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 米子―境港間高規格道路を巡り、中央ルート帯を適当とする対応方針案が国の審議会で了承された。今後の事業化に向けては、地域のどの拠点をつなぎ、交通を受け止めるかが焦点になる。公開統計や審議会資料を基に、「現道の交通」と「沿線の産業集積」の両視点から地域の現状を読み解き、整備に向けた論点を2回に分けて探る。
 県は国の対応方針案への同意に際し、整備効果を十分に発揮させるため、アクセス道路の検討・整備に取り組む意向を示した。高規格道路と沿線の拠点を結ぶ一般道側も、計画を具体化する上で重要な要素となる。
 現道の交通状況の例として、米子市新開の国道431号を取り上げてみたい。2021年10月28日の道路交通センサス観測では、9~16時台の8時間に全車に占める大型車の比率が9・5%だった。7~8時台と17~18時台を合わせた4時間は5・5%。この日の観測には、総交通量だけでは見えない、時間帯ごとの車種構成の違いが表れている。
 公表された配置案では、皆生車尾線周辺の接続検討位置に、観光や救急医療、市街地などへのアクセスが考慮されている。温泉地や医療機関までの移動を支えるには、本線の速達性に加え、目的地までの既存道路とのつながりが重要になる。
 その接続を考える際は、交差点で「どちら側から入るか」も見逃せない。25年度の県道路交通渋滞対策部会資料によると、労災病院入口交差点では、皆生温泉側から県道皆生車尾線を通って進入する方向で速度が低かった。24年4月~25年3月の平日平均では、7~18時台の全12時間帯で旅行速度が時速20キロ以下だったという。
 同じ交差点でも国道431号の境港市側からは0時間帯、鳥取市側からは3時間帯。皆生車尾線の米子市街側からは0時間帯だった。25年8月7日の合同現地点検でも従道路の渋滞が確認され、部会資料には経過観察を続ける旨の記述がある。
 高規格道路への交通分散を考える上でも、接続先の交差点の状況を方向別に捉える必要があるだろう。どの道路を通って本線に入り、降りた先でどの経路をたどるか。観光や医療、日々の暮らしを支える道路網の中で、本線とアクセス道路をどう組み合わせるか、今後の具体化の過程で注視したい。