県西部の土木工事で顕在化している入札不調、不落で、県米子県土整備局と米子市が連携を強め、対策に乗り出している。市では市議会の改選を控え、契約時期の調整などが新たな課題となる中、発注工事の予定などを共有。時期が過度に集中することのないように可能な範囲で調整を進める考えだ。
慢性的に業界で技術者が不足する一方、米子県土、市ともに一定量の事業量を確保している。こうした中、2025年度は米子県土で土木一般A級を中心に25件の不調が発生。県土によると、市の下水道管渠新設など、圏域内の工事発注量が増加傾向になり、発注が本格化する7月から10月にかけて不調、不落件数が増える傾向にあるという。対策として、発注見通しを共有し、発注件数が集中しないように県土と市で調整を始めた。
市の大型工事は、日野橋=写真=の橋梁補修工事(概算工事費4億5000万円)、浜橋の架設工事(同3億3000万円)など。市議会での請負契約案の承認が必要となる工事だが、市議会は6月21日投開票の日程で改選を控える。このため、市は工事着手時期を見据え、日野橋の橋梁補修工事を予定より前倒して発注するなどの調整に入った。
一方の米子県土は、市の大型工事や下水道工事の入札を意識しつつ、順次、工事を公告する予定。原則、早期発注に努める。業界からは、現場や内容によるとの前提で「工事費が大きい案件から発注すれば、不調、不落が発生しにくい」との声が多く寄せられる。総合評価方式の受注減点の影響を踏まえた考えで、米子県土の西村克則局長は「考え、趣旨は理解する」とするが、それぞれの工事の予定や発注部署は様々なため、現実的には難しいというのが実態のよう。
米子県土の26年度の予算額は、25年度補正を含めて92億円と前年度並みの水準。米子市は普通建設事業費が126億円と前年度比8・8%増となっており、合わせると前年度以上の事業量。現時点で既に市の土木A級で1件の不調が発生しており、業界の受注余力に気を配りながら、両者が不調、不落の発生をどれだけ抑えられるかが注目だ。
