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2025年12月11日
今年の漢字が、あした発表される。一年の世相を表す漢字一字を全国から募集し、京都・清水寺で揮毫する年末の風物詩。前年は、パリ五輪・パラリンピックでの日本人選手の活躍、佐渡の金山の世界遺産登録などを踏まえ「金」だった▼巷間、今年有力とされているのが「米」。異常気象に伴う米不足、米国との関税交渉、米国での日本人野球選手の活躍と、誰もが納得しそうな理由。他に、被害が絶えない「熊」や、大阪・関西万博の「博」などが候補に。「高」も、物価高や株高、女性初の首相となった高市早苗氏の存在から、挙がっている▼業界では「高」か。資材価格や人件費の高騰に依然として悩まされている。「楽」や「安」になるとよいが、なかなかそうもいかない。(鴛)
2025年12月10日
夢を持て、挑戦しろ―そんな期待がいつしか重圧に変わり、若年層の間で「ドリームハラスメント」という言葉が静かに広がっている▼また新しい「○○ハラ」かと辟易されるかもしれないが、発端は平成中期まで遡る。キャリア教育の導入に際し、人生や仕事の核となる「夢」の存在が強く謳われるようになった▼持てと言われて持てるほど軽くはない。かつ大人達が求めるのは私的な願望ではなく、あくまで生産活動に資する目標。夢の有無で二極化し、公私の間で揺れ続けた世代が社会に出る今、ついに顕在化してきた問いと言える▼これから建設業界が迎える人々も、壮大な夢を抱く者ばかりではない。完成図が無いのなら目の前の一歩から。手を動かしているうちに、次第に立ち上がってくる姿があるはずだ。(鵯)
2025年12月8日
小さいころ、何か悪さをすると「罰が当たるよ」など言われ叱られたものだ。そんなわけないと思っていると、怪我したり風邪を引いたりする。注意散漫になっているのが要因だろうが、子どもの身分ではいかにも罰が当たったように感じていた▼なにも子どもに限った話ではなく、大人でも注意力が散漫な状態では当然、自分の身に何かしら影響が出る▼逆に良いことをしているのもプラスの影響をもたらす。ある業者の代表は若いころに「後ろ姿が輝く人になりなさい」と言われたそうだ。その言葉を胸に、誠実に仕事をこなしてきたことで、今でも昔の縁がきっかけの仕事があるという▼継続するのはなかなか難しいが、誠実な行動が後々の自分にプラスとなることを肝に銘じて、日々の業務に励んでいかなければと襟を正す。(隼)
2025年12月5日
人生にかかるお金の1つが住宅資金。近年の建築費高騰を受け、2024年の全国平均で過去最高を記録。住宅を建てたいという若者は今後悩むであろう▼「賃貸vs購入」―将来の住まいを検討する若者がローンを組んで資産形成する方が合理的だと判断する傾向が以前よりも早まっている。さらにはデザイン性よりも、実用的なものを重視するとしコストパフォーマンス中心に考える▼平屋建て住宅の占める割合は、過去10年で約2倍に増加。そのほか、中古住宅の売買やリノベーションも主要になりつつある。こうした現代特有のライフスタイルの変化などで住宅市場は変わりつつある▼人口減少いう背景から、住宅の着工戸数は長期的に減少が続くと予測される。市場の変化に対応するための構造転換や、リフォーム、DX化が鍵になるだろう。(鴎)
2025年12月4日
子供のころ、遊ぶ場所に事足りぬことはなかった。雑木林でクワガタを捕まえたり、栗を拾ったり。ため池でフナやコイを釣り、泥んこになってザリガニを取ったりと。また、空き地を見つけては野球をやったことも▼近ごろの子供はどこで遊んでいるのだろう。以前、ニュースで公園から砂場が消えたと話題になったが、公園そのものが少なくなったような気がする▼ある県東部の若い町会議員が「親子連れで楽しめる公園を造りたい」と語っていた。「外で遊ぶ場所もなく、何が子育て環境の整備か」と。外に出て、五感を使って遊びまわることは教育上にも良いことだと思う。なにより、その経験は思い出として後の財産になる▼小学校の砂場にジョウロを持ち出し、砂を固めてダムを造り、腕まくりしてトンネルを掘ったころが懐かしい。(鷲)
2025年12月3日
物価高騰の中でムダを削減したいと考えた時、まず何から始めるべきだろう。それは「見える化」かもしれない▼見える化は、トヨタの岡本渉氏が論文で発表したのが起源とされ、単純な可視化とは少し異なり、見えるようになった情報をどう生かすかまでを含む考え方。同社では、異常があれば誰の目にも明らかになり、即座に対処できる仕組みがある▼建設業の見える化は測量が思い浮かぶ。紀元前3000年のエジプトでは、ナイル川が毎年氾濫し農地の境界を失わせた。人々はその度に測量を行い、土地を区画し直すことで公平な分配を実現していたという。現代では、BIM/CIMなどの3次元モデルで現場の完成イメージを確認することができるようになった▼建設業にはまだ悪いイメージが根付いているが、今の進んだ技術を世間に見える化することで、若者たちにどう見えるかも変わってくるかも。(雛)
2025年12月1日
「とっさの判断」。言い換えれば反射的にとか「無意識のうちに」と同じようなニュアンスか。スポーツ競技でもこの言葉を聞くが、良い結果が出たのは経験を積んだ選手が多いはずだ▼日本技術士会が防災の研修や学校での授業に講師として招かれる。この人達は事前にその地域を歩いて地形を見るほか、歴史を調べて話す内容を固める▼山間部であれば裏山の崩落や土石流。平野部では液状化の危険も話すなど、講演は見慣れた景色もテーマになる。そして、災害時を想定したクロスロードゲーム(いざという時の分岐点)が始まるが、参加者が答える項目はYesかNoの2択▼災害時にとっさの判断は難しいが、可能な限り安全な方向を決めることが重要。講師の技術士は地形を知り、普段から「もしも」の場合を想定しておこう、と伝え続けている。(鷺)
2025年11月28日
子どもの頃に見た祭りの情景を、ふと思い出すことはないだろうか。心が躍った体験ほど、時間がたっても色あせず残る。地域への親しみも、そんな記憶の積み重ねから育まれるのかもしれない▼米子がいな万灯振興会の創立40周年式典で、印象的な話を耳にした。幼い日に見上げた万灯への憧れが、そのまま地元企業への就職につながった若者がいるという。企業・団体のチームで熱演に興じる万灯を見て、「自分もあの一員に」と思う気持ちが芽生えたのだろう。人口減少が続く地域で、祭りや伝統芸能が若い世代の背中をそっと押す姿に、静かな希望を感じた▼各地の祭りが人手不足で存続の難しさに直面する中でも、子どもたちは大人の姿をしっかり見ている。祭りを守ろうとする思いに加え、心から楽しむ姿こそ、未来の担い手や働き手を育む力になる――そんな循環が続くといい。(鸛)
2025年11月27日
自民党内で、にわかに衆議院の1月解散論が浮上しているそうだ▼発足から1カ月が経過した高市早苗政権の支持率が、各種世論調査で高水準を維持していることが背景。年内の経済対策、来年度予算編成を踏まえ、来年の通常国会冒頭の「ハネムーン期間中」に解散総選挙に踏み切るべきとの声があるという。自民党と日本維新の会の連立合意に明記された衆院議員定数削減の是非を問えば、さらに民意が傾くとの観測も。一方、自民党そのものの政党支持率は伸びておらず、政権支持率と連動していない。この乖離が悩みとか▼乖離といえば、業界の予定価格と実勢価格の差。資材価格高騰などを背景に、業者が応札に踏み切れない原因となっており、悩みは尽きない。こちらも対策が必要だ。(鴛)
2025年11月25日
秋は人権研修が多く開催される。近年は「アンコンシャス・バイアス」と事あるごとに耳にするのでは▼無意識の思い込み、と訳される。実際にあった事例では「彼氏/彼女はいるの?」「1杯ぐらい飲めよ」といった、当人にとっては安全圏の発言から訴訟に至ったケースも。関西弁なら馴染み深い「アホ、ボケ」もアウト判定だ▼対話は例え日本語話者同士であっても、常に翻訳機を通して喋っているようなもの。各々の思想や背景というフィルタを介せば、同じ言葉でも全く異なる意味を宿す。無意識に生まれた解釈の幅は、時に意図的な揺らぎでもって拡大する▼況や多言語社会をや。現場でも外国籍と思しき技能者が増えつつある。ずれた杭がひずみを生むように、たった一言が関係性の「存立危機」を招きかねない。(鵯)
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