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2025年5月16日
物価高や米国の関税措置を受けた経済対策としての消費税減税に、賛否が渦巻いている▼野党は強力な手段となるとして、食料品を中心に税率引き下げを迫る一方、石破茂首相は財源重視の方針を前面に出し、慎重姿勢を崩していない。夏の参院選を控え、具体的な経済対策を打ち出さなければ「無策」との批判を受けかねないため、自民参院側、公明党内からも減税を求める声が上がり、軽減税率を0%に、との意見も。議論の行方はどうなるのか▼業界で率といえば、最低制限価格の設定率を上げる改定が全国だけでなく、県内でもいくつか。将来にわたる公共工事の品質確保はもちろん、業界の課題となっている中長期的な担い手確保につながる内容。引き下げでなく、引き上げの動きが進んでほしいものだ。(鴛)
2025年5月15日
先の連休中に水墨画の展示を鑑賞する機会があった。黒一色の濃淡で描き出された山陰の原風景は、不思議と色彩を放って見えた▼水墨には「減筆」という技法がある。筆数を極力省き、あえて「描かない」ことで見る者の想像を掻き立てる。余白に情感を見出す東洋の美意識が色濃く反映されたものと言えるだろう▼建設の仕事も同じように、完成した構造物だけでは語り尽くせない。測量に始まり、現場の調整、住民との折衝―図面に残らぬ「余白」に目を向ければ、そこに人の技や心が滲んでいる▼無数の筆致が一幅の画を成すように、無名の手仕事が重なり合い、やがて一つの形が浮かび上がってくる。しかし描かれぬ部分に潜む美しさもまた、出来上がった作品の一部なのだ。(鵯)
2025年5月14日
まだ5月だが夏の足音がすでに近くまで来ている。年々、夏と冬の割合が増え、日本の四季が失われつつある。身体の順応が追い付かない▼夏が近づくにつれて増えていくのが、全国各地で開催される音楽フェス。規模の大小、プロアマを問わず、毎月かなりの数のフェスが開催されている▼音楽フェスが開催されることで、地域経済への波及効果は膨大なものとなる。規模にもよるが少なくとも数億円から百億円台が見込まれる。フェス開催で会場周辺のインフラや宿泊場所などの整備も促進され、開催地、ひいては周辺地域の活性化にも期待ができる▼さて山陰に目を向けてみると、いくつかフェスがある。ただ、歴史が浅いものもあり、地域活性化の面ではイベントを継続的に開催する必要がある。そのためには官民連携が必要だ。(隼)
2025年5月12日
今日5月12日はアセロラの日。初収穫を記念し、認知度向上を目的に制定された。今ではアセロラを知らない人は少ないだろう▼語源はラテン語ということを知っていただろうか。酸っぱい(acerolus)から派生したと言われている。アセロラはオレンジやレモンの30倍にも相当するビタミンCが含まれており、「ビタミンCの王様」と呼ばれるほど驚異的な栄養価がある▼ビタミンCは深部体温を下げる効果があると近年の研究で出ており、また、抗菌作用や免疫力向上に欠かせない成分 。熱中症から守る役割を果たしてくれる▼これから先、猛暑の時期がやってくる。熱中症対策では梅干しやバナナ、スイカなどが有効な食べ物と推奨されているが、アセロラドリンクを飲んで備えるのも良いだろう。(鴎)
2025年5月9日
情報が伝わるスピードが速くなり、追いつくのも大変な時代になった。反面で情報の正確さや、裏にある背景を考える余裕もなくなっている。すぐに答えを求め、洞察力は低下しているような▼GWが明け、夏の参院選を前に与野党が存在感を示そうと必至だ。「年収の壁」「教育無償化」「消費税減税」など、政治の世界では分かりやすいフレーズが飛び交う。経済、暮らし向きはどう変わるのか、表表紙だけに目を奪われていないか▼国交省の入札加点にも賃上げほか、ワーク・ライフ・バランス(WLB)に関連した「えるぼし」「くるみん」認定などの評価項目がずらり並ぶ▼国施策の上澄みをすくうような基準ばかり。県内企業にとっては、とてもハードルが高いと聞く。本来の品質確保とは、あまりにもかけ離れてしまっている。(鷲)
2025年4月30日
近年広がりを見せる城ブーム。美しい城郭に目を奪われがちだが、無骨な城跡にも着目したい▼ドイツのハイデルベルク城は13世紀築城の由緒ある古城だが、17世紀の戦禍で廃墟になった。規模が大きすぎるあまり、当局は再建を諦めて廃墟のままの保存を決断。その哀愁漂う姿は、後にゲーテやカント、ショパンらの思索に影響を与えたほか、民衆にとってはナポレオンの圧政に対する愛国心の象徴となった。こうした歴史に加え、旧市街と山河、廃墟が織りなす独特な景観が世界中の人を魅了し続けている▼天守を失い、石垣のみが残る米子城にも通じる話だろう。市は史跡の特徴を守りながら、中心市街地の憩いの場へと整備中。今後は城下町の町家の保存と活用にも力を入れるという。3期目の伊木市政が商都にどんな文化の風を吹き込むのか、手腕に期待する。(鸛)
2025年4月28日
大阪関西万博が開幕し、盛り上がりを見せている。入場者数が100万人を超え、メディアも連日盛況ぶりを報じているが、開幕前は否定的なニュースも多かった▼建設費の高騰、工期の遅れ、建設中のパビリオンを映し、開幕までに間に合うのかと各メディアがあおるような報道を続けた▼東京オリンピックも似たような流れだった。コロナ禍ということもあり、感染症の拡大など否定的な報道が続き、始まれば打って変わったようなお祭り騒ぎとなった。猛暑の中、マスクをしながら、会場の設営に取り組んだ工事関係者の奮闘をどれだけの人が知ったのだろう▼メディアが伝えるべきは、不安をあおるような報道ではなく、こうした立役者たちの姿ではないのだろうか。万博開幕に向けて、昼夜を問わない作業を続けた多くの人達に敬意を表したい。(燕)
2025年4月25日
旅行中などで渋滞になった時に、「どこでもドアがあれば」「車が空を飛べたら」など、移動時間を削減できないものかと考えてしまうことがある▼そんな「空飛ぶクルマ」が現実になろうとしている。今月開幕した、大阪・関西万博の目玉の一つに「空飛ぶクルマ」がある。実際に乗車はできないようだが、丸紅など4社の機体のデモフライトのほか、空飛ぶクルマのある未来を体感できる、映像、音響、振動を組み合わせた没入型アトラクションなどがあるようだ▼しかし、移動時間が長いことは、悪いことでもない。「発想力は、移動した距離に比例する」という言葉もあるように、もしかしたらアイデアが生まれる場なのかもしれない▼建設業も時間外労働の上限規制が開始し、時間に追われることが増えているが、空は飛べなくても移動時間も楽しむのも良い。(雛)
2025年4月24日
4月も下旬。昔、知人から届いた葉書に書かれた言葉は「春爛漫(らんまん)。おだやかな風を感じる季節」から話が始まった。あれから長い時が過ぎた今年の4月は寒暖差が大きさと花粉、黄砂。個人的には心地良くはなかった▼今年の「八十八夜」は5月1日。はるか昔には、この日を目安に平地では田植えなど、夏の準備や長雨の対策も始まったと聞く▼今年の梅雨はどうか。専門家は、自然災害の発生をあらゆる角度で想定しておくべきだと話す。行政も河川の堤防点検を進める。単なるイベントではなく、問題を見逃さないための効果がある。安全対策に手抜きはできない▼かつて届いた短い手紙の結びに書かれた言葉を思い出す。「この時期の風は初夏の香りを運んでくる」。時代は移り、近頃は短い春が終わると同時に猛暑の夏が待つ。(鷺)
2025年4月23日
大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手に第一子となる女児が誕生し、祝福ムードに包まれている。チーム内だけでなく、敵地でも大歓声やボードで祝意が伝えられているという▼花巻東高校時代に残した人生設計シートには「31歳で女の子誕生」と記しており、3カ月前倒しで有言実行を果たした形。ワールドシリーズ制覇など、シートに記載した目標は既に達成し、今回は性別まで的中。「40歳 引退時代でノーヒットノーラン」といった今後の未来予想図はいかに―▼業界では、それぞれ人生設計を描き、加わった新入社員が1カ月の社会人生活を経たころ。早くも狂いや先行きが見通せなくなっていることもあるだろうが、経営者や先輩の支えで、軌道修正していってほしい。(鴛)
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