全国木造建設事業協会(全木協)は「ぼうさいこくたい2026in鳥取」で、木造応急仮設住宅をテーマにセミナーを開いた。建設統括本部長の久原英司氏(エバーフィールド代表)が建設や再利用の事例を紹介し、地域工務店を核とする供給体制と平時からの広域連携の重要性を訴えた。
全木協は、工務店の全国組織であるJBN・全国工務店協会と、大工職人らの組織・全建総連を構成団体とし、各地の被災地で木造応急仮設住宅を供給している。
久原氏は、仮設住宅の役割を終えた建物を、住まいや集会施設などとして使い続ける取り組みを報告。建物を移築して住宅を再建した事例や、集会所、公民館、子ども向け図書館などに転用した事例を紹介した。住宅再建が難しい高齢者の住まいを確保するほか、地域施設の再建負担の軽減にもつながるとした。
また、広域的な応援を円滑に受け入れるため、共通図面や仕様書を整備したと説明。中長期的な利用を見据え、断熱性や耐震性を確保するとともに、屋根裏収納や大家族に対応する間取りなどを盛り込んでいる。
建設に当たっては、被災地の木材業者やプレカット工場、資材流通業者、専門工事業者を基本に、地域の供給力を生かす考えを強調。大工も地元から近隣県、全国へと必要に応じて応援を広げるとし、地域工務店が応急修理から復旧・復興、建物の維持管理まで継続して担う意義を説明した。
供給上の課題には、団地の分散に伴う施工管理や職人配置の難しさを挙げ、工務店の資金繰りを支える金融機関との連携にも言及。早期着工と安定供給には、行政との情報共有や標準図面の事前準備、施工経験の蓄積が重要と指摘する。ブロック単位の会議を通じ、隣県の工務店や関係者が顔の見える関係を築き、大規模災害時に協力できる体制づくりを進めているという。
