中国横断自動車道岡山米子線の米子-境港間高規格道路のルート帯で、国土交通省中国地方整備局が、中央ルート帯案が適当と判断した。事業費3500~4500億円が見込まれる整備内容で、2日に広島市内で開かれた社会資本整備審議会道路分科会中国地方小委員会で了承=写真=。新規事業化に向け、手続きが前進する。
同局は高規格道路の計画段階評価で、弓浜半島・日本海側の東側、中央部、中海側の西側を通る幅約1キロの3ルート帯案を示していた。
委員会で局は、沿線となる米子、境港両市、日吉津村の住民アンケート、関係自治体や団体への聞き取りなどの結果、輸送時間の短縮、自然災害に伴う代替路の確保、自然環境や景観への影響、工事中の交通規制による影響、家屋移転や集落への影響などを重視する意見が多く、東側と中央部が西側と比べて優れ、その上で中央部が都市拠点と物流拠点の双方へのアクセス性、自然環境に配慮した案として「総合的に優れている」と説明。
延長約20キロで設計速度は時速80キロ。産業拠点、防災拠点、観光拠点などへのアクセス性に配慮し、ルート帯内に地域の主要道路との接続を考慮して5カ所を候補にインターチェンジの配置を検討するとした。委員会では、中央ルートは高架区間が短いため、一定の用地買収が必要となるとして、委員から見通しを尋ねる質問などが出たが、異論なしとして了承された。
中央ルート帯案に対し、意見照会を受けた県は「同意する」と回答。回答書に、早期の事業化を求めるとともに、整備効果を十分に発揮させるためのアクセス道路の検討、整備に取り組むなどとの文言を盛り込んだ。国交省は今後、都市計画・環境影響評価、新規事業採択時評価へと手続きを進める。
中央ルート帯案は、山陰道の米子ジャンクション(JCT)付近から市街地を抜け、国道431号周辺を通る。山陰道との重複区間は約2キロ。ケヤキ並木や米子水鳥公園を回避するため、自然環境への影響が小さい。高架化する区間も短いため、事業費や維持管理費が安価となる。
東側ルート帯は延長約20キロ。全線を国道431号の道路空間を活用し高架構造とする。事業費4300~5300億円。浸水の回避、国道431号の代替性の確保が見込まれる一方、工事の交通規制による影響が最も大きく、全線高架化で事業費や維持管理費も最も高額となる。ケヤキ並木の撤去も必要で、景観形成重点地域への影響が懸念される。
残る西側ルート帯は延長約24キロと、3案で最も長い。山陰道の米子西インターチェンジ(IC)付近から中海上を経由し、市街地を極力回避。山陰道との重複区間は約7キロ。事業費は3700~4700億円。境港市から鳥取大医学部付属病院への速達性が最も向上するほか、安来市方面など島根県側とのアクセスが改善する半面、地域分断や集落への影響、移転物件数は最も多い。水鳥公園など自然環境への影響も課題となるとしていた。
