば、かつて鳥取城があり、現在では人々が集う鳥取市のシンボルの1つだ▼鳥取駅周辺からでもその姿は眺めることができる。ただ、以前に比べ中心部に中高層の建物が建ち並び、完全体はなかなか拝むことができない▼東京都国立市では積水ハウスが建設したマンションが、引き渡し直前で解体される見通しとなった。原因はまさに眺望。富士見通りと呼ばれる通りにマンションが建設されたが、その通りから見える富士山が隠れる形となってしまった。解体という結果に、当然だという声もあればやりすぎとの声も。いずれにせよ外野は成り行きを静観するのみか▼景観に絡んだまちづくりの議論は鳥取でも行われている。自然が多いまちだからこそ、景観を生かしたまちづくりがされることを願う。(隼)
2024年6月14日
年に1度くる誕生日は特別な日であろう。昭和24年、年齢に関する法律が制定されてから祝うようになった。ケーキを食べたり、プレゼントをもらったり今となっては一般的に行われている▼今日14日生まれの一人にフランス人の物理学者・クローンがいる。電磁気学でクローンの法則を導き物理学者として有名だが、土木技術者でもあった。クローンの土圧は今でも土木工学で用いられる▼さて、誕生日が一緒の人と出会ったとき親近感がわくのはなぜだろうか。これは「誕生日のパラドックス」と呼ばれ、実際の確率と思い込みの間にズレが生じているからだ。数字を出すと思ったより高確率になる▼物事に対し、思い込みに基づいた判断は時に危険。物理学者も常識を疑い、大発見を果たす。たまには疑うのも悪くはない(鴎)
2024年6月13日
「安かろう悪かろう」―ついつい安値に飛びついて、結局は無駄に終わった経験はだれしもあるだろう。本来、品物が消費者の手元に届くまでの過程には、それなりのコストが上乗せされている▼コスパの良さの裏に、実は人件費にしわ寄せが行っているケースが多い。かつての県内業界は、委託でも工事でも8割受注が当たり前。その間、企業収益は減少し、人件費が下がり続ける負の連鎖に陥った▼いまだに「安ければよい」と、そのころの商慣習を引きずる受発注者間の契約がある。抜け出すことができるか▼改正建設業法が成立した。技能者の手元に適正な賃金を行き渡らし、新規就労者を増やす。国が示す標準労務費を大きく下回る契約を禁止し、工期ダンピングも禁じる。そろそろデフレマインドを転換しなくてはならない。(鷲)
2024年6月12日
私は町中華が好きで、昔ながらの年季の入った建物やメニュー、気さくな店員さんなどとても魅力的だ▼先日、久しぶりにファミレスに行った時、タブレットで注文をするとロボットが配膳に来てくれ、食べ終わった後、テーブルで会計を済ませた。結局店員とは接触せずに退店▼確かにタブレットやロボットなど、これまで人間が行っていた業務を置き換えることで、人手不足の解決や速やかな食事の提供など飲食業の課題解決には貢献していると思う。ただ、食事をしているというよりも作業のように感じてしまい、どこか寂しさを感じた▼人材不足が深刻な問題になっている建設業でも人間の力以外に頼る部分は多くなっているが、ものづくりで人間味のないモノばかりができる時代が来るとしたら、それは味気ない。(雛)
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