下水道は「造る時代」から「維持管理する時代」へと大きく転換しつつある。整備が進んだ一方、管路や処理場では老朽化への対応が課題となっている。人口減少や人手不足、激甚化する災害などを背景に、限られた人員と財源で施設をどう維持していくかが重要だ。米子市では2026年度末に汚水処理人口普及率95%を達成する見通しで、国の10年概成方針に基づく整備が一区切りとなる。9月10日の「下水道の日」に合わせ、米子市上下水道局の下関浩次局長に、これからの下水道事業について聞いた。
―10年概成方針が今年度で終了する。取り組みの総括と、今後の管渠整備の進め方は。
汚水処理人口普及率95%という目標が見えるところまで整備を進めることができた。公共下水道の整備と合併処理浄化槽の普及を組み合わせ、地域の状況に応じた最適な手法を選んできた。3月末時点の普及率は94・9%で、今年度中に95%を達成できる見通しだ。ただ、95%で終わりではない。最終的には全ての人に汚水処理サービスを提供することが目標。2027年度以降は、国道9号沿いを中心とした未整備区域約20ヘクタールを対象に、4年間で約10億円を投じて管渠整備を進める。国直轄事業の電線共同溝事業と調整しながら、効率的に整備していく。
―老朽管の改築・更新需要の見込みは。
国の特別重点調査では、管径2メートル以上かつ布設後30年以上の管路を対象に調査し、緊急度1.が約0・39キロ、2.が約1・69キロあった。これらについては応急対応を終えており、現在、恒久対策に向けた管内調査や実施設計を進めている。今後5年間で本格的な対策を進める。今年度は緊急度1.の全区間と2.の約150メートルについて管更生やマンホールの改修を行う予定で、約10億円を見込む。特別重点調査の対象外も含め、ストックマネジメント計画に基づいて老朽管対策を進め、26~30年度の5年間で約50億円を投じる見込みだ。
―道路陥没対策を含め、管路の点検・調査をどう進める。
昨年11月の路面空洞調査をもとに、道路管理者と試掘した結果、下水道管に起因する空洞を3カ所確認した。応急措置は終えており、今後の管更生では、原因となった取り付け管の閉塞なども併せて行う。市内の下水道管は約840キロに及ぶことから、経過年数や維持管理履歴、交通量、腐食環境などを踏まえて調査対象を選定している。今後は、下水道法の改正を踏まえ、道路管理者と占用事業者が調査や費用負担などの役割を明確にする維持管理協定についても検討し、効率的な予防保全につなげたい。
―下水道施設の耐震化や浸水対策の進捗は。
管路では、医大通り下の中央第二幹線や国道181号下の青木内浜幹線などで耐震診断、実施設計を進めており、設計後(11面に続く)
