中国地方整備局は5日、2026年度第1回事業評価監視委員会を広島市の同局で開いた。県内関係では国道183号鍵掛峠道路と皆生海岸直轄海岸保全施設整備事業の2事業を再評価し、いずれも事業継続とする同局の判断を妥当とした。地質条件への対応や侵食対策の見直し、資機材・労務費の上昇などを踏まえ、総事業費を鍵掛峠道路が114億円増の約637億円、皆生海岸が13億円増の約298億円に見直した。
鍵掛峠道路は、日南町新屋と広島県庄原市西城町高尾を結ぶ延長12キロの2車線道路。高規格道路「江府三次道路」の一部を構成し、現道の急カーブや急勾配の解消、災害時の代替ルート確保、救急医療活動の支援、物流機能の向上などを目的とする。2005年度に事業化し、09年度に用地、15年度に工事へ着手。25年度末の事業進捗率は約66%、用地進捗率は約89%で、26年度末の事業進捗率は70%を見込む。
総事業費は、前回の24年度再評価時の約523億円から約22%増額。内訳は、現場発生土の土質改良や購入土の使用などに約43億円、労務費・物価上昇に約24億円、法面対策の追加・見直しに約20億円、トンネル工事の長期化に伴う濁水処理施設・中和処理施設などの仮設備に約20億円、トンネル湧水対策の追加に約7億円。
掘削土は盛土材としての強度不足が確認され、土質改良や良質土の購入が必要となった。法面では想定外の蛇紋岩の出現や崩落を受け、グラウンドアンカー、吹付法枠などの対策を追加する。鍵掛峠トンネルでは貫通後も湧水が続き、一般的な排水工では機能が不足するため、中央排水管の強化などを実施。湧水による工事の一時中止や追加対策に伴い、仮設備の使用期間も長期化している。
現在はトンネル、道路改良、橋梁上下部工事などを施工中。鳥取県は継続方針に異存はないとした上で、湧水への追加対策が決まったことを踏まえ、全体工程を精査し、早期開通に向けて事業を推進するよう求めた。
鍵掛峠トンネル北側坑口
