コラム

2024年6月13日
「安かろう悪かろう」―ついつい安値に飛びついて、結局は無駄に終わった経験はだれしもあるだろう。本来、品物が消費者の手元に届くまでの過程には、それなりのコストが上乗せされている▼コスパの良さの裏に、実は人件費にしわ寄せが行っているケースが多い。かつての県内業界は、委託でも工事でも8割受注が当たり前。その間、企業収益は減少し、人件費が下がり続ける負の連鎖に陥った▼いまだに「安ければよい」と、そのころの商慣習を引きずる受発注者間の契約がある。抜け出すことができるか▼改正建設業法が成立した。技能者の手元に適正な賃金を行き渡らし、新規就労者を増やす。国が示す標準労務費を大きく下回る契約を禁止し、工期ダンピングも禁じる。そろそろデフレマインドを転換しなくてはならない。(鷲)
2024年6月12日
私は町中華が好きで、昔ながらの年季の入った建物やメニュー、気さくな店員さんなどとても魅力的だ▼先日、久しぶりにファミレスに行った時、タブレットで注文をするとロボットが配膳に来てくれ、食べ終わった後、テーブルで会計を済ませた。結局店員とは接触せずに退店▼確かにタブレットやロボットなど、これまで人間が行っていた業務を置き換えることで、人手不足の解決や速やかな食事の提供など飲食業の課題解決には貢献していると思う。ただ、食事をしているというよりも作業のように感じてしまい、どこか寂しさを感じた▼人材不足が深刻な問題になっている建設業でも人間の力以外に頼る部分は多くなっているが、ものづくりで人間味のないモノばかりができる時代が来るとしたら、それは味気ない。(雛)
2024年6月11日
この頃になると、ラベンダーの花も咲く。梅雨時期の代表ともいえる「あじさい」のように大きくはないが、長く楽しめる▼この花は、日当たりと風通しの良い場所を好むが、長く続く雨と多湿を嫌がると聞く。それでも寒い冬も越す強さがある▼今年の梅雨はどうか。防災に携わる行政の人たちは、今年も機動的な豪雨対策への取り組みに力が入る。取材した排水ポンプ車の訓練では緊張感も感じた▼訓練には若い県の職員が参加。数多くの現場を経験した民間のベテラン技術者に安全面への注意を受けながら、器具の設置や操作の手順を教わっていた▼ラベンダーの花言葉の一つは「あなたを待つ」。この日参加した発注者の若い人達が災害現場の先頭に立ち、采配を振るう日も近い。期待を込めて待つ。(鷺)
2024年6月10日
初夏の訪れを告げるアユ漁が県内河川で解禁され、愛好家が釣果を競っている。県西部の日野川では、産卵場整備や親魚放流などの努力の末、遡上量が回復傾向。地元漁協によると、今年は10年ぶりの水準に戻したとか。塩焼きで味わうのが楽しみだ▼一方、捕食するカワウの個体数も増加。「黒いギャング」と呼ばれる大型の水鳥で、関係者はドローンで巣にドライアイスを投入して卵を凍結させるなど、繁殖抑制対策に頭を悩ませている▼解禁といえば、来春卒業予定の大学生らを対象とした採用面接などの選考活動が始まった。人手不足を背景にした売り手市場が続き、企業側は確保へあの手この手。若鮎のような生き生きした存在をいかに獲得できるか。内定者のつなぎ止めに気を配る必要もあり、こちらも攻防戦だ(鴛)
2024年6月7日
近年、国際市場で和牛の活躍が目覚ましい。輸出額の伸びも好調で、国は10年間で6倍の出荷目標を掲げている▼肉といえば赤身の諸外国から見て、サシの入った霜降りの和牛は唯一無二の味わいを持つ特異な品種。ただ、肥育に使う飼料はほぼ輸入に頼っているとか▼人口増加が続く途上国の台頭で飼料需要は右肩上がり。厳しい円安局面で強い通貨に「買い負ける」ことも起きている。マクロな食肉の需給バランスが崩れる「タンパク質危機」の脅威は、思ったより身近に迫っているのかもしれない▼建設業界を襲ったウッドショックもまた、これとよく似た構図と言える。しかしプラントベースフードや培養肉のような代替手段が未だ見えてこない中、国内自給率を高めるための議論はおろそかにできない。(鵯)
2024年6月6日
先日、街なかで珍しい昆虫を見かけた。体長は小さく、黒色で一瞬身構えたが、よく見ると光っている。蛍だったのだ。住宅街だったので大変驚いた▼幼いころは自宅近くにある樗谿(おうちだに)公園に、家族と一緒に蛍を見に行っていた。しかし、環境の変化などで年々蛍が減っていき、蛍を見に行くこともなくなった▼街なかでは宅地開発が進み、住宅などが建てられている。十数年前は田んぼや畑があった鳥取市の中心部に近い地域も、今では真新しい住宅やアパートなどが建ち並ぶ▼都会に行くと迫りくるビル群に息が切れてしまう。鳥取のような地方でもそこら中に建物が建ってしまうと、自然が多いというせっかくの地方の良さが失われてしまう。地方の良さを取り入れた街づくりを県内自治体に期待する。(隼)
2024年6月5日
電気料金の値上げが止まらない。6月使用分の電気料金は電力会社10社全てで値上がりに。3カ月連続で上がっているが、これから暑くなる季節。冷房の使用で家計は圧迫されるだろう▼日本の国内発電電力の割合は、化石燃料を使う火力発電が7割近く占める。天然ガス・石油・石炭などの燃料価格が高騰する限り電気の値上げは止まらない。電力会社は更なる単価・プランの見直しが必要だろう▼電気料金は上がっているものの、やはり家電は生活する上では欠かせない。東日本、西日本では電源周波数が違うことにより、東日本で購入した家電を西日本で使用、またその逆をすると、性能の低下や故障を招く原因に。引っ越しをするとき注意が必要となる▼それにしても電気料金はどこまで上がるか。解決策はあるだろうか(鴎)
2024年6月3日
「日が長くなっても、早く現場を切り上げなければ」―時間外労働の上限規制がはじまった。とは言うものの、「時短」に苦しんでいる建設会社は本当に多い。週休2日を見込んだ標準工期が適切なものになっているかどうか▼会社または自宅から現場まで、移動する時間もあって実際に現場を叩ける時間は限られる。遠い現場であれば、会社に戻って書類作りの時間もなかなか取ることができない。また、工期が長い現場ともなれば、冬を迎える前になるべく進捗を上げておかないと、と考えるのはごく自然だろう▼机上の空論。そもそも時短とセットで従来の仕事量をこなすには、業務効率のアップと人員増が伴う。そこが欠けたまま、現場は生産性の向上どころか、まったく逆の方向に進んでいる。働き方改革は進んでいますか。(鷲)
2024年5月31日
旅行中などで渋滞にはまった時に、「どこでもドアがあれば」「車が空を飛べたら」など、なんとか移動時間を削減できないものかと考えてしまうことがある▼先日、アメリカのベンチャー企業が日本航空と提携し、空飛ぶタクシーの試験飛行に成功した。将来はパイロットがいない自動飛行を実現し、日本での事業展開も目指しているという。また、2025年の大阪・関西万博では、空飛ぶクルマが人を乗せて大阪の空を飛ぶことが決まっている。どちらも楽しみなプロジェクトで、着実に夢の実現に近づいている▼4月から時間外労働の上限規制が開始したが、対応に苦慮している印象だ。移動時間の短縮はこの問題にも良い影響を及ぼすだろう。いつかは重機たちが空を飛ぶ時代がくるかもしれない。(雛)
2024年5月30日
キャベツなどの値段が高騰している。一般の人は値段が落ち着くまで我慢もできるが、食を提供する地元の店舗にとっては値上げも難しい。深刻だ▼農家はもっと大変だろう。長い時間をかけて生産の基盤を作るが、栽培には天候が大きく左右する。それでも、農作物を育て上げて出荷にこぎつける人達は、食料の自給率が極めて低い日本を支える▼建設業界で働く人も同じだ。一人前になるには長い時間がかかる。完成までの工程を描く調査や施工業者の技術者。そして、多くの職人技で現場を仕上げて行く姿が頼もしい▼業界団体の定時総会では担い手の確保、人材育成という言葉がトップにくる。高齢化は進むが、若い人も多く働いている。育つには手間もかかるが、伸びる姿を見るのも楽しみの一つ。(鷺)
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