米子市は、昨年度実施したJR米子駅前通りの車道空間を活用した実証実験の報告書(概要版)を公開した。市民アンケートでは実証実験に対する否定的な評価が過半数を占めた一方、駅前通りの利用方法によって評価が分かれた。徒歩で駅前通りを利用し、自動車では利用しなかった人の約6割が肯定的に評価したのに対し、徒歩で利用しなかった人の約7割が否定的に評価した。
アンケートは市内外の275人から回答を得た。実証実験について「非常に良い」「良い」とした回答は約3割にとどまり、「非常に良くない」「良くない」が過半数を占めたという。
肯定的に評価した理由では、座れるスペースやイベント、キッチンカーを挙げる回答が多数。これに対し、否定的な理由では道路の混雑や通りの見通しを挙げる回答が目立った。自動車利用時に感じたことでは、車線規制に伴う車線変更などの危険性が最も多く、通行時間が長くなったと感じたとの回答も多かった。
こうした交通への影響について市が調査したところ、広域的な交通流に大きな変化はなく、実証実験に起因する交通影響は限定的と判断した。また、周辺交差点では渋滞長や通過時間の増加がみられたほか、実験前半には渋滞の発生頻度が増加しており、部分的な交通規制が影響した可能性を指摘している。
このほか、出店者アンケートの回答は43件。イベント時には多くの来店者があったものの、日常時は売り上げを期待できるほどの人通りがないとして、実証実験への評価も否定的な傾向となった。ただ、約半数は日常時またはイベント時に出店したいと回答した。
沿道事業者アンケートは66件で、実証実験の印象について6割近くが否定的に回答した。実験中の売り上げについては7割以上が「変化はなかった」と回答した一方、約5%は増加したとした。駅前通りについては、新店舗の誘致や沿道のにぎわいを期待する意見のほか、歩道の美化活動やイベント開催、整備に向けた議論への協力意向も示された。
市は実証実験について、イベント時のにぎわい創出を成果としつつ、自動車と歩行者の共存環境の確保や日常的な通りのにぎわい形成などを課題に挙げている。
