コラム

2025年2月25日
普段は見えない地中を相手に仕事をする人が多くいる。ボーリング、配管工事などはインフラの整備に欠かせない。作業後の景色はいつもの通り。目立たないが役割は大きい▼埼玉県で発生した陥没事故について、建設工事などに携わる多くの人がWebに投稿した。この中で、配管工事などを手掛ける人は事故の要因の一つとして「維持に関するコストを払わないで、見て見ぬふりをしたツケ」▼そして、「技術者や施工業者をないがしろにしてきた日本・日本人全体の責任」。「配管の仕事は地面の下や壁の向こう側。人目につかないから業種として認識されづらい」と話す▼インフラの整備と維持は多くの業種が連携して国民の暮らしを支える。これを知らない人が「無駄な公共工事」という。構造物は決して無限の存在ではないのに。(鷺)
2025年2月21日
トランプ米大統領が輸入品への関税強化に動き、各国が動向に注目している▼鉄鋼、アルミに加え、自動車には税率25%を課す方針とか。自国第一、保護主義的なスタンスから、貿易相手国と対等な水準まで関税を引き上げる「相互関税」の導入を指示。全方位に関税をかけ、製造業を自国に呼び戻すことを狙う。国内業界では関税引き上げに伴う建設資材費の上昇などが気がかり。円高に振れれば値下げ要因となるが、果たして▼率といえば、国が公共工事設計労務単価を前年度比で平均6・0%アップさせ、県も同じく平均6・4%増やすという。倉吉市が発注標準金額の引き上げを決めるなど、適正利益の確保に向けた対策が足元で取られ始めており、こちらの成果も気になるところだ。(鴛)
2025年2月20日
大阪・関西万博の開催まで、気づけば残り2カ月を切った。前売り券の消化率は2月頭時点で目標数の半分ほどと、未だ苦境を抜け出せないでいる▼18日には記念駅伝の出場選手が発表された。1970年会場の万博記念公園と夢洲を結ぶ約55㌔をコースに、史上初めて実業団と大学生が競い合う。過去と未来のつながりを象徴する催しで、盛り上がりにつなげられるか▼ある外食チェーンの経営者は「経営は駅伝のようなもの」と評した。タスキに当たるのは権限ではなく「思想」であり、うまく受け取れる人物を見極められるかが勝負の分かれ目だという▼建設産業ではさらに、6割超の高い後継者不足率も立ちはだかる。テイクオーバーゾーンに入る前に、次の走者を見出したいところだ。(鵯)
2025年2月19日
昨年公開された映画「ルート29」。兵庫県姫路市と鳥取市を結ぶ国道29号を舞台にした映画だ。他者と交わろうとしないひとりぼっちの主人公と、風変わりな女の子との2人が姫路から鳥取までを旅する物語となっている▼筆者も先日、映画のように姫路から鳥取まで国道29号を通り帰った。のどかな一本道で懐かしい原風景が広がっているが、県境の戸倉峠は先日の大雪でかなりの積雪だったのだろう。路肩にはいまだに1㍍超の雪が残っていた▼国道29号は鳥取市広岡~西大路にかけて2・8㌔区間の津ノ井バイパスが、昨年新規事業化となり、4車線化に向け設計などの業務が発注されている▼街中の国道29号は渋滞が多発し、のどかとは言い難い。4車線化で快適に走ることのできる路線となる日が待ち遠しい。(隼)
2025年2月17日
1年の日にちごとに設定される誕生花。起源はギリシア・ローマの神話時代まで遡るという。今日17日の花は「ネコヤナギ」だそうだ▼ネコヤナギはヤナギ類の一種。銀白色の花穂がふわふわとした産毛に見え、ネコの尾に似ていることからこの名が付けられた。また、同種の中でも一足早く花を咲かせことから春の訪れを告げる花とも言われる。今週もまだ寒い時期が続く。そろそろ暖かくなることを期待する▼さて、環境に関連する河川整備の工法は多数あるが、ネコヤナギを利用した工法が存在する。既設コンクリートに水際植生を短期間で再生させる緑化工法とし、生息環境の改善が期待される▼ネコヤナギの花言葉の1つに「努力が報われる」という意味がある。植物復元の研究で生態系が守られることを願う。(鴎)
2025年2月14日
初任給30万円―人手不足を背景に、大手企業が賃上げ競争に走っている。労働環境は地方との格差が開くばかり。中小の企業が人手不足を賃上げで解消できたとしても、そのために経営資金に行き詰まれば元も子もない▼賃上げもそうだが、働き方改革にはいろいろある。建設業界にとって欠かせない警備員。立ち仕事が当たり前の警備に、椅子を取り入れる動きが広がっている。交通量が多い現場では難しいが、車両や通行人が来ないときは座って監視する。身体への負担も減り、警備会社にとっても重労働のイメージが払拭できるという▼働き方改革はデジタル化の導入だけではない。肩肘を張って取り組まなくとも、ちょっとした改革は身近にあるもの。工事現場で椅子に座っている警備員。こうした変化を周囲も受け入れる姿勢を大切に。(鷲)
2025年2月12日
最近よく耳にする言葉に「蛙化現象」がある。自分の周りでは聞きなじみがないが、テレビなどでは度々見聞きする▼検索すると「好意を抱いている相手の行動や言動が原因となり、嫌悪感を抱いたり、気持ちが急激に冷めること」との解説が。由来は、グリム童話の王女が最初カエルを嫌っていたのに、最後にカエルが王子に戻って結ばれるという物語からだという。新しい言葉は時代とともに生まれるもので、「ナウい」や「チョベリバ」などその時代の時勢に合わせて誕生している▼建設業の流行語では、「ICT」や「CCUS」などの言葉が思い浮かぶ。それに加えて「働き方改革」、「新3K」などは現在の建設業が目指していることを表している。これらの取り組みを定着させることが、若者たちの建設業への「蛙化」を防ぐためにも重要だ。(雛)
2025年2月10日
球春到来。プロ野球の春季キャンプが始まり、にぎやかな話題が聞こえる。新監督や有力選手はもちろん、期待のルーキーはプロという大きな壁を越えて活躍する姿を早く見たい▼華々しい話ばかりではなく、昨シーズンに故障した選手はどうだろう。身体のメンテナンスも進んだか。体調管理や練習のメニュー作りには「トレーナー」と呼ばれる人達の存在が大きい▼公共施設のメンテナンスはどうだろう。埼玉県八潮市では幹線道路が大規模に崩落した。知人は、出張で同市を訪れた時に事故現場の目の前にある「蕎麦屋」に入ったこともあり「他人ごとではない。鳥取県内はだいじょうぶか」と問われた▼維持管理のメニューは進化したが、危険は多く隠れている。インフラ整備に携わるすべての人が、さらなる知恵を絞らなければ。(鷺)
2025年2月7日
石破茂首相の独特の言い回しが「ねばねば構文」と呼ばれているそうだ▼ゆっくりした口調での「~せねばならない」が口癖で、結論、結果が見えにくく、時間もかかるのが特徴。誠実に答弁しているようでいて、肝心な所では言質を与えず、野党は手を焼いているとか。少数与党下での新年度当初予算案の成立が通常国会の課題。野党の賛成を得ねばならない中、粘り腰で通過させられるかが焦点だ▼業界が注目するのは、当初予算の公共事業関係費が安定的、継続的に確保されてきた中、野党による修正の矛先が向けられないかどうか。県建設業協会は首相に対し、資機材価格の高騰を踏まえた事業費の確保などを全国建設業協会とともに緊急要望した。しっかり結果で応えてもらわねばならない。(鴛)
2025年2月6日
某大手家具小売業の採用戦略を聞く機会があった。10年ほど前からインターンシップの制度を設けており、最大5日間で5職種を体験できるという▼重視しているのは関係性の構築で、期間中に採用活動は一切行わない。真摯に学生の疑問に向き合い、体験の質を高めた結果「先輩が後輩に勧めて連れてくる」という好循環が生まれたそうだ▼学校も組織も、人が入っては抜けていくもの。決して永続的でないことを前提に、10年、20年先を見て手を打っていく必要があると訴えた。まさに「流れる水は腐らない」▼―が、その通り道には耐用年数がある。下水管の老朽化がにわかに脚光を浴びる中、更新に向けては地中で入り組んだ配管や図面にない埋設物がネックに。50年先を見据えた維持管理計画はどこで滞ってしまったのか。(鵯)
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