米子市上下水道局は23日、下水道事業への「水の官民連携」(ウォーターPPP)の導入に向けた意見交換会を同局で開き、維持管理と改築更新を一体的に担う「レベル3・5」の検討スキームとして、「更新実施型」「更新支援型」「段階的移行型」の3パターンを示した。参加した地元事業者からは受注機会の確保や技術者育成への影響などを懸念する意見が相次ぎ、同局は地元企業が継続して事業に参画できる仕組みづくりを検討していく考えを説明した=写真=。
同局は、下水道施設の維持管理や更新を長期・包括的に民間へ委ねる「管理・更新一体マネジメント方式(レベル3・5)」の導入を検討している。この日の会合で、更新工事まで受託者が担う「更新実施型」、工事は従来通り市が発注する「更新支援型」、支援型を経て実施型へ移行する「段階的移行型」の3案を提示。
更新実施型は、維持管理から改築工事までを一体的に担うことで、スケールメリットによるコスト縮減や民間ノウハウの活用が期待される。更新支援型は、改築工事を従来通り市が発注し、民間事業者はストックマネジメント計画の策定までを担う方式で、市は地元の参入障壁が低いと位置付けた。段階的移行型は、更新支援型で施設の管理状況などを整理・精査した上で更新実施型へ移行するスモールスタート型で、円滑な移行につながるとしている。
参加事業者からは、更新実施型では受託者が改築更新業務を担うことから、「地元企業の仕事量が確保されるのか」「設計や施工の経験を積む機会が減れば、技術者育成や地域雇用に影響するのではないか」といった懸念が示された。また、受託者が外注先を選定する仕組みとなれば、県外企業への発注や価格競争の激化につながる可能性を危惧し、市による一定の関与を求める意見も出た。
これに対し同局は、業務量を減らすこと自体が目的ではなく、これまで地元企業が担ってきた業務は引き続き受注できるよう、実施方針で条件を設ける考えを説明。外注先の選定を受託者だけの判断に委ねることがないよう、市も実施方針の中で一定程度関与する方向で検討すると回答。また、これまで県外企業が担ってきた業務についても、地元企業が参画できる仕組みづくりを目指す方針を示した。
同局は今後、参加事業者へのアンケート結果も踏まえながらスキームを検討し、2026、27年度に実施方針や要求水準書を作成。28年度の公告を経て、29年度の運用開始を目指すとしている。
